主夫の徒然なるままに

「上級国民/下級国民」橘 玲著 を読む



「上級国民/下級国民」橘 玲著を読んでみた。あまりの面白さに一日で読んでしまった。上級国民というとあの池袋の事故を思い出すが、この本では、下級国民に焦点をあて、世界の貧富の差の拡大、富の二極化について語られている。
 【パート1 下級国民の誕生】
 平成の時代、若者男性の雇用が破壊され、中高年(団塊の世代)の雇用(=終身雇用・正社員雇用)は、守られた。若者男性世代=非正規・フリーター→パラサイトシングル→ニート・ひきこもり
 上級国民=「日本人・男性・中高年・有名大学卒・正社員」=権利、人権が守られる(た)
 下級国民=「外国人・女性・若者・非大卒・非正規」(マイノリティ)=人権の無視される(た)
 →格差の拡大
 →平成=団塊の世代の雇用(正社員の既得権)を守る。
 
 令和の時代、団塊の世代の退場で「働き方改革」の開始
 →令和=団塊の世代の年金を守る。(=政治家の最大の票田)
 団塊の世代の消滅を待つ政治、その後の日本は?

【パート2 「モテ」と「非モテ」の分断】
 ・現代社会において、下流の大半は、高卒・高校中退の「軽学歴」層
 教育の本質は、「上級/下級」に社会を分断する「格差拡大装置」である。
 ・日本社会のマジョリティは、「男性」→「モテ(持てるもの)」と「非モテ(持たざるもの)」分断・格差が拡大する。ビジネスで成功できないもの「持たざる者=下級国民」は、会社共同体から排除され、さらに性愛からも排除される。結婚もできない。人生の否定へ。

【パート3 世界をゆるがす「上級/下級」の分断】

現代=後期近代
▼「知識社会化」=人々は知能によって分断される
 最先端テクノロジーを開発する少数の知識層に富が集中化する。
 ✕反動→知識社会に適応できない白人=トランプ旋風

▼「リベラル化」=個人の自由(自己実現)の最大化
 リベラルな社会の本質は、能力主義 =究極の自己責任の世界
 ✕反動→これまでの共同体が解体、流動化・液状化し、対応できない人々との上級下級への分断を加速化させる。

▼「グローバル化」
 世界の豊かさは、グローバル化により発展。しかし、世界の先進国の中間層の没落が顕著となる。アメリカ中流層の崩壊、日本の大卒若者の非正規、中高年のひきこもり・・・・


現代の社会において、階級の2極化がすすみ、日本にも貧困層が拡大している。世界2位の経済力を誇った日本もいつの間にか、貧困国に成り下がっている。その現象の原因はどこにあるのか、考えさせられる本に巡り合えた。


<主夫の作る夕食>
ホッケ焼きました。長芋を薄く切って焼いてみた、美味しかった。

<思い出の一枚>
台湾のお寺





 




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