:〔続〕ウサギの日記

:以前「ウサギの日記」と言うブログを書いていました。事情あって閉鎖しましたが、強い要望に押されて再開します。よろしく。

★ 夜空が笑った日

2008-05-10 12:08:49 | ★ 自然・いのち

 

 

 

  夜空が笑った日  

 

昨晩、庭を散歩していると、綺麗な三日月が目に入った。12月9日、月齢 3.7 の上弦の月だった。

こんなに小さくても、鎌の刃の部分が少しぎざぎざしているのは月のクレーターの影だろう。それを眺めていると、急にちょうど昨夜と同じ12月の初め、日本で 「空が笑った」 晩のことが想い出された。

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その日は朝から、思いがけず雪がちらついた。温暖な瀬戸内の東讃地区にある神学院で、12月のはじめに雪が降るのをわたしはその年初めて見た。紅葉はいつになく鮮やかで、雪と美しいシンフォニーを奏でて目を慰めてくれた。

その寒空の下、東かがわ市のバチカンフレンズが、私の一時帰還を祝うために集まった。前市長、現市長、現副市長、市の職員など十名あまりが集まって、鍋料理を突っつきながら、懐かしい話に花が咲いた。もう4-5年も前のことだが、この顔ぶれが、香川・徳島の市民80人余りを連れて、バチカンの庭園に桜の苗木を30本植えてきた。

教皇が護衛無しに散歩をするあたりの小道に沿って、桜並木をプレゼントしたのだった。バチカンの庭園には世界各国から寄贈された珍しい樹木が数多く植わっているが、日本から贈られたのはこの我らの桜が初めてということだった。次の年からさっそく花をつけ、去年などたいした見栄えだった。

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実はあの日、副市長さんが車で迎えに来られるまで、私は日が沈んだばかりの西の空を、三脚にすえたカメラのファインダーから睨んでいた。お目当ては月と金星と木星だ。その晩はこの状態だった。

 

月は左上の雲の中に半月に近く、二つの星は今にも西の山陰に沈もうとしている。

お分かりかな?何十年に一度、珍しく大接近した金星と木星が右下の雲の間に斜めに並んでいるのが。

拡大するとこんな具合だ。明るいのがヴィーナス。暗いのがジュピター。雲の他に比較できるものが側にないので、ただの二つの光の点に過ぎない・・・・

もう10日ほども前のことになろうか?私は車を運転しながら、何気なく日暮れて間もない西の夜空を見上げて、はっとした。夜空が笑っている。私に向かって微笑みかけているではないか。もしカメラを車に積んでいたら、すぐに停めて、夜空の笑顔 を証拠写真に収められたのだが・・・・、まことに残念!

その後、日を追うごとに月と星の距離は広がり、月はみるみる肥えて姿を変えながら、星々のすぐ下から遠く左上に足早に離れていった。

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「夜空が笑った」 とは、どういうことかって?それは絵に描けばこのようになる。鎌のように細い三日月と二つの星が、まるで笑っている顔の目と口のように見えませんか?

 

《 おしまい 》

 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
笑ってる! (DANIA Bernadette)
2010-12-10 19:24:08
確かに笑ってる~!可愛いね(o^∀^o)
笑顔 (磯辺一郎)
2010-12-14 13:28:56
なんとユーモラスな!ホントに笑ってる。こころがなごみます。

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