日本テレビ記者の三次遭難の話である。
もっとも『三次遭難』と言っても、救出に向かって遭難した訳では無く、取材に向かって沢の水に負けた「水死」と言う事なので、厳密には「三次遭難」とは言えないかも。
Webニュースに依れば、遭難した日本テレビクルーのリーダーはチベットの経験もある『山のベテラン』だったらしいが、急峻な山岳地帯を「Tシャツとジャージ」で登っていたと言うから、日本の山を甘く見た可能性も無きにしも非ず。
チベットの経験が却って過信を生んだかも知れない。
『日本の山なんかちょろいもんだぜ!・・・』などと・・・(これは邪推かも)
一度引き返すまでは同行したガイドの話では、取材の中止を何度もアドヴァイスしたと言う。
ガイドを置いて再び記者だけで行動するとは、やはり甘く見ていたと言う他はないのではないか?
昨日書いた「中高年の相次ぐ遭難」もハイキング気分で甘く見ている結果であると思うが、ベテランでさえ過信に陥ると夏山でさえ『死が待っている』という山の恐ろしさは、山に入ろうとする人々全てが自らに厳命するべきことだと思う。
私の知り合いの高齢者も山が好きなので、ひと言余計なお節介を焼いておきたいと思う。
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「機体の場所探す」ガイドと別れ再入山
日テレ記者遭難
朝日新聞 2010年8月1日(日)23:00
2人が入山した地点を説明する
日本テレビの杉本敏也報道局次長
1日午後4時12分、高橋雄大撮影
「無理しないよう指示していたのだが……」。埼玉県秩父市で、ヘリコプター墜落現場取材に向かった日本テレビ記者ら2人が遭難死した。同社は1日の記者会見で、事前の準備に問題はなかったと繰り返した。だが、警察が現場取材の自粛を求める中での事故だけに、「結果として判断が甘かった」とも述べた。2人を知る関係者は突然の死に驚き、嘆いた。
「2人がガイドと離れ、登山道に戻った理由はわかっていません」
記者会見で、渡辺弘報道局長は戸惑いを見せた。細川知正社長は「なぜこのような事態になったのか早急に把握したい」と述べた。
同社によると、今回の取材の目的は、墜落したヘリの機体を地上から撮影することだった。取材を希望した川上順カメラマン(43)と北優路記者(30)に、社会部長がガイドの同行や1日で取材を終えることなどを条件に認めたという。
川上さんは、6~7人でつくる同社山岳取材班の中心的存在。装備や現場での判断も任されてきた。杉本敏也報道局次長は会見で、Tシャツにジャージー、沢登り用ブーツという服装について、「装備は川上カメラマンが一元的に管理していた。不適切とは考えていない」と話した。
2人から本社への連絡は、7月31日午前6時前に「入山します」とのメールがあっただけで、以後はなかった。本社からは2人の携帯電話や衛星電話に日中から連絡を試みたが、つながらなかったという。
同社がガイドの水野隆信さんから聞き取った話では、3人でいったん沢まで下りたが、事故機が見える場所には行けなかった。川上さんと北さんが「機体が見える場所を探す」と言って再び山に戻ったという。
地上から撮影した墜落現場の映像は、一部のテレビ局が既に放送している。杉本次長は「より詳細に事故のことを伝えたい気持ちはあったが、危険な山岳取材なので無理をするなと指示した」と述べ、2人に撮影に対するプレッシャーは与えていないと強調。再度入山したのは「現場の判断」と語った。
同社は災害取材時などに備えた「取材安全基準」を設けているが、山岳取材に関する細かい規定はないという。
■ガイド「不安だった」
一方、ガイドの水野さんは1日夜、秩父署で記者会見し、2人について「装備的にも技術的にも不安があったので、早くやめようと思った」と述べた。ただ、何もしないでやめるのは難しいため、沢の水の冷たさを体験してもらい、雲行きも怪しかったので「やめましょう」と言ったという。2人が再び入山したことについては「尾根の方も見てみたいと言い、尾根は一般ルートなので不安を感じなかった」と語った。
■急峻で深い谷、危険が多い地域
現場は埼玉と山梨の県境で、標高約2千メートルの山々に囲まれている。急斜面の谷間をいくつもの沢が走り、沢登りや渓流釣りで人気がある。一方で、付近では滑落事故などがたびたび起きるなど危険も多い地域だ。
「谷が深く急峻(きゅうしゅん)で、川が樋(とい)のように狭い。夕立があると、すぐに水位が1~2メートルは上がり危険だ」と、地元の秩父山岳連盟の浅見豊さん(76)=秩父市中町=は指摘する。
日本テレビの2人は7月31日早朝、山岳ガイドを伴って墜落現場に向かった。県警によると沢に下りたが、水が冷たく、水流も多いためいったん引き返している。
再入山した豆焼橋付近から2人の発見現場までは直線で約2キロ。周辺には大小の滝があり、そこまで行くには通常、登山用具のザイルなどの装備が必要だという。
沢登りは渓流に沿って山を登る。滑りやすい所を歩くことが多く、県警幹部は「頑丈な隊員でもしっかりとした装備と準備が必要」と指摘。沢登り経験が豊富な吉川仁さん(69)=秩父市大宮=は「岩登りをする時と同じような装備と技術で登らなければならない」と話す。
■カメラマンは山岳経験豊富
日本テレビによると、川上順カメラマンは、アラスカや中国の梅里雪山、チベットの大氷河などの取材経験がある。元同僚の記者によると、大学時代に山岳部に所属し、「突撃カメラマンで性格は明るく、後輩らに報道カメラについて話す時の笑顔が印象的だった。面倒見が良く親しまれていた」という。
北優路記者は社会部に所属し、事件や裁判取材が長い。埼玉県内に6月まで勤務しており、今回の取材に参加した。よく取材を受けていた埼玉県警の関係者は「物静かだが、理解できるまで引き下がらない熱心さが印象的だった」。別の県警関係者は「とても子煩悩だった。信じられない」と語った。
朝日新聞 2010年8月1日
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昨日の運動
帰路にある、ショッピングモールを速足で歩行
歩数計:約3,600 歩
これに対抗して日本テレビとしては何らかの地上映像を放映したかたのだろうが現場地域は危険地帯なので警察は取材自粛を公式に発表していたのですから、これを無視して入山さした日テレ上層部の管理責任は大きい。
早朝の6時前に入山メールとの発表であるが、10時に一たん全員が登山口まで下山している。
再突入時に会社にメールしていないはずが無いのですよ。
趣味の登山ではないのですよ。これは日本テレビの業務として行われたのであるから、完全な労災事故で、二人も命が失われた会社の労務管理責任は厳しく問われるべきであろう。