海底に沈むが如く沈潜し悪との闘い終末にやあらむ
『中国の歌ごえ』アグネス スメドレー
ヴィレンと私が一緒に暮らし始めた時、二つの時代と
二つの文化が出会った訳である。私は、歪められた商
業主義文明の産物であるアメリカの勤労婦人だし、彼は、
教養があり、迷宮の様に錯綜した婆羅門の精神を持ち、
イギリスの古典的な教育を受けた高いカーストのインド人
であった。彼はイギリス的なものは何でも憎んでいたが、
凡ゆるものを貨幣価値によって判断するアメリカ資本主義
に対しては、もっと深い軽蔑の念さえ抱いていた。