たきゆの徒然日記

ゲーム、アニメなど趣味を書いています
好きな作品はMGS、COD。Fate、勇者であるシリーズ、ヘブバン

殺戮の天使 13〜16話 感想

2018-11-06 03:49:39 | 日記
面白かった

これはもっと評価されていい。過小評価されているアニメ

実態は作品は素晴らしいが婉曲的で分かりづらいために多くの人間に評価されづらいといったところか

大量消費されていくメディアの洪水の中、受けが良いのは
インスタントで味付けも濃い鮮烈な作品

淡くて雅で繊細な作品は好んでそれに手を伸ばさない限りは脚光をあびる事はない


この作品への不満点は死ぬ死ぬ詐欺が多すぎてもはやダニー先生何回死んだ!?ってパターンが多いのと
原作がゲームシナリオでそれを元にアニメ化しているから違和感を感じる要素が多いところくらい
お使い要素や謎解きのギミックや障害物の乗り越えの描き方など



作品テーマとしては狂った純愛

価値観がズレた人間同士で織りなす愛憎劇

極限状況下で繰り広げられたからこそドラマとして映えるし美しい物語ではあったが、いざ日常生活、普通の人々が生きる社会にザックとレイが溶け込むと果たして大丈夫か?ってのはあります


突っ込みどころというか

ザックは相変わらず殺人がコミュニケーションだし、レイも他人を信じ愛する事ができるようになったはいいが普通にズレた人間だろうし


あの地下空間の設立意図は明確には明かされていませんが、おそらく神父は天使を作り出したかったんでしょうね


罪と罰

このあたりも深いテーマが込められていましたが、原作をプレイしていない自分は深く読み取ることが出来なかった


聖書の内容もある程度把握が必要でしょうね


識る事は罪である
人は生まれた瞬間は穢れなき無垢無実であり
人の世の理を識る毎にその身は汚され淀んでいく

無知こそが無実であり、純粋こそが神の子である条件


作品タイトルからのミスリードを誘い、レイが殺戮の天使か?とアニメ中盤あたりまで考えてましたが
ザックこそが殺戮の天使であった

でもその天使である事の定義もザックとレイの信頼と絆を前提にした成長物語で否定される


神はおらず、殺戮の天使などそもそも存在しない

人は人でしかなく、生きている人間はみな心の奥底に願いを持っている

それに気づくか気づかないか


ダニー先生もとても悲しい人間だった

愛されたいという願いを実現するために、ただひたすらに誰かを愛し続けた
でもダニーも形のない「誰か」を愛し続けたからこそ最後まで報われなかったんでしょうね

レイも初めは形のない「神」という存在の像をザックに求めザックを神として崇めた

だけどそれはやはり独りよがりなものでしかない
自分の価値観の中での神でしかないために永遠にその神は振り向いて来れない


レイがザックを「神」ではなく「ザック」と呼び
人としてザックと向き合う瞬間が良かった


ザックが最終回以後も殺人を続けるでしょう
でもレイが「良い顔」をしようと彼女を殺す事はないんじゃないかと

良い顔をした時にザックはレイを殺すか殺さないか
それを決めるのはこの作品を見て、2人の行く末を予想する視聴者です

ファンの数だけ答えがある
ある人は殺すと考えるし、ある人は殺さないまたは殺して欲しくないと考える


かくいう自分は殺して欲しくないです


ザックの最後の「俺に殺されるまで死ぬな」はレイに対して
ずっと俺のそばにいろ、死ぬまで生きろ。と言っているように自分は感じました
そう願っていたからかもしれませんが


こういう部分なんですよね

最近の作品って答えが一つしかなかったり、読み手や視聴者への心理誘導を一つしか仕掛けないモノが非常に多い

わかりやすく一から十まで説明しないとわからないでしょ?と言わんばかり

そんな作品よりも自分はまどろっこしくてややこしい作品の方が好きです

物語の行く末を読者や視聴者に投げかける作品の方が好きです
読み手の数だけ世界がある

作品って造り手と作品だけでは完結せずに、そこに読み手が加わるからこそ円環が出来上がって、本当の意味で作品が活きてくる

そういうキャッチボールできる作品って最近少ないんですよね

作品が洪水のように多すぎて氾濫してる昨今
良作が埋もれて正当に評価もされ辛い現状


富野監督だったかな、も言ってたようにアニメ業界は製作アニメの数を今の半分以下にすべきです

質の向上、良作が陽の目を浴びやすく、円盤も供給が少なくなれば今よりも売れやすくなったりなどプラスの効果しか生まないように思う

しかし現実は利権が絡んだり、枠の問題もあるから氾濫しつづけるしかないんですよね

下手に業界規模を縮小すれば肥大化したアニメーターや声優、音響周りの業界人の仕事が無くなるし

前に進むしかなく、立ち止まれなくなってるんですよね

脱線したので軌道修正



相変わらずレイは断罪による死を望んでいます

死を願うが、本当の望みは「幸せに生きたい」だけなんですよね

相変わらずレイは自分のした事の何がいけないのかよくわかってないぶっ飛んだ異常者ですが、その異常も両親のネグレクトにより育まれた必然


ザックの猟奇殺人者製造回想もわかりやすかったですが、レイのマジ基地倫理製造回想もわかりやすかったです

そんな過去があったらそりゃマジ基地にもなるよね、という


この作品のテーマは「愛を求める事」にありましたね
屈折しまくってますがザックもレイも愛を求めていました

ダニー先生も愛されたいマザコンという可哀想なお方

掘り下げなかったですが、キャシーや墓守りの少年も求めていたのは愛でしょうね


観測者の神父は別に愛を求めていなかった?

ただ、あの施設を作り出した経緯としては、何かに絶望して天使という存在を求めていたんでしょうね

その天使の大本命をザックに見ていたんでしょう




世間ではアニメは過小評価されている殺戮の天使
かなり楽しめました


原作の方は名作なんでしょうね

繊細な作品だから女性ファンの方が多いらしい

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