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『たとえ天が墜ちようとも』 アレン・エスケンス(著),務台夏子(翻訳)

2024年03月27日 19時38分36秒 | ■読書
アメリカの作家アレン・エスケンスの長篇ミステリ小説『たとえ天が墜ちようとも(原題:The Heavens May Fall)』を読みました。
アレン・エスケンスの作品は1年半前に読んだ『償いの雪が降る』以来ですね。

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この絆が断ち切られても、
彼らは陪審裁判を戦い抜く。
刑事と弁護士、親友同士の正義が衝突する!
『償いの雪が降る』の著者の鮮烈な法廷ミステリ

高級住宅街で女性が殺害された。刑事マックスは、被害者の夫である弁護士プルイットに疑いをかける。
プルイットは、かつて弁護士としてともに働いたボーディに潔白を証明してくれと依頼した。
ボーディは引き受けるが、それは親友のマックスとの敵対を意味していた。マックスとボーディは、互いの正義を為すべく陪審裁判に臨む。『償(つぐな)いの雪が降る』の著者が放つ激動の法廷ミステリ! 
解説=若林踏
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2016年(平成28年)に刊行されたアレン・エスケンスの長篇第3作です。

 ■第一部 死
 ■第二部 ディフェンス
 ■第三部 公判
 ■解説 若林踏

マックス・ルパートはミネソタ州ミネアポリス市警の有能な刑事……彼は高級住宅街の路上で発見された女性の遺体を相棒のニキ・ヴァンと調べ、被害者の夫であるベン・プルイットを容疑者とみなす、、、

プルイットはかつて裁判でマックスを不当に追い詰めるようなことをした、いわば因縁の相手……そして刑事専門弁護士であるプルイットは、かつていっしょの事務所で働き、現在はロースクールの教授をつとめるボーディ・サンデンに自分の潔白を証明してほしいと依頼する。

ボーディ・サンデンは過去に法廷弁護士として働き、数々の裁判で勝利をおさめてきた……しかしある事件がきっかけとなり、弁護士は引退、、、

とはいえ資格はそのままなので、かつての仲間であるプルイットの弁護を引き受け、数年ぶりに法廷へ復帰する……マックスもボーディも信頼に足る好人物であり、どちらも真摯に事件を追い、真相のために法廷で戦うことになる……。

面白かったー アガサ・クリスティ作品の『検察側の証人』的な面白さでしたね……刑事のマックス・ルパートと弁護士のボーディ・サンデンの出会い、そして友人として固い絆を結ぶに至ったきっかけの事件や、マックスの妻が亡くなったときの涙がにじむような切ないエピソードも語られ、双方に感情移入してしまいました、、、

親友同士の刑事と弁護士が、検察側と弁護側に分かれて対立し、法廷で戦う! 心が揺さぶられ、胸を打つ展開ですよねー どちも応援した気持ちになっちゃいましたね……二人がとても魅力ある人物として描かれているだけに、葛藤が強まるんですよね、、、

そして、検察官と弁護士のテクニカルな駆け引きのリアリティが物凄くて、刑事による捜査小説とリーガル・サスペンスの面白さ、バランス良く両方をしっかり味わうことができることも本書の魅力です……想定外の真相が明らかになる結末も鮮やか! 人物の描写とミステリの要素、両社の歯車が巧い具合に噛み合う感覚がむっちゃ心地良かったですね。

アレン・エスケンスの他の作品も読みたいなー

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