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『空飛ぶ馬』 北村薫

2024年07月27日 18時13分38秒 | ■読書
北村薫の連作ミステリ作品『空飛ぶ馬』を読みました。
北村薫の作品は先月に読んだ『街の灯』以来ですね。

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●上橋菜穂子氏推薦――「日常が〈物語〉に変わる、その瞬間を鮮やかに浮かび上がらせた名品」

「私たちの日常にひそむささいだけれど不可思議な謎のなかに、貴重な人生の輝きや生きてゆくことの哀しみが隠されていることを教えてくれる」と宮部みゆきが絶賛する通り、これは本格推理の面白さと小説の醍醐味とがきわめて幸福な結婚をして生まれ出た作品である。
異才・北村薫のデビュー作。

*第2位『このミステリーがすごい!'92』国内編
*第7位『もっとすごい!!このミステリーがすごい!』1988-2008年版ベスト・オブ・ベスト国内編
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1989年(平成元年)に刊行された北村薫のデビュー作品……大学で日本文学を学ぶ《私》と落語家・春桜亭円紫のコンビが、日常のさりげない状況の中から、隠れた真実を探り出していく、円紫さんと私シリーズの第1作、、、

『東西ミステリーベスト100』の日本編で第17位ランクインしている作品です。

 ■織部の霊
 ■砂糖合戦
 ■胡桃の中の鳥
 ■赤頭巾
 ■空飛ぶ馬
 ■解説 安藤昌彦

女子大生と円紫師匠の名コンビここに始まる……爽快な論理展開の妙と心暖まる物語、、、

文学部の大学生〈私〉と、噺家・春桜亭円紫(しゅんおうていえんし)が解き明かす、日常にひそむ謎と不可思議……見られるはずのない夢・大量の砂糖を入れられた紅茶・幼稚園から一晩だけ姿を消した木馬……。

人が生き、触れ合うことで生じる明暗を描く五つの物語……本格推理小説であり、一人の女性の成長を捉えた爽やかな青春物語でもある”誰も死なない”ミステリの記念碑的作品。

日常生活の中で遭遇した謎を女子大生の視点で描いた私小説風のミステリ……デビュー作とは思えないほど読みやすかったですねー 文章が巧いんでしょうね、、、

そんな中でイチバン印象に残ったのは、

絵本に描かれた青みを帯びた深い緑と鮮烈な赤が印象的で、心理の伏線の張り方が巧み……一歩、また一歩と心理の奥底に分け入っていくサスペンスが愉しめる『赤頭巾』ですねー 色んな意味で悪意、怖さを感じました。

次に印象に残ったのは、

誰の心の中にもひそんでいる、ちょっとした悪意を描いた『砂糖合戦』かな……日常に潜む、人々の悪意の描き方が巧いと思いましたね、、、

軽めのタッチで描かれているので読みやすかったですねー 北村薫はデビュー当時、性別も不明の覆面作家として活動していたらしいので、この作品を読んだ読者は、作者は女性だと勘違いしても仕方ないですね。

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