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あれもこれも

灰原中心二次創作サイトの創作人によるあれこれ日記。何かありましたら「拍手」からどうぞ。お礼は名探偵コナンの小ネタ三種類。

志保さん復活祭り その1

2012-05-17 22:05:09 | 志保さん復活祭り
 いろいろ考えましたが13年ぶりの志保さん復活なんだから自重なんて必要ないんじゃないかな、という結論に達しました。 
 というわけでここで改めて志保さん復活祭りの開催を宣言したいと思います。
 この機会を逃すとこんな祭りいつできるかもわからないですからね。ここは灰原ファンの皆さまとともに全力で志保さんの復活を祝って煩悩を全開にさせていきたいと思います(どんだけ吹っ切ったんだよ)

 今後はできる限り妄想やら感想やら思い付きやらを投下していきたいと思います。需要?そんなものは考えていません。私の志保さんへの愛の発露ですから!ただ「817話の夜の志保さんとコナンの話」だけはきちんとしたテキストにしてサイトUPにしたいと思います。いつになるかはわかりませんが、これだけは燃料がたぎっているうちに必ず完成させる所存です。

 

 では今さらですが816話のコナンサイド&歩美ちゃんサイドです。もうこの祭りの開催中、うちのコナンはこれで行きます(言い切った!)


816話:sideコナン

『工藤君…』
そう呼ばれたような気がして振り返ると奥まで続く木立が広がっていた。
「どうした?」
世良の訝しげな声に意識を目の前の遺体に戻すが、胸がざわざわする嫌な感じが収まらない。先ほどから一向に繋がる気配の無い携帯のリダイヤルボタンを押すがまたもむなしく「電波の届かない…」というアナウンスが聞こえてコナンは苛立たしげに電話を切った。

遺体の側に置かれたベルツリー号の乗車切符代わりの指輪を置いたのは間違いなく哀だ。警察に電話をしながら殺人を目撃したのは自分たちだと確実にコナンに伝えるために暗号として残して行ってくれたのだろう。そんな回りくどい方法を取ったのは…
「くそッ」
哀は警察に電話をかける前に絶対に自分にかけてきたはずなのだ。こんな時、哀がどうするかなど簡単に想像できるほど側にいた。そしてこんな時、最初に助けを求められるくらい信じてくれているという自負もあった。それなのに…。
肝心な時に役に立たなかった自分のスマフォを投げつけたい衝動にかられた時、
「では一人づつ…」
警官に連れてこられた怪しい三人組の事情聴取が始まった。事情聴取を聞きながらも焦る気持ちを抑えられずもう何度目になるのかわからない哀の携帯を呼び出すがまたも空振りに終わる。
「灰原なら電波が通じる場所に移動するはず」
哀ならば探偵団の子供達を安全を確保しながら自分を待っててくれるはずという、それは絶対の信頼感。いつもできうるすべての手を打って、自分が何も心配しないで真実にたどり着けるようにしてくれる最高の相棒。その哀と未だに連絡を取れずにいるという事実に、ドクリと心臓が嫌な音を立てる。
「もうすでにあの三人を含めた誰かに殺されてしまったか…」
隣の世良の声にゾクリと神経が逆なでされるのが自分でもわかった。
(ふざけるな。そんなことはさせない。させてたまるか。アイツはオレが絶対に守ってやる)
ポケットの中にある哀が残したベルツリー号の指輪を握りしめる。子供達と写真を撮ったと楽しそうに話していた哀の姿が浮かぶ。最近ようやく見せるようになった衒いの無い笑顔、その笑顔を守りたいとずっとそう思ってきた。
『ヤバくなったらオレが何とかしてやる』
そう哀に約束したのは紛れもなく自分だ。
『守ってくれるんでしょ』
哀の言葉が繰り返し頭に響く。あの時と同じ哀がどこかへ行ってしまいそうな焦燥感がコナンの中を駆け巡った。
(落ち着け、落ち着け)
と心の中で何度もつぶやく。早く目の前の三人から犯人を特定して哀達の居場所を聞き出さなければならない。それがもはや唯一にして最善の道だと探偵としての警報が告げていた。




816話:side歩美

いつもの様に阿笠博士に連れられてきたキャンプ場で薪拾いをしていて偶然目撃してしまった殺人。そしてその犯人から懸命に逃げて何とか森の奥にある一軒の小屋にたどり着けたのは哀の冷静な指示のおかげだった。警察に電話をしながら、犯人を巻くために森を複雑に走りこの小屋まで導いてくれた。
そんな哀は先ほど自分たちに背を向け、じっと黙って扉の方を見つめている。心なしか少し肩が辛そうに上下しているがそれはここまで一生懸命走ってきたからだろう。
(大丈夫。哀ちゃんがきっと守ってくれる)
どんな時でも絶対に自分たちを守ってくれる哀の背中を歩美は全幅の信頼を込めて見つめた。

しばらくそうして薄暗い山小屋の中で仲間たちと息を潜めていると入り口の方から足音がして、一気に小屋の中の緊張感が高まる。歩美は反射的に黙って前方を照らしている哀の肩にしがみついた。
やがて無理やり扉を開けようとする大きな音が響き始めた、歩美は恐怖感からギュッと目をつむり哀の肩を掴む腕に力をいれた。
「扉の向こうにいるのはさっき死体を埋めてた…殺人犯よ!」
体当たりの不気味な低い音が小屋にこだまする中、冷静に状況を説明してくれる哀の声に安心する。落ち着いて「このまま大人しく待っていれば大丈夫」という言葉にホッと息を吐くと握ったままの哀の肩が小刻みに震えているのに気が付いた。
(え?哀ちゃんどうしたの?)
どんな時でも歩美を守ってくれた背中の震えに動揺が走る。
「哀ちゃん震えてるの?」
聞いた声は自分でもわかるほど不安げだった。
「ちょっと寒気が…江戸川君の風邪がうつったのかしら…」
安心させるようにいつもの様に微笑む。一瞬、泣きそうな顔をした自分に「大丈夫」と再び微笑んで
「心配させるといけないから円谷君たちに内緒よ」
とそう告げた哀のその顔がずいぶん青く見えたのは小屋の暗さのためだけではないことに気づいても、歩美はただ黙って頷くことしかできなかった。

それからしばらくの間、外から聞こえる物音に警戒しながら四人で小屋の中心で身を寄せ合っていた。途中、焦れて外に出ようとする元太を哀が止めては小屋の中央に連れ戻す、そんなことを何度も繰り返しながら助けを待つ時間は永遠とも感じられるほど長かった。
歩美は小さな物音が聞こえて小屋の入り口に明かりを向けた哀にちらりと視線を向けた。元太と光彦に気づかれないように気を付けているが先ほどから時折、咳を繰り返したり辛そうに顔をしかめている。心配でそっと握った哀の手は驚くほど熱かった。
「哀ちゃん…」
自分でも熱くなっている自覚があるのだろう、慌てて歩美の手を振りほどいた哀に、呼びかけると哀は困ったように小さく笑うとちらりと元太と光彦の方を向いて片目をつぶった。しぶしぶ頷いて、でも少しでも哀を支えようとそっと側による。そうすると哀が困ったように微笑んで
「うつるわよ…」
と囁いた。
「大丈夫だよ」
そう言うと腕時計型ライトを持っていない方の手を今度は振りほどかれないようにギュッと握った。

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5 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (久遠)
2012-05-10 23:55:07
サンデーより、こっちの続きが読みたくなる魔法ですね
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Unknown (Liah)
2012-05-11 00:13:59
このお話を念頭に置いて、もう一回サンデーに行ってニヤニヤしてきますw
返信する
暴走中です (覚蓮常)
2012-05-12 00:23:56
>久遠さん
原作でもこういう場面があったんですが、ページの都合でカットになったと信じてます(笑)

>Liahさん
今週のサンデーはもう何度読んでもいいと思います。私も読むたびに妄想とニヤニヤが止まりません。
返信する
Unknown (久遠)
2012-05-18 01:33:44
タグwwwww

まさか連載になるとはww
返信する
BGMはいつものアレ (覚蓮常)
2012-05-18 08:03:16
「訳なんているのかよ?志保の復活を祝うのに、訳なんているのかよ?」

という新一の声が響きわたりました(笑)
というわけでリミッター完全解禁でいきます。
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