新古今和歌集の部屋

明月記 元久二年三月二十一日 新古今集竟宴の消息

明月記 元久二年三月

廿一日。天晴る。竟宴の事、大理重ねて消息あり。竟宴の事、昨日只一首の風情を凝らして、予め参ずべしと云々。新相公奉行す。公卿は直衣。酉の刻と云々。或人の云ふ、新古今披露の日、巻々の始めの歌を講ぜらる。御遊并に和歌の会あるべしと云々。此の外全く才学なき者なり。日本紀の竟宴も、何に見えて候ひしやらんも、忘却し候ひ了んぬ。打任せては、竟宴何れも其の巻其の人を得たり。今度の無題、極めて大臣に候ふか。梅黄門の事、未だ承はり及ばず。是れ又、尚書を替へ候へば、任人疑ひなきか。凡そ当職、日を遂ひて厭却す。真実、縁尽き候ひ了んぬ。直物の時、辞退す。聞書を見るの処、頗る恐れ有り。忽ちに変改の由、頭弁に触れ候ひ了んぬ。前右衛門督とて両三年出仕、其の後遁世す。又、還任、時に依るべく候ふ。委細、紙上に尽くし難し。…略。

大理:通具
新相公:長房
梅黄門:宗隆
頭弁:長兼
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