新古今和歌集の部屋

唐詩選画本 題慈恩塔 荊叔 蔵書



かんこくさんがあり。しんりやうそうじゆふかし。ぼうんせんりのいろ。
ところとしてこゝろをいためしめざるはなし。
ぢをんじのとふに上りて、のぞみ見れば、かんの世よりのやまや河はいまがはらずあり。
しんのしくはうのみさゝぎも、くさ木おひしげりて、 あれはてゝ見ゆ。むかしとは事かわり寂しきけしき
なりごとくに夕ぐれの雲がせん里もおなじき見る物こと/\くしろをいためざるはなしとなり。

じおんとうにだいす けいしゆく
題慈恩塔 荊叔
 
漢国山河在秦陵
 
草樹深暮雲千里
 
色無處不傷心
 
 
 
 


 慈恩塔に題す 荊叔
漢国山河在り。
秦陵草樹深し。
暮雲千里の色、
処として心を傷めざるは無し。
 
意訳
長安の漢の地には、山河が変わらぬ姿を残している。
しかし、秦の始皇帝陵には、草木が深く生い茂っている。
日暮れの雲は、千里の彼方まで同じ夕の色が続いていて、
どこを眺めても、心を傷めない処は無い。
 
※慈恩塔 長安(西安市)の東南の大慈恩寺。そのお寺の中にある大雁塔
 
※秦陵 秦の始皇帝陵は、長安の東の驪山にある。
 
唐詩選画本 巻第五 五言絶句
 

コメント一覧

jikan314
@hana04yama23 hana04yama23様
コメント嬉しいです。
昭和54年のシルクロード以来、是非西安に行って見たいと、東京博物館などで見て思いつつ、ついぞ行っておりません。
blogを書いて調べるうちに、位置関係や大雁塔の事なんだ?と知った所です。江戸時代の画家も掛軸や陶器の絵などで、想像して書いたんだろうと、この詩を写して思いました。
漢字を読む練習と思いつつ、唐詩選や和漢朗詠集を書いていますが、結構読めず苦労しております。
又ご覧頂ければ幸いです。
拙句
ゆふやけは唐どまでもかわびしかろ
hana04yama23
「大雁塔」「始皇帝陵」「兵馬俑」などへは2度行きました。
一度目は息子と個人旅行でゆっくりしましたが、2度目の旅は西安がシルクロードへの旅の出発地でした。
シルクロードの旅は夫とツアーに乗り長い旅になりました。
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