次世代総合研究所・政治経済局

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外部から批判される民主党議員候補

2006年08月10日 23時35分04秒 | Weblog
9日日経記事によれば、8日民主党が参院選候補44名を第一次公認として発表したが、同日都内のホテルで開かれた公募候補者の選考に関する有識者会議で、「エリート臭さをなくせないか」と山口二郎・北海道大学教授から注文されたという。
http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=8875

 参院議員は衆院議員の半分で、半数づつの改選だから選挙で入れ替わる議員の数は衆院の4分の1にすぎないにもかかわらず、各都道府県レベルでも最低数億単位のカネが公然と動き、マスコミから政治家まで血道を上げるのは異常事態で国民のエネルギーの大いなる無駄遣いである。

 よって私は参院不要論だが、仮に参院を真の「良識の府」として位置づけ、総員改選として選考方法を改善すれば存在価値はあるだろうとも思う。


 それはさておき、おそらく山口氏は、「永田メール事件」の根本は「世間知らずの元役人」が起こしたという反省が全くない党内の空気を指摘したのだろう。

 以前、私が歴代有力政治家と対談・取材など接触の経験を豊富に持つ雑誌編集者の方と懇談した際、このようにいわれたことがある。
「自民党の議員は地元に行くと国会で冴えない人でも生き生きしている。民主党の議員は逆で国会では生き生きしているが、地元では別人のように暗い」

 この言葉ほど今の民主党幹部が噛み締めるべきものもあるまい。

ドイツも一国平和主義か

2006年08月10日 02時29分55秒 | Weblog
先日のブログで、ドイツが多数の死者を出しながら一旦決定した海外派兵を撤回していない話をした。

 ところで、NZZ(7月28日電子版)によれば、
http://nzz.gbi.de/webcgi?WID=19752-6210076-32769_4

 ドイツ連邦国防軍・社会科学研究所がこのほどドイツ国民の海外派兵に関する意識調査をしたという。軍隊が「社会科学」をするというのはいかにもドイツらしいが、とにかくNZZの記事によると(同研究所のHPでは公表されていない)次のようなことらしい。
http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_logout.cgi?SESSION=4106


1)国民の60%は将来の社会保障の削減に不安を感じているが、大量破壊兵器には29%、テロに対しては25%しか心配していない。

2)国民の2/3は海外派兵という形で海外に関わる前にまず解決すべき国内問題があると考えている。

3)68%の国民が世界の紛争は平和的に解決できると信じており、1/3だけが特定の状況下では武力行使は避けられないとしている(この率はオランダで60%、英国で80%、米国で90%)

4)こうした反戦の姿勢はブッシュのイラク攻撃以降強まり、シュレーダー前首相の影響も大きいと同研究所のブルマーン氏は分析

5)海外派兵については、津波被害など人道上の派遣には95%、コソボ派兵には75%、アフガン派兵には64%が賛成で、戦闘地域からの邦避難や人質救助のための派兵はひろく容認するものの、人権を蹂躙している独裁者の政権転覆のための派兵には34%のみの賛成。

 同紙はこれを戦後60年の間にドイツはすっかり平和的な国民になったとしているが、CDUのユング国防相はこれをドイツ国民の孤立=一国平和主義的傾向として憂慮しているとしている。

 スイス(NZZ紙はチューリッヒが本拠)は国民皆兵だから恐らく半ば驚き、半ば揶揄的に見ているのかもしれない。

 ドイツの国民の意識もどこかの国民と似たものがあるのだろうか。