CDショップ(+α)のおススメCD日記

何と、あまり聞いたことのないCDコメントの共同作業、つまりクロスレビューです。(不定期更新)

12月のおススメ盤(工藤)

2017年12月15日 | 音楽
大西順子の同時発売のアルバムの2日目。こちらはピアノ・トリオだし、本命に思っている人が多いんじゃないかな。確かにその通りで、日曜の朝聴かなくて良かったと思います。いやはや、聴いていてスゴいインパクトがあります。もうすぐ今年のベスト3をきめることになりますけど、この時期これが出たという事は、その選定にも影響してくるんじゃないかなあ、と思います。いかに複雑なことをさりげなく、そしてダイナミックな表現でやっているかという事は、解説にも書いてありますし、自分もアマチュアバンドの端っこのベース弾きですが、やってることはおぼろげながら理解しているつもりです。到着後、すぐ聴けばよかった。


グラマラス・ライフ/大西順子(P)トリオ(Somethin' Cool)
Glamorous Life/Junko Onichi(P) Trio(Somethin' Cool) - Recorded September 4-6, 2017. 井上陽介(B)、高橋信之介(Ds) - 1. Essential 2. Golden Boys 3. A Love Song (a.k.a. Kutoubia) 4. Arabesque 5. Tiger Rag 6. Almost Like Me 7. Hot Ginger Apple Pie 8. Fast City 9. 7/29/04 The Day Of(From "Ocean's 12")

1-4、7曲目が大西順子の作曲、5曲目はアート・テイタムの演奏曲(ジャズの最初の録音の1曲だそうだ)、8曲目はジョー・ザヴィヌルの作曲と、いろいろ。やはり彼女は大物でした、と、個人的な思いがあります。1曲目は彼女にしては珍しく少し思索的な出だしかなとも思いますが、ダイナミクスも健在。解説を読んでいるとけっこう複雑な演奏をしているようですが、すんなりと入ってきてしまうところも、それでも、難しそうだなと思うところも、いろいろ。相変わらず半端ではないテクニックを見せつけてくれます。そこまで目が行くと気難しい印象ですけど、繊細さとダイナミックさ(こちらの方が大きいか)に心地よく身をゆだねながら聴くと、なかなかの傑作ではないかと思います。6曲目はスゴい彼女の演奏。8曲目はなかなか圧巻。(17年11月15日発売)

ジャズCDの個人ページ(工藤)

appleJam12月のお宝盤

2017年12月01日 | 音楽
Casey Hensley / Live
2017 輸入盤国内仕様

ポスト キャンディ・ケインの呼び声も高いケイシー・ヘンズレイのデビュー・ライブ盤で、相棒のギターが何とローラ・チャベス!
ローラと言えばララ・プライスと組んでいた頃から実に渋いオヤジ臭い西海岸系ブルース・ギターを弾くことで熱烈なファンが少なくない人。
そのスタイルの源泉がジョニー・ギター・ワトソンにあることはフレージングからも明白ですが、ここでもまんまワトソン・スタイルのソロが炸裂する瞬間も。
2016年に惜しくも亡くなったパワフル・ブルース・ウーマン、キャンディ・ケインの後継と言われるケイシーだけあって、実に魅力的なシャウトを聴かせてくれます。
そのキャンディはシングル・マザーで子育てのために一時期はポルノ女優にもなったという豪傑な面もある人で、歌でもそんな突き抜け感のある強力シャウトが印象的でした。
本作のケイシーもまたキャンディなみの爆裂パワーで全曲を快調に飛ばします。
ローラのギターも最強の共演で、文句なし絶品のウーマン・ブルース・アルバム!!です。

bb白岩(appleJam)