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ロワイヤル、仏大統領選に立候補

2006年10月06日 02時51分06秒 | Weblog
 セゴレーヌ・ロワイヤルが社会党内の大統領選の予備選に正式に立候補した。
http://www.ft.com/cms/s/79fc9d94-5345-11db-99c5-0000779e2340.html
  
 彼女の推薦人は他2候補の推薦人の2倍の数だという。ポァトゥー、・シャラント地区の知事(女性で1名のみ)にして閣僚の経験のある彼女が集めた推薦人の署名は130名と国民議会306名の3分の1を超え、規定有効数の4倍という多さだ。この票はファビウス元首相やストロース・カーン元蔵相の2倍という。

 事前予想では決戦投票を待たずしてロワイヤルが22万5千人の党員の過半数を制して11月に大統領候補に選出されるとの見方が強い。
http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1541288,00.html


 ロワイヤルの夫は社会党のオランド党首子供は4人、といっても事実婚で法律婚ではない。生まれはセネガルのダカール、父は国軍将校、8人兄弟姉妹の4人目。カトリック系寄宿学校からナンシー大学、パリ政治研究院(Institut d'Etudes Politiques)と Ecole Nationale d'Administration (ENA)で学位を取得。

 彼女のクラスにいたのがドビルパン(現首相)であり、オランド(社会党党首)だったのだ。そして彼女はENA卒業後、ミッテランのスタッフとなり、政治経歴を積んでいく。


 ロワイヤルの政治姿勢で特筆されるべきは「脱イデオロギー、脱カテゴリー」だといえるようだ。実際、家族の価値や規律の美徳について述べることが多い。また、自身の政治家としての目標について、ひとびとの人生と幸福をつくりだすことの支援であるという。美貌も彼女の武器で意識しているというし、女性には女性であることの実現のために女性をあきらめる必要はないと説く。

 実は、彼女がポピュリストのイメージを醸し出しているのは作戦だという説もある。「2007年の大統領選挙に勝つためには極右の持っている票ですら必要」というプラグマティストだ。これは、過去、左翼支持者の 30% が国民戦線(フロン・ナショナル)に投票したというデータを受けてのものであるという。

 その一方で、保守連合のサルコジに唯一勝利できる候補だというのに、社会党は11月まで彼女に地位を与える積もりはないとのこと。というのも、社会党内部でも彼女の政治手法には批判があるからだ。「テクニックは政治には採ってかわれない」と元首相のジョスパンは軽蔑しているという。

 しかし、ここはひとつ、社会党は早急に大統領選に向けて一致結束したほうがいいのではないだろうか。

 


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