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主夫の徒然なるままに

言語の習得(12)将来の学力は幼児の読書量!?

「将来の学力は、10歳までの「読書量」で決まる!(松永 暢史著)」という本を読んでみた。

 孫娘は5歳になり、話し言葉で困ることはなくなりつつある。遊びに来ると、「こんにちは、おじゃまします」と礼儀正しく、ハキハキと話すこともできるようになった。漢字にも興味を持ち始め、自分でドリルを持ち出して練習したりする。 幼児の成長と発達を見ていると、何か学ばせてあげたいと「習い事」を検討し始めることは、自然なことだと思った。



 以前、「学力の経済学」という本が注目を浴びたことがある。教育にお金をかけるのならば、どの時期に投資するのが最適かという問いについての考察があった。
 三十代から五十代のお母さんが集まる中で私も聞いてみた。幼児期?小学校?中学校?高校?大学?大学院? 私立中高一貫校を目指す家庭では、小学校であり、一流企業を目指すなら大学であろうという答えが出てきた。

 

 この本によると教育的コストパフォーマンスが一番いいのは、幼児期にお金を使うことだと主張している。経済学的統計に基づき検討すると、幼児期が一番コスパがよかったということである。集まったお母さんたちは、ならば、もう遅すぎた、と落胆してしまった。
 ただし、ここでの投資は、「人的資本への投資」であり、単なる学習(勉強)への投資ではないと強く断言している。今すぐ、学習塾へ走ったり、英語教室に行かせようとしたりすることではないことを理解すべきである。

 幼児の習い事の1位は「水泳」、2位は「英会話」、3位は「体操」、4位は「ピアノ」、5位は「くもん」だそうである。英会話や公文を早い時期に習ったので「東大」に行けたと言う記事や宣伝をよく見るけれども、どれくらいのパーセンテージの確率で東大に行けたのか知りたいと思う。塾講師を長く経験した中で、英会話を小さい時から習っていて、英語流に発音することは上手であるが、英語の得点が高くない生徒をたくさん見てきている。3歳までにネイティブ英語に接するとLとRが聞き分けられるそうだ。また、TVコマーシャルで小さな子供が英語をスラスラ発音するのを見るけれども、日本語の力がなかったらどうするのだろうかと心配になる。「日本語能力のない英語力あり」は、アメリカ人のメイド(メイドボーイ)でしかない。アメリカ人の下働きのために幼児教育に力をいれるのは、一種の奴隷根性のような気がする。

 では、国語力(日本語能力)をつけるにはどうするか。塾に通わせるお母さんの大半が、「うちの子は国語力(読解力)がないので、どうしたらいいですか?」「国語の点を上げるにはどうしたらいいですか?」と訊かれることが非常に多かった。もちろん、本を読むことが大事だけれども、受験生が国語の点を上げるために読書をするのは効率が悪い。「100冊単位で本を読んでいくことで読解力はあがる」と答えているが、いろいろ調べてみても、短期間で「読解力・国語力」をあげる方法はないと結論を得た。もちろん、国語の点数をあげる方法は、お母さんたちにも子供たちにも伝授しておいたが。

 さて、幼児教育についての参考書は、ものすごい数が本屋に並んでいる。親たちも何とか「いい子」「優秀な子」に育ってほしいと願っているので、必死である。情報があふれ返っている中で、確かなものを得ようとするのは当然である。

 そういう中で、ふと、この本を手に取ってみた。
『 (第一章の目次から)
 =英語を習う?塾に行く?ーそれよりは「本」です
 =1日5分の読み聞かせで勉強ができる子に!?
 =本が子どもの学力を伸ばしてくれる理由
 =10歳までにどれだけの「読書量」を積んだか
 =読書習慣があるだけで、頭ひとつぬき出ます   』
 
 はっきり言ってあまり魅力的な目次とは感じさせなかった。どこにでもある本かなと思いながらも、読み続けてみた。        

 第2章で、「一音一音ハッキリ読み」で子どもがじっと耳を澄ます」を中心に書かれていた。私自身、子や孫に絵本を読んであげるときは、情景が目に浮かぶように感情をこめて流れるように読んであげた。じょうずに読んであげた。
 この本にあるように1語1語はっきりと、さらに最後の「~です」や「~した」まではっきりと「で・す」「し・た」と読むことはなかった。あえてそう読むことをこの本では強く勧めている。

 そこで、5歳の孫に試すことにした。図書館から借りてきた本を一語一語ハッキリと読んでみた。情感を加えず、風景を思い浮かべさせない、へたくそな読み方で読んでみた。驚いたことに、5歳の幼児は、いつもよりしっかりとこの読み方の文章を聞いている。驚きである。これは、本当に効果的な読み聞かせだと、読んでいる自分の方が感動してしまった。

 ちなみに、読み聞かせた絵本は、「いやだあさまであそぶんだい」さく:ヘレン・クーパー やく:ふじたしげる。ひらがなとカタカナの文章なので、5歳にはちょうどいいかと選択した絵本である。
 原作のタイトルはThe baby who wouldn't go to bed。「ねんねしない子」「寝ようとしない子」だが、「いやだあさまであそぶんだい」とした訳は、感動ものだ。絵本の内容もすばらしい。まだ、孫には全文を読んであげていないが、次回来た時には、一語一語ハッキリと読み聞かせさせようと思う。添え寝しながら読み聞かす絵本としても最高である。お勧めの1冊である。






第3章は「本をよまずにはいられない『環境』をつくる。

第4章は自分からどんどん読書する子になる方法

 「おススメ本紹介」として、 
  絵本 1・2歳から 3・4歳から 5・6歳から
  文学 幼年童話 児童書 名作シリーズ
  知識 自然、数学・科学、社会、歴史、遊び
 など豊富に掲載されている。
























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