新古今和歌集の部屋

前田家本方丈記 世中の有り難6 更に我が心と一つの庵

かこゝろとひとつのいほりをむすふ

これをありしすまひになら

ふるに十分か一なり。たゝいやは

かりかまへてはか/\しくはやを

つくるにをよはす。わつかについち

をつけりといへともかとをたつ

るたつきなし。竹をはしらとして

くるまをやとせり。雪ふりかせ

ふくことにあやうからすしもあらす

 


(更にわ)が心と一の庵をむすぶ。

これをありし住まひに並ぶるに、十分か一なり。ただ、居屋ばかりを構へて、はかばかしくは屋を造るに及ばず。

わづかに築地を付けりといへども、門を建つるたづきなし。

竹を柱として車を宿せり。

雪降り、風吹くごとに、危うからずしもあらず。

 

参考 大福光寺本

カ心ト一ノ庵ヲムスフ。

是ヲアリシスマヒニナラフルニ十分カ一也居屋ハカリヲカマヘテハカハカシク屋ヲツクルニヲヨハス。

ワツカニ築地ヲツケリトイヘトモカトヲタツルタツキナシ。

タケヲハシラトシテ車ヲヤトセリ。

雪フリ風フクコトニアヤウカラスシモアラス。

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