JMのバレーボール観戦記

テレビのバレーボール解説では触れられない戦術面や選手個人の特徴について、「全員応援」の立場から語ります。

狩野舞子選手2枚替え分析 OQTロシア戦

2012-10-24 21:55:56 | メディア注目選手のその後
OQTロシア戦はストレート負けでした。ライトスタメンは新鍋理沙選手でした。この試合についても、前衛2枚ローテと2枚替えローテの得点-失点数を計算してみましょう。

第一セット
1回目の前衛2枚ローテ 3得点3失点→±0点
2回目の前衛2枚ローテ 4得点7失点→-3点
山口舞選手の2枚替えローテ(2ローテで終了) 2得点3失点→-1点で、これが3ローテ続けば-1.5点

第二セット
2枚替えなし

第三セット
前衛2枚ローテ 3得点4失点→-1点
狩野舞子選手2枚替えローテ 5得点6失点→-1点

まず注目すべきは、第一セットに狩野舞子選手をピンサに回して山口舞選手の2枚替えを使ったことです。監督の頭の中でも、狩野舞子選手による2枚替えの効果に疑問が生じてきたのでしょう。しかしこれは大失敗でした。その理由は、過去記事をお読みいただけばはっきりします。2枚替えセッターの中道瞳選手は、球質を優先するタイプのセッター。山口舞選手は球質などどうでも良いかわりに、きちんと約束した場所に約束した時間に到達する一定のトスを好むため、中道瞳選手とは全く合わないのです。

実際、山口舞選手はBクイックの囮に入りますが、なんとタイミングが大幅にズレてほとんどセミ状態に。次はロシアセットポイントで山口舞選手のブロードにトスが上がりましたが、ほとんど空振り状態でロシアが第一セットを取りました。

第三セットでは、お馴染みの狩野舞子選手の2枚替えが使われました。これは得点-失点数を比較しても分かるように、効果はありませんでした。さらに、狩野舞子選手は低空飛行ジャンプでレフトから打って1本は上手くリバウンドを取りましたが、次のレフト打ちはシャットアウトされました。その後はレシーブすればアタック助走にも入れなくなってしまい、せっかく狩野舞子選手が綺麗にレシーブしても前衛は実質2枚のまま、という状態でした。

そもそも、新鍋理沙選手がスタメンの時に、どれほど2枚替えする意義があるのでしょうか。山口舞選手がスタメンなら、山口舞選手のサーブとサーブレシーブを回避するために2枚替えが必要なのは容易に理解できます。しかし、新鍋理沙選手はサーブもサーブレシーブも良く、また竹下佳江選手の上を抜かれたスパイクのレシーブも合格点です。新鍋理沙選手スタメンなら、狩野舞子選手と中道瞳選手はセンターサーブ時のピンサに使い、竹下佳江選手にはワンブロを入れるべきです。