【高松】
今回は結膜炎についてご紹介させて頂きます。
《結膜とは?》
白目(強膜)の表面やまぶた(眼瞼)の内側を覆っている、
薄い透明な粘膜の事を【結膜】と言います。
結膜は以下の3つに分かれています。
瞼結膜(がんけつまく)
→まぶたの裏を覆っている粘膜。
球結膜(きゅうけつまく)
→白目と強く結びついている粘膜。
円蓋部結膜(えんがいぶけつまく)
→瞼結膜と球結膜へと移る間の部分の結膜。
結膜は眼球を保護し、眼球の潤滑にする為、涙を出す役割を持っています。
《結膜炎とは?》
上記で説明した結膜に炎症が起こる疾患で、犬の目の疾患の中で最も多い疾患です。
目だけの疾患として発生する場合と全身性疾患の一症状として発症する場合
と2つのパターンがあります。
ドライアイも結膜炎の一種です。「乾性角結膜炎」と言い、涙を分泌する涙腺の
分泌細胞の機能そのものが低下し、目が乾いてしまう疾患です。
新生子結膜炎という結膜炎があり、名前の通り生後間もない子犬が目を開く前後の
約10~14日の間に起こる疾患です。まぶたが腫れぼったくなり、目ヤニが見られます。
《症状》
結膜に炎症が起こります。
炎症が起こってしまった事が原因で、下記の症状も見られます。
痒みや痛み等の違和感がある為、前足で眼を擦ったり、床や壁に顔を擦り付けたりします。
眼を擦る事によって、白目の充血や眼の周りが赤くなったりします。
涙も過剰に流れ、眼の周りが濡れた状態になります。
まぶたが腫れ、眼が開かなくなる事があります。
黄緑色の目ヤニや血が混じる目ヤニが出たりと、目ヤニの量が増えます。
まばたきの回数が多くなったり、光を嫌うようになります。
眼の痛みによって食欲が落ちる事があります。
※ドライアイの場合
ネバネバした膿のような目ヤニが出ます。
角膜が白く濁ったり、茶色の色素沈着が起こる事があります。
※結膜炎は放置してしまうと、角膜にも影響が及び、視力が低下してしまう事もあります。
《原因》
毛や逆さまつげ、シャンプー、医薬品、ほこり等による物理的な刺激
眼の外傷
細菌、ウイルス、寄生虫等による感染
※細菌やウイルスの場合、他の感染した犬との接触によっても感染します。
アレルギー
副鼻腔炎(鼻の奥にある空洞“副鼻腔”内に炎症が発症する疾患)の波及
眼の周りに毛が多い犬や眼球が突出している犬種に発症しやすい傾向があります。
※片眼だけに発症している場合、毛やまつげ等による物理的な刺激が原因な事が多いです。
※両眼の場合は、細菌・ウイルス感染やアレルギーが原因な事が多いです。
《治療》
主に炎症を抑える点眼薬や眼軟膏等の投与といった内科的治療を行います。
また原因が判明した場合は、その原因にあった治療を行います。
眼の周りの毛や逆さまつげが原因
→毛を抜いたり、切ったりして処置をします。
シャンプー等の化学薬品が原因
→眼の洗浄を行います。
細菌感染、ウイルス感染、寄生虫感染が原因
→それぞれあった治療法を行うと同時に、抗生物質、抗炎症剤の目薬や眼軟膏で炎症を抑えます。
アレルギーが原因
→アレルゲンを取り除いて、アレルギーの治療も行います。
《予防》
日頃から、眼や眼の周りをよく観察するように心掛け、涙で汚れてしまったりした場合は、
こまめに拭くようにして眼の周りを清潔に保つようにして下さい。
眼に何かしら異変を感じたら、獣医さんに診断してもらいましょう。
また眼を擦ったりする場合は、エリザベスカラー等をつけて、それ以上の悪化を防ぐようにしましょう。