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雌犬特有の病気

2013年12月09日 | 犬の健康について

【長谷川】

今回は、雌犬特有の病気の中から乳腺炎と子宮蓄膿症、乳腺腫瘍についてご紹介致します。


乳腺炎

母乳を分泌する乳腺のにしこりができる病気です。
出産後の授乳期、発情後に多く見られます。


<症状>

・乳腺の一部、または全体にしこりのような腫れが出来たり、熱をもったり、
全身に発熱が見られます。

・痛みを伴う場合、触られるのを嫌がります。

・発熱や痛みによって、食欲不振になることもあります。

・乳頭から黄色や赤みを帯びた乳汁が出る事があります。


<原因>

①細菌感染

授乳時に子犬が乳頭を噛んだり、引っかいたときの傷から細菌感染して起こります。

②乳汁の過剰分泌

・出産後、子犬が死んでしまっても乳汁が分泌され続ける場合があり、
分泌され続けた結果の乳頭の目詰まりによって起きます。

・子犬の頭数が少ない場合、子犬が飲む量より作られる乳汁が多い場合等にも起こります。


※出産していなくても発情期から2ヶ月くらいで乳腺が張り、
乳汁が分泌され続けることもあります。


<治療>

・鎮痛剤や抗菌剤、抗生物質によって治療します。

・炎症の状態によっては外科的に膿を出す処置を行います。

・お家で出来る処置として患部を冷却して血液の流入量を減らし、
炎症を抑える方法もあります。

※抗生物質を投与した場合、母犬の状態が悪化するのを防ぐ為、
抗生物質の効果が出るまで子犬を母犬から離し、人工哺乳する場合もあります。


<予防>

・授乳時に子犬がしっかり母乳を飲んでいるか、乳腺付近に傷がないかなどに
注意しながらよく観察しましょう。

・子犬の爪を切るなどして、清潔な環境を保つようにし、早期の離乳は避けましょう。

・子犬が母乳を飲み終わっても乳が張っている場合は、乳汁が多く作られている可能性があるので、
残っている乳汁を飼い主様が絞って出してあげる予防法もあります。




子宮蓄膿症

子宮内部に細菌が感染し、炎症を起こして膿が溜まる病気です。
出産経験のない、または出産回数の少ない犬・避妊手術をしていない中年犬・
体の免疫力の低下した高齢犬に多く見られます。

・子宮蓄膿症には2種類の状態があり、
子宮の膿が部分的に陰部から出てくるものを開放型
膿がまったく外部に出てこないものを閉鎖型といいます。


<症状>

・大量の水を飲み、尿の量が増えます。

・元気消沈、食欲不振、発熱や嘔吐が見られます。

・外陰部が発情期のように腫れることがあります。

・開放型の場合、発情期には子宮の入り口である子宮頚管が開き、
陰部から膿やおりものが出ます。
膿に血が混じっている場合もあります。

・閉鎖型の場合は深刻で、膿が出てこないので、子宮内に大量の膿が溜まり、
子宮がソーセージのように張り詰め、腹部が膨らみ、垂れ下がってくることがあります。

・症状が悪化すると貧血や腎不全を起こし、40度の高熱が続きます。

最悪の場合、子宮が破裂し、腹膜炎を起こして短時間で死に至ることが
あります。


<原因>

・子宮内に大腸菌・レンサ菌・ブドウ球菌などの細菌が侵入し、
感染することで起こります。

・発情休止期(黄体期)は、受精しやすくする(精子への攻撃力を下げる)ために免疫力が低下しており、細菌感染しやすくなります。

※子宮には細菌感染を防ぐ仕組みがあるため、簡単に感染や炎症を起こすことはありませんが、ホルモンバランスが崩れていると感染しやすくなると言われています。


<治療>

・卵巣、子宮、子宮頚管の摘出手術を行います。
閉鎖型の場合、子宮の破裂や、膿の溜まっていた期間が長いと細菌の毒素が体内にまわり、
命にかかわる症状になる恐れがあるため、早期の症状の発見・治療が重要になります。

・出産計画がある場合は、抗生物質や抗菌剤を投与して治療を試みますが、
妊娠の可能性は低く、再発の危険性があります。


<予防>

・早期の避妊手術をすることが1番の予防になります。

・陰部周りを清潔に保つように心がけましょう。

・極稀に生理中のシャンプー時に、発情によって開いている膣に細菌が入り込み、
細菌感染を起こす場合があるので、シャンプーは控えましょう。



乳腺腫瘍

・乳房またはその付近の皮下に様々な大きさのしこりができる病気です。
胸、脇の下、下腹部、内股にもできることがあります。

・妊娠経験は関係なく発症し、発情を繰り返した未避妊の高齢犬に多く見られます。

・犬などの動物は乳頭が沢山あるので体の構造上、
乳腺腫瘍になりやすいと言われています。

・乳腺腫瘍の50%は悪性で、リンパ節や肺などの臓器に転移する可能性が高いです。

・しこりの一部を採取して、良性・悪性の判断をします。
複数ある場合は切除手術をし、がん検査をすることもあります。
また、X線検査で転移の有無を調べる場合もあります。


<症状>

・放置しておくと腫瘍が自潰して化膿し、悪臭を放ちます。


<原因>

・女性ホルモンが関与していると考えられていますが、
はっきりとした原因はわかっていません。


<治療>

・乳房の部分切除、または全切除をします。

・乳腺の全摘出とともに、子宮や卵巣に異常があれば、子宮・卵巣の摘出も行います。

・悪性の場合は再発を防ぐため、健康な周りの組織も切除します。

※放射線療法やホルモン療法などがありますが、再発や転移の危険があるので、
外科的治療が主な治療になります。

※悪性の場合は、切除してもリンパ節や肺などの臓器に転移する場合もあるため、
治療後も経過を見ることが大切です。


<予防>

1歳になる前の初回発情前後までに避妊手術をすることで、
乳腺腫瘍になる確率が大幅に減ると言われています。
しかし、2歳半以降に手術を受けても、予防の効果はないと言われています。

・乳房、脇の下、下腹部などのボディチェックを定期的に行い、
しこりができていないか気をつけて見てあげましょう。

※乳腺にしこりができるものは乳腺炎の場合もあります。



次回は、雄犬特有の病気についてご紹介致します。