JMのバレーボール観戦記

テレビのバレーボール解説では触れられない戦術面や選手個人の特徴について、「全員応援」の立場から語ります。

メディア注目の「ナナリサコンビ」こと岩坂名奈選手と新鍋理沙選手

2012-10-05 23:06:31 | メディア注目選手のその後
この「ナナリサコンビ」は、全日本女子最年少かつ所属先が同じということで付けられたニックネームです。また、岩坂名奈選手は新鍋理沙選手と並ぶ裏センターなので、コートでも隣り合います。

しかし、これだけでコンビという言葉を使って欲しくない。この2人が並ぶと、お互いの良さが打ち消されるのです。

まずは新鍋理沙選手の視点から見てみましょう。新鍋理沙選手は、クロス側のブロッカーが遅れたり剥がれたりした時に、そこを利用したりそのカバーに入るストレート側のブロッカーを利用して得点します。するとこのように2人ブロックを引き受けて、レフトへのマークを減らすのが新鍋理沙選手の役割です。すると、岩坂名奈選手にはCワイドに走ってもらいたいはずです。しかし、岩坂名奈選手はCワイドを打てません。また、コンビで新鍋理沙選手がCセミに切り込むパターンがありますが、これはセンターのLが前提です。

次に岩坂名奈選手の視点から見てみましょう。岩坂名奈選手は、新鍋理沙選手のサーブレシーブの良さの恩恵を受けるので、これはコンビと言えるかもしれません。しかし、新鍋理沙選手は打数が少ないため、Bパスになるとレフトにトスが集中します。すると、岩坂名奈選手の一番得意なBクイックの周辺にはレフトを警戒しているブロッカーが待ちかまえている状況になってしまいます。岩坂名奈選手は、レフトもライトも2段を打ち、平均的に両側から攻撃のあるチームの方が活躍できます。

このように、この2人は歯車が噛み合いません。ロンドンで新鍋理沙選手と大友愛選手のコンビが見られましたが、あのレベルでないとコンビとは言い難いです。

年齢や状況だけで勝手にコンビと呼ぶのは、いい加減やめてほしいと思います。