JMのバレーボール観戦記

テレビのバレーボール解説では触れられない戦術面や選手個人の特徴について、「全員応援」の立場から語ります。

狩野舞子選手2枚替え分析 ロンドンドミニカ戦

2012-11-23 15:18:32 | メディア注目選手のその後
ちょっと時間が空いてしまいました。その間、木村沙織選手のトルコでの動向や、栗原恵選手の清々しい笑顔など、バレーボールではいろいろとニュースがありました。ここからはペースを上げて今の連載を続けようと思います。

では、ロンドンのドミニカ戦についても、前衛2枚ローテと2枚替えローテでの得点-失点数を計算してみましょう。この試合は山口舞選手がライトスタメンだったので、出来れば2枚替えに機能してほしいところでした。

第一セット
1回目の前衛2枚ローテ 3得点3失点→±0点
2回目の前衛2枚ローテ 7得点3失点→+4点
2枚替えローテ(1ローテ半で終了) 3得点1失点→+2点で、これが3ローテ続けば+4点

第二セット
1回目の前衛2枚ローテ 5得点5失点→±0点
2回目の前衛2枚ローテ 6得点3失点→+3点
2枚替えローテ(半ローテで終了) 1得点0失点→+1点で、これが3ローテ続けば+6点

第三セット
日本が2枚替えした時にドミニカも2枚替えしたので、比較不可能。

このように見ると、第一セットは+2点、第二セットは+3点、それぞれ2枚替えにより得点したと言えます。ドニミカはもともと負けていると終盤に崩れるため、実質的には+1点か+2点くらいの効果でしょうが、これは一応2枚替えの最低条件は満たしていますね。

第三セットは、相手も2枚替えしたので比較はできません。しかし、第三セットでは2枚替えが機能せず、途中で2枚替えを戻してしまいました。この2枚替えは言うまでもなく失敗です。4回の交替枠を使って、さらに連続失点ですから。第三セットは、一部で、山口舞選手を新鍋理沙選手に交替した方が良いように見えたローテもありました。結果論ではありますが、
・山口舞選手を後衛で新鍋理彩選手に替える
・中道瞳選手を表センターサーブ時にピンサ
・中道瞳選手ピンサ時に竹下佳江選手にワンブロ
・狩野舞子選手を裏センターサーブ時にピンサ
という4つの交替から3つを選んで行った方が良かったのではないでしょうか。

ということで、ドミニカ戦は第一セットと第二は2枚替えが機能したものの、第三セットでは機能しなかったことが分かりました。

2 コメント

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狩野唯一のアタック得点 (trefoglinefan)
2012-11-23 21:21:29
ロンドン五輪で、狩野が唯一アタック得点を決めたのがドミニカ戦の第3セットでした。
でもこの得点、全く信じられないシーンでした。日本が別に意表を衝いた攻撃をした訳でもなく、中道が狩野に普通に上げたトスなのに、ドミニカの選手は誰もブロックにつかずノーマークで、実況も狩野が決めたことに驚いていました。
つまり、誰もが「狩野はアタックを決められない」と思い込んでいたなかで起きた出来事、という感じでした。
結局このセット、ご指摘のとおり半周廻せず竹下と山口が戻るのですが、狩野だけの責任とは言えず、竹下と中道の差が余りにも大きいことも、物語っていると思います。
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trefoglinefanさん、 (JM)
2012-11-24 18:49:50
コメントありがとうございます。おっしゃる通り、狩野舞子選手の最初で最後の得点はドミニカ戦のS1からのレフトオープンでした。(もちろん、狩野舞子選手のファインプレーが間接的に得点に繋がったプレーは、他にもありました)

あれは、ドミニカの選手たちも全く想定していなかったのだと思います。レフトオープンに対して2人のブロッカーが両方遅れるのはなかなか見る光景ではないですよね。驚いて体が動かなかったのでしょう。

中道瞳選手は、背格好とレシーブの良さ以外は全てが竹下佳江選手と正反対の選手であることがかなり痛手だったのではないでしょうか。主力アタッカーは全員竹下佳江選手の高速トス(一定だが無茶振りする)に合わせてきました。そのため、中道瞳選手のトス(一定しないが優しい)には合わせにくかったのではないでしょうか。また、ご指摘の通り、中道瞳選手には竹下佳江選手の身体能力はないため、やはり絶対的に劣ってしまう面もあるように思います。

特に、山口舞選手は中道瞳選手のトスと致命的に合わないため、新鍋理沙選手がスタメン時に山口舞選手を使って2枚替えが出来なかったのが、監督の誤算の一つだと思います。これが合えば、狩野舞子選手を外して他のアタッカーを入れられましたし、もしくは狩野舞子選手を他の起用法で使えたのに…。山口舞選手も年齢的にも国際経験的にもベテランなのですから、このくらいの柔軟性は見せてほしかったです。
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