初めて本で読んだ落語は『志ん朝の落語』(ちくま文庫・京須偕充編)だ。志ん朝師匠の高座を再現しているような書きぶりで、話している言葉だけでなく、カッコ書きで表情や動きも書かれているため、落語の雰囲気をつかみやすい。この本を読んだことも、落語を“聴ける”ようになったきっかけだった。
同じく、ちくま文庫から出ている『落語百選』(ちくま文庫・麻生芳伸編)は各話短めに、少し文を綺麗にして書いていると思う。話のあらすじをさらうだけならいいかもしれないが、個人的には落語を楽しむには不十分だな、という印象だった。
『古典落語』( 筑摩書房・飯島友治編)は全集で、有名どころはもちろん、特に第2編にはあまり聴かない噺も載っている。それゆえ、似た構成の噺がたくさんあること、定番になった噺の元の噺、噺がくっついたり噺の一部が独立したものになる様子を知ることができる。
最近活躍している落語家さんはあまり聴かないから、よく分からないけれど、マイナーな古典を演る方もいるのかな?そういえば新作というか新しいスタイルの落語だったら、桂サンシャインがとても面白かった。Youtubeもやっておられるので、ぜひ。