タイにおける津波被害の顕著な特徴は、World-Classの観光地であるプーケット、その周
辺に深刻な被害をもたらしたことで、外国人旅行者の被害が極端に多いことです。
<1>観光産業への取り組み
1.被害状況
・程度の差はあれ、アンダマン海側のビーチリゾートの大半に被害を与え、特にその中でもカオラック(パンガー県)、ピーピー島(クラビー県)に甚大な被害。
この二ヶ所の復興には、自然資源・環境省大臣は一年半 、地元住民は3年はかかるだろうと試算 。津波の観光被害総額はTAT(タイ観光省)の発表では、
現時点で390億B(約1100億円)
2.タイ政府の対応
○観光客への対応
・プーケットのみでタイの観光収入の3割を占め、新興ビーチリゾートも人気を集めてきた矢先の惨事であり、被災したタイ国民同様(もしくはそれ以上に)観光客への適切な対応をしなければいけない状況に陥った。
具体的にはタクシン首相自らの陣頭指揮、http://www.thaitsunami.comという津波情報のHP、死亡者・犠牲者検索システム、身元不明遺体のデータベース化とマイクロチップの植え付けや、ホテルを開放し、無償での観光客への提供、バンコク、もしくは帰国航空券の無償授与、パスポート損失者への迅速な対応、などを実施。
タイ観光産業への被害は軽傷であるというJPモルガン、世界銀行の報告をあり 、TAT(タイ政府観光省)は、津波発生以前の2005年観光客数予測値を変更していない。
○国民への対応
・タイ政府は漁業関係者への補償金などに50億Bahtを用意。家屋再建には5億Baht、津波被害による失業者5万7千人の対策費として2億Baht 。2005/1/13 JE M 8
・合計545億Baht(1500億円弱)に上る空前の金融支援策を打ち出す。
・2004年28日には被災県6県の被災者の個人所得免除、法人の付加価値税の申告期間延長などを承認。
・30日には中央銀行が300億Bahtのソフトローンを供与し、被災企業には年利2%の低利資金を供給する。
・11日には被災者への見舞金53億Bahtの支給を決定 。
・避難所ではテント生活であったが、2005年6日頃より仮設住宅の本格的建設に
着手。
○キーポイント
・外国人観光客もしくは観光地における復興支援に初期の支援を集中しており、他の漁村などへの支援が遅れた 。この点に関しては日本ボランティアセンター(JVC)の現地調査において指摘された。しかしシャンティ国際ボランティア会(SVA)の1月4日から7日までの調査においては、格段に改善されていると報告されている。
http://www.jca.apc.org/sva/aid/smatra/smatra20050106-2-5.html
・Bangkok Post, 日本経済新聞では、2月6日の下院選挙を控え、野党の票田である南部地域から票を獲得するためにタクシン首相自ら積極的に関与しているという指摘もある 。
○気になる点
・地元行政当局は津波直後から、砂浜での商業行為を全面的に禁止した。乱れた景観を20年前の水準に戻し、資金が不法組織に流れるのを防ぐ狙いがある。例年なら1日1000Baht越える売り上げがあるこの期間なのに、政府は見舞金として2000Bを一回払っただけ。生活費に困窮しているとマッサージ師の女性はつぶやく 。
・上記のような処 置はどうも一時的なものではなく、「景観の妨げ」になるマッサージ師や物売りなどを排除する再開発計画がプーケット最大のビーチであるパトンビーチについて計画されている。パトンビーチに関するプレスリリースでは、「ビーチエリアの美観保護のため、いわゆる物売りやマッサージ業者、ビーチチェアレンタル業者の整備、商業行為許可地区の限定などを行う予定」とある。
http://phuketnavi.hp.infoseek.co.jp/top/hktpatongbeachplan.html
⇒観光産業関連の雑業が主要雇用である観光地において、観光再開発の影響により、雇用を失う恐れのある人々がいると考えられ、注視すべきかことだと思う。
・被害の深刻であったクラビー、パンガー県に対し、自然資源・環境省は海岸近隣を保護地域に指定し、復興の際の建設基準などを策定する。具体的には浜辺からの建造物の距離や、建造物の高さなどについて規制を実施する予定である 。
⇒この点に関しては、杭上家屋で生活していた海の民はどのように扱われるようになるのかが気になります。この点に関しては、鈴木ゆうき君からの情報提供を待ちましょう。
・最後に、見舞金や、今後のタイ政府の支援において、国籍を持っていない被災者はどのように扱われるのかが気になります。海の民が国籍を持っているのか僕は存じませんが、労働許可証のみを持っているビルマ移民などはどのように扱われるのか?手厚い支援を行っているタイとはいえ、支援の手が及ばない、もしくは再開発において生活のすべをなくすような人々が出てくるのではないかと思います。
辺に深刻な被害をもたらしたことで、外国人旅行者の被害が極端に多いことです。
<1>観光産業への取り組み
1.被害状況
・程度の差はあれ、アンダマン海側のビーチリゾートの大半に被害を与え、特にその中でもカオラック(パンガー県)、ピーピー島(クラビー県)に甚大な被害。
この二ヶ所の復興には、自然資源・環境省大臣は一年半 、地元住民は3年はかかるだろうと試算 。津波の観光被害総額はTAT(タイ観光省)の発表では、
現時点で390億B(約1100億円)
2.タイ政府の対応
○観光客への対応
・プーケットのみでタイの観光収入の3割を占め、新興ビーチリゾートも人気を集めてきた矢先の惨事であり、被災したタイ国民同様(もしくはそれ以上に)観光客への適切な対応をしなければいけない状況に陥った。
具体的にはタクシン首相自らの陣頭指揮、http://www.thaitsunami.comという津波情報のHP、死亡者・犠牲者検索システム、身元不明遺体のデータベース化とマイクロチップの植え付けや、ホテルを開放し、無償での観光客への提供、バンコク、もしくは帰国航空券の無償授与、パスポート損失者への迅速な対応、などを実施。
タイ観光産業への被害は軽傷であるというJPモルガン、世界銀行の報告をあり 、TAT(タイ政府観光省)は、津波発生以前の2005年観光客数予測値を変更していない。
○国民への対応
・タイ政府は漁業関係者への補償金などに50億Bahtを用意。家屋再建には5億Baht、津波被害による失業者5万7千人の対策費として2億Baht 。2005/1/13 JE M 8
・合計545億Baht(1500億円弱)に上る空前の金融支援策を打ち出す。
・2004年28日には被災県6県の被災者の個人所得免除、法人の付加価値税の申告期間延長などを承認。
・30日には中央銀行が300億Bahtのソフトローンを供与し、被災企業には年利2%の低利資金を供給する。
・11日には被災者への見舞金53億Bahtの支給を決定 。
・避難所ではテント生活であったが、2005年6日頃より仮設住宅の本格的建設に
着手。
○キーポイント
・外国人観光客もしくは観光地における復興支援に初期の支援を集中しており、他の漁村などへの支援が遅れた 。この点に関しては日本ボランティアセンター(JVC)の現地調査において指摘された。しかしシャンティ国際ボランティア会(SVA)の1月4日から7日までの調査においては、格段に改善されていると報告されている。
http://www.jca.apc.org/sva/aid/smatra/smatra20050106-2-5.html
・Bangkok Post, 日本経済新聞では、2月6日の下院選挙を控え、野党の票田である南部地域から票を獲得するためにタクシン首相自ら積極的に関与しているという指摘もある 。
○気になる点
・地元行政当局は津波直後から、砂浜での商業行為を全面的に禁止した。乱れた景観を20年前の水準に戻し、資金が不法組織に流れるのを防ぐ狙いがある。例年なら1日1000Baht越える売り上げがあるこの期間なのに、政府は見舞金として2000Bを一回払っただけ。生活費に困窮しているとマッサージ師の女性はつぶやく 。
・上記のような処 置はどうも一時的なものではなく、「景観の妨げ」になるマッサージ師や物売りなどを排除する再開発計画がプーケット最大のビーチであるパトンビーチについて計画されている。パトンビーチに関するプレスリリースでは、「ビーチエリアの美観保護のため、いわゆる物売りやマッサージ業者、ビーチチェアレンタル業者の整備、商業行為許可地区の限定などを行う予定」とある。
http://phuketnavi.hp.infoseek.co.jp/top/hktpatongbeachplan.html
⇒観光産業関連の雑業が主要雇用である観光地において、観光再開発の影響により、雇用を失う恐れのある人々がいると考えられ、注視すべきかことだと思う。
・被害の深刻であったクラビー、パンガー県に対し、自然資源・環境省は海岸近隣を保護地域に指定し、復興の際の建設基準などを策定する。具体的には浜辺からの建造物の距離や、建造物の高さなどについて規制を実施する予定である 。
⇒この点に関しては、杭上家屋で生活していた海の民はどのように扱われるようになるのかが気になります。この点に関しては、鈴木ゆうき君からの情報提供を待ちましょう。
・最後に、見舞金や、今後のタイ政府の支援において、国籍を持っていない被災者はどのように扱われるのかが気になります。海の民が国籍を持っているのか僕は存じませんが、労働許可証のみを持っているビルマ移民などはどのように扱われるのか?手厚い支援を行っているタイとはいえ、支援の手が及ばない、もしくは再開発において生活のすべをなくすような人々が出てくるのではないかと思います。