CDショップ(+α)のおススメCD日記

何と、あまり聞いたことのないCDコメントの共同作業、つまりクロスレビューです。(不定期更新)

3月のおススメ盤(工藤)

2017年03月15日 | 音楽
仕事の繁忙期とライヴの準備が重なり、2月末ごろ届いていたCDもやっと聴くことができます。まずはCriss Crossの2枚出たうちの、好きなギタリストであるデヴィッド・ギルモアから。何とこのレーベルでは初リーダー作なんですね。何枚か参加作があったので、そろそろと思っていました。やっぱりギルモア節で、丸くなってないところがいいです。それでも昔よりはっていう部分もありますね。ヴィクターベイリーが亡くなって、それで7曲目を入れたんだろうと思いますけど、これをアコースティックなサウンドでやってしまうとはねえ。9曲目のみアコースティック・ギターでのアプローチですが、素直なのか、素直でないのか。個人的に好きなアルバムです。


Transitions/David Gilmore(G)(Criss Cross 1393)(輸入盤) - Recorded September 19, 2016. Mark Shim(Ts), Victor Gould(P), Carlo DeRosa(B), E.J. Strickland(Ds), Gregoire Maret(Harmonica on 4), Bill Ware(Vib on 8) - 1. End Of Daze 2. Beyond All Limits 3. Blues And Matter 4. Bluesette 5. Both 6. Spontanuity 7. Kid Logic 8. Farralone 9. Nem Un Talvez

(17/03/13)1、7曲目がデヴィッド・ギルモアの作曲で、他はジャズメン・オリジナルなど(ウディ・ショウ作が2曲目、ボビー・ハッチャーソン作が3、8曲目、トゥーツ・シールマンス作が4曲目、アーネット・ピーコック作が5曲目、ヴィクター・ベイリー作が7曲目、そしてエルメート・パスコアール作が9曲目)。メカニカルなアプローチの曲とギター・ソロが聴ける1曲目からはじまり、他の曲のジャズメン・オリジナルの形でも、やはりギルモア節は変わらないで、まるでオリジナルを聴いているかのような感覚に陥ります。作曲者がハードなのか、ソフト系なのかによって、感触は違ってきます。3曲目はモーダルなアップテンポの4ビート、5曲目はフリー的なアプローチ、8曲目は割とオーソドックスな4ビート。7曲目をやるとは思わなかった。

ジャズCDの個人ページ(工藤)

appleJam 3月のお宝盤

2017年03月01日 | 音楽
かつては米兵、そんな兵隊上がりが異国ドイツで自己実現した形の新型ブルースマン~渾身の力作が登場です
Big Daddy Wilson / Neckbone Stew
2017 輸入盤国内仕様 BSMF

ルーシー・フォスターとエリック・ビブをゲストに、バンド編成とアコースティックチューンとを織り交ぜた構成がやけに新鮮に響きます。
実力は既に前作で日本のブルースファンにも証明済み、今作ではもっと懐深くじっくりと構想を練ったことが判る仕上がりをしています。
それにしてもこれだけのブルース作品が本国アメリカではなくドイツで制作されることの事実。
どんどん衰退していく米国のアメリカン・ルーツ音楽のシーンにおいて、デルマークやデルタグルーヴ、ブラインドピッグにアリゲーターといったブルース・メジャーの火がこれ以上絶えることがないよう祈るばかりです。
もちろん個々にミクロに活動しているアーティスト達の作品も適時ピックアップしてお届けしたい所存、ブルースが好きでたまらないというファンとアーティスト自体は今後も不滅と感じています。
話が脱線しますが、何でも安く製造することが第一義になってしまったアメリカでは遂にMade in USAのテレビが無くなって久しいとのこと。
現在の米国の一般家庭にある家電や衣料品・雑貨の99%が中国製か韓国製、日本製もしくはバングラデシュやフィリピン製でひしめいているそう。
自動車メーカーさえ元気ならOKといった発想では今後も益々文化的貧困国になってしまうしかないアメリカ。それは日本でも同じで、安倍政権や腐敗した現在の日本銀行的価値観(=株価さえ上がればOKという安易な価値観)で国がコントロールされていく限り、日本もアメリカと同じ文化的貧困国になってしまうのは間違いない事実。
この悪しき流れを止めるにはやはり私たち普通の市民一人一人がしっかりとする以外なく、世の中のムードに流されることなく前を向いて発言をする人がもっと増えて欲しい気持ちです。
子供を含めたこれからの世代の人たちには、いい大学に入りたいとか一流企業に勤めたいとかでは無く、どう生きたら自分らしいのか、何をしているときに自分は時間を忘れている人間なのかを先に考える人になることを願っている次第です。

bb白岩(appleJam)