CDショップ(+α)のおススメCD日記

何と、あまり聞いたことのないCDコメントの共同作業、つまりクロスレビューです。(不定期更新)

5月のおススメ盤(工藤)

2017年05月15日 | 音楽
BABYMETALのバックバンドとしての経歴がなかったら、もしかしてこのアルバムが世に出なかったかもと考えると、感慨深いものがあります。BABYMETALではバックバンドのメンバーはそれぞれのスケジュールの都合上、入れ替わりで登場しますけど、今のレッチリUSツアーの前座として、この3人は行っているかと。まあ、世に出ないだけで、実はテクニカルなセッションミュージシャンはもっと大勢いて、どなたも素晴らしいですが、とりあえず、BABYMETALのファンの方にこのアルバム、聴いてほしいかなあ、と思います。よくジャズの方面からメイトさんになる人、という表現を見ますけど、その逆もありかなと。まあ、それがジャズ・フュージョンでもロックでもファンクでもいいんですけど。バックの人たちが、固定メンバーではなくて、あくまでもセッションミュージシャンでいる方を選んでいる理由も、これを聴いて分かるかと思いますし。次回作も期待してます。

(追記)アルバムの3人それぞれの曲解説が興味深いので、これはCDの実物で見てみることをお勧めします。ちゃんと日本語、英語併記になっているところが面白いし。


仮音源-Demo-/仮バンド(Bellwood) - Released 2017. Mikio Fujioka(G, Prog), BOH(B), Yuya Maeta(Ds), Additional Musicians: Yoshihiro Tsujimoto(Sax on 1), Yuya Tanase(Tb on 1), Yosuke Kobayashi(Tp on 1), Yatsuya Nishiwaki(Key on 2), ISAO(G on 4) Ai Kuwabara(P on 5) - 1. Common TIme's Logic 2. Chuku 3. 忍者Groove 4. Djentleman 5. Jamrika 6. Snowflakes

全曲仮バンドの作曲。おなじみBABYMETALのバックバンド(バックでは入れ替えもありますが)、での、テクニカルかつフュージョンとロックとファンクとが合わさった、変拍子バシバシ、ソロバシバシ、時にユニゾンもありの、ビックリするぐらいのミニアルバム。変拍子、時にユニゾンの哀愁の混ざるメロディがまた印象的な1曲目、8分の13拍子だそうですが、けっこう自然に聴こえている2曲目、まさに忍者のグルーヴで、ベースのタッピングが面白い効果を生み出す3曲目、怒涛の高難度メタルという感じの高速サウンドで、なかなかカッコ良い4曲目、超高速5拍子の1発録りだそうで、ゲストのピアノもスゴいし、相当テクがないとできないなあと思う5曲目、静と動があって、解説では「実は変」なんだけどきれいな印象の6曲目。(17年4月26日発売)

ジャズCDの個人ページ(工藤)

appleJam 5月のお宝盤

2017年05月01日 | 音楽
バレルハウス・チャックのピアノが大活躍するあのシリーズの第二弾
John Primer and Bob Corritore / Ain't Nothing You Can Do
2017 輸入盤国内仕様 BSMF

2013年盤のパッケージ・デザインと似た雰囲気をしているので2枚並べると区別が付かないくらいですが、中身の方もまさにその続編となる内容。
ピアノのバレルハウス・チャックが2016年12月に亡くなってしまったことからここでの録音が改めて注目されることは必至。
先のBluesClub選盤でお届け済みの、結果チャックの遺作となった Remenbering Mastersでは亡きパイントップと肩を並べた写真でパッケージを飾っていましたが今となってはその二人共に「遺影」となってしまったのが悲しい皮肉です。
もとい、伝統的なシカゴ・ブルースの後継者が不足している今、これらのサウンドはいよいよ今世紀に於ける最後のピュア・シカゴブルース作品となっていくのかも知れません。
過去に一時代を築いたモータウン・サウンドやフィリー・ソウル、メンフィスのハイやスタックス、深南部のマラコサウンド等々、地域性を全面に打ち出した黒人音楽だけが持つ独自のDNAが今やほぼ絶滅種になってきたのが実に悲しい事実。それを言えば古くはロバート・ジョンソンやブラインド・レモン等のブルースも時代と共に変化変質してしきたのではありますが。
1960年代後半のチェスブルースを彷彿とする音に酔いしれるひと時を是非あなたも!

bb白岩(appleJam)