CDショップ(+α)のおススメCD日記

何と、あまり聞いたことのないCDコメントの共同作業、つまりクロスレビューです。(不定期更新)

7月のおススメ盤(工藤)

2013年07月20日 | 音楽
ビル・フリゼールがまた移籍したそうで、その第1弾。こういうメンバーは似たようなケースでははじめてではなくて、何枚も出ている感じですが、相変わらずアメリカのカントリーをしてますねえ、という感じ。ジャズに分類するよりは、カントリーとかフォークとかが近いんだろうけど、それでもいちおうのジャンル分けをしておきます。のどかで、時々盛り上がって、明るいばかりでなくて陰影のある曲もあって、しかも同じフレーズの繰り返しも、そればかりではないにしても時々目立つ、とけっこう個性的ではあります。ただ、やはり彼は彼で1ジャンルで、ジャズという枠にはハマってないのかもしれません。


Big Sur/Bill Frisell(G)(Okeh)(輸入盤) - Recorded April and September 2012. Eyvind Kang(Viola), Hank Roberts(Cello), Jenny Scheinman(Vln), Rudy Royston(Ds) - 1. The Music Of Glen Deven Ranch 2. Sing Together Like A Family 3. A Good Spot 4. Going To California 5. The Big One 6. Somewhere 7. Gather Good Things 8. Cry Alone 9. The Animals 10. Highway 1 11. A Beautiful View 12. Hawks 13. We All Love Neil Young 14. Big Sur 15. On The Lookout 16. Shacked Up 17. Walking Stick (For Jim Cox) 18. Song For Lana Weeks 19. Far Away

(13/07/13)全曲ビル・フリゼールの作曲。ギターとドラムスの他は弦楽三重奏の5人組ですが、過去にも似たような編成のアルバムもあったし、クラシックよりは、アメリカののどかなカントリーの風景を思い浮かべるようなサウンドなので、まあいつもの彼のペースか。短めの曲が多くて64分間で19曲。その中でも、5曲目のように8ビートのロックビートの曲もあったりして、ある程度変化に富んでいます。こういう曲もこの編成で違和感がないのが彼の特徴。かと思うと7曲目のように出だしで3人の弦が前面に出て、クラシック的なところからロック的に盛り上がる曲も。ただ明るいだけではなくて陰影のあるサウンドの曲もあって飽きさせません。同じフレーズの繰り返しが時々出てきます。ただ、ジャズに近くないので聴く人を選ぶかも。

ジャズCDの個人ページ(工藤)

appleJam7月のお宝盤

2013年07月01日 | 音楽
見るだけでネイティヴ・ニューオリンズのマルチ・パーカッション奏者への入り口に立つDVD
Zigaboo Modeliste the Origiator of New Orleans Funky Druming 2DVD
2012 USA Joseph Modeliste & Drum Channel (リージョンフリー NTSC方式 )

ジガブーは特にニューオリンズ・サウンドのコアファンの中ですこぶる評価の高い、ファンキーなドラム奏者ですが、これは遂に出たそのジガブー入魂のニューオリンズ・サウンドに於けるドラム・メソッドのDVDです。入手困難な品ということと相まって導入時の反響は水面下では凄くヒートアップしていました。それもそのはずでこれを見た瞬間から貴方も間違いなくネイティヴ・ニューオリンズのマルチ・パーカッション奏者への入り口に立つこと間違いなし、いわゆる理詰めで解説しているシーンは一切なく、すべてのリズムは自らドラムを叩いて身体で教えてくれる感じが最高です。マルディグラ・サウンドをタンバリンやカウベル等で鳴らしているシーンや、お馴染みセカンドライン・リズムを彼のドラムだけで演奏しているシーン、さらにはToshi Yanagi(g)を含むオールスターバンドで歌無しの"Hey Pocky Away"や"Look A Py Py"の演奏等は一瞬で血湧き肉躍る瞬間です。加えてジガブーのドラムを囲んで沢山のパーカッション群だけのシーンはそのシンプルさとは逆に超コーフン!してしまいます。曲によって歌入りの完全演奏も有りでいわゆる教則ビデオ的な退屈さは微塵も無し。中盤ではブラスバンドも登場、お葬式の際のマーチングバンドとして基本的なセカンドライン・リズムをこれもまたジガブー自身がスネアやバスドラ、シンバルの叩き方を解説しています。とにかくこれは仮に貴方がパーカッション奏者でなくとも絶対に観た方が楽しい、観た方が得、言葉は判らなくても色んなシーンで目から鱗間違い無しのDVD。改めてニューオリンズサウンドが好きになり改めてジガブーが大好きになると思います。ちなみに私はこれをマイナス・ワンというかカラオケとして活用して自分の歌とギターの特訓用に使おうと思っています。ジガブーで歌える、ジガブーで弾ける、なんてもう最高♪っす。2枚目のディスクにはジム・ケルトナー達の対談映像に加えてジガビーツと称するジガブーが開発した24の古典的リズム・チャートがPDFでおまけ収録されているのもさすが超マニアックな作りです。

bb白岩(appleJam)