CDショップ(+α)のおススメCD日記

何と、あまり聞いたことのないCDコメントの共同作業、つまりクロスレビューです。(不定期更新)

本年最後のおすすめ盤

2003年12月31日 | 音楽

なんとか年内にもう一度と思いながらここまで来てしまいました。
今回のオススメはヴォーカルの定番として名高いカーリン・クローグとデクスター・ゴードンの「ブルース・アンド・バラッズ」です。
何を今更と仰る方も多いと思いますが、ここ数年国内盤では入手困難だったものがMUZAKから紙ジャケで復刻されたので、まだお持ちでない方には是非この機会に入手していただきたいのです。
先月15年ぶりの来日公演を記念してP-VINEから3枚のCDが発売され(いずれも世界初CD化)、更に今回MUZAKからも3枚が復刻されるなどちょっとしたブームのようです。
さてこの「ブルース・アンド・バラッズ」、個人的にはゴードンのテナーが聴ければボーカルはなくても良い(?)くらいですが、完成度の高さは保証付のアルバムです。



ブルース・アンド・バラッズ+4/カーリン・クローグwithデクスター・ゴードン
(MUZAK MZCF 1018 税込み¥2,625)



STEP 片桐俊英




あっという間に一ヶ月

2003年12月14日 | 音楽

年末が迫ってきたのに仕事は忙しくならず、かといってゆっくりするヒマもないままこの「日記」も早一ヶ月の放置プレイ、申し訳ありません。きょうはバドミントンの試合で休業の予定だったのですが、あまりにレベルの違う組み合わせのため午前中で終わってしまいました。休みと言ってあったので常連さんもほとんどが顔を出さないし、この機会を逃してはならずと書き込んでいます。



さて、先週の日曜レストラン「一粒の麦」でライブがありました。
7月にジャズ・バー「NewMammy」が閉店してしまい、館山周辺のジャズ愛好者は本格的なジャズ演奏に飢えていました。
今回のライブはヴォーカルの道子さんをはじめ、ベースの小杉さん
ピアノの元岡さんとこの地域にはすっかりお馴染みのメンバーでした。ドラムの渡辺文男さんはスケジュールの都合で来られず、若手の吉岡大輔さんが初登場ながらベテランの間に入っても堂々としたプレイを披露してくれました。そして今絶好調のトランペッター岡崎好朗さんを数年ぶりに聴くことができました。なんとこのメンバー、小杉さんを除いた3人が全員スキンヘッドで見た目のインパクトもかなりあります。(話をすると皆さん非常に優しいです)



そこで本日のオススメは8月発売で新譜とも言えないのですが、この岡崎好朗「Hank’s Mood」(EWCD-0079)とします。またもやイーストワークスの作品ですが、澤野工房やガッツ・プロダクションに比べると取り上げられ方が少ないような気がしますので大目に見てください。
メンバーは実弟の岡崎正典(ts)、上村信(b)、三木成能(p)吉岡大輔(ds)のクインテットだが、定評のあるブラザーズの2管アンサンブルを中心に充実した演奏が聴かれます。
「AllTheThingsYouAre」や「YouDon’tKnowWhatLoveIs」など有名スタンダードの渋いアレンジが彼らの実力を伺わせます。
今や岡崎好朗が日本のトップ・トランペッターの一人であることが間違いなく伝わる好盤、是非聞いてください。



Hank’s Mood/岡崎好朗
(イーストワークスエンタテイメント EWCD-0079 税込み¥2,300)



STEP 片桐俊英




appleJam12月の面白盤

2003年12月07日 | 音楽

12月のお薦め、当初はJ Curveのギター物をと思っていたのですが
同時期に入ったイングリッド・ルシアの強烈なインパクトに
クラクラっとしてしまいました。



レトロ・スイング、丁度ジャズとブルースの中間地点に
あるこの音、歌は多くの人に受け入れられそうな
そんなハッピーさでいっぱいです。



レトロ感覚炸裂のライヴ盤、ホンキートンク調も有りの魅惑のヴォイス
Ingrid Lucia / Live from New Orleans
三作品の中で最も艶やかな触感をしたヴォイスが特徴。
恐らくはイングリッドもまた初期のマリア・マルダーが
通過点にあった人なのかなと思わせますが、心なしかコ
ブシも似てる感じ。ゴージャスなホーン群を含むバンド
にJames Andrews(tp)とJoe Krown(p)の名前を発見、典型的
なN.O.ソング、"St.James Infirmary"ではイングリッド
本領発揮の歌にも仰け反りますが、Jamesのペットも一際
輝いています。伴走して歌ってるのもJamesと思います。
全編ジョーのピアノがホンキートンク・タッチでナイスな
色づけ、その場に居たかったと思うライヴ盤です。もう最高!



2003 USA Artists Only! AOR-77



appleJam bb白岩




12月のオススメCD

2003年12月03日 | 音楽

11月発売の中で一番良かったのは、本当のことを言うと「ウィズ・オール・マイ・ハート/ハーヴィー・メイソン(Ds)・トリオズ」(Videoarts)だったのですけれど、SJ誌のゴールドディスクにもなっているし、誰もが良いって言うだろうアルバム(何たって12曲を12人の豪華なピアニストが交代で弾いているのだから)です。だから、うんと渋めに(地味めに)今回は攻めてみたいと思います。



カーリン・クローグはだいぶ前に「ブルース・アンド・バラード」(’70年録音)というデクスター・ゴードン(Ts)との共演作でその渋さにまいってしまい、それから追いかけています。最近出た1枚はギターとのデュオ作。



Where Flamingos Fly/Karin Krog(Vo), Jacob Young(G)(Fab) - Recorded December, 2001. Arild Andersen(B) - 1. Where Flamingos Fly 2. Prelude To A Kiss 3. Once I Loved 4. Last Night When We Were Young 5. I'm Shadowing You 6. I'll Be Seing You 7. Caravan 8. Everything Happens To Me 9. Northern Sun 10. Cry Me A River 11. K.C. Blues 12. Everything We Say Goodbye



基本的にギターとのデュオアルバム。アリルド・アンデルセン(B)は3曲(9-11曲目)のみに参加。でも彼の参加も必然性ありで、9曲目など曲のテンポも良く、うまいスパイスに。カーリン・クローグのオリジナルは9曲目のみで、主にスタンダード、時にボッサやブルースを歌っています。彼女の、ある意味ではストレートな表現の、またある意味では独特のうねりを持ったフレーズのヴォーカルが心に残ります。北欧出身が見え隠れする旋律の場面も少々。また、ヤコブ・ヤングの音数の少なく、音符の要所要所を押さえ込んだギターが、その繊細さとともにデュオの渋みを増しています。ゆったりした曲が多いので、このしっとり感がなかなか。そんな中で5曲目がギターの多重録音も使用してテンポの良い曲に仕上がっています。(03年11月21日発売)



ジャズCDの個人ページ 工藤