今月は直球ど真ん中のジャズの登場ではありますが、やはりクリスチャン・スコットも現代ジャズを構成する一員なのかな、というクセのあるサウンド。でも、自由度が高いながらも、ピアニストの奏法の影響なのか、ドラムスが前面に出てきつつも、流れていくようなサウンドも曲によっては鮮明に耳に残ります。もちろん3曲目のように、これぞ都会的な黒い現代ジャズ、というような曲も登場しますけれども。曲によっていろいろな特徴はあるものの、こういう世界を味わってみるのもいいぞ、と現代ジャズ好きな私は思ってしまいます。出てくるメンバーそれぞれ個性があって、いいですねえ。しかし、コンコードからこういうアルバムも最近出ていたとは。何だかブルーノートのような雰囲気です。
Christian Scott Yesterday You Said Tomorrow(2010 Concord) - Christian Scott - trumpet, Matthew Stevens - guitar, Milton Flethcer, Jr. - piano, Kristopher Keith Funn - bass, Jamire Williams - drums - 1. K.K.P.D. 2. The Eraser 3. After All 4. Isadora 5. Angola, LA & The 13th Amendment 6. The Last Broken Heart 7. Jenacide 8. AMerican't 9. An Unending Repentance 10. The Roe Effect
2-3曲目を除き、クリスチャン・スコットの作曲ないしは共作。1曲目ではドラムスがかなり暴れまわっていて、それにゆったりと他の楽器が流れていくような雰囲気。これだけでフリーのフォーマットに近いのかなと思わせますが、フリーとは一線を画すような、それでいて自由なサウンドを作り上げていっています。2曲目などはファンク的なビートがあって、やはり自由度の高いサウンドなので、彼独自のやりたいことが見えてくるような感じがします。マイルスの影響もないと言えばうそになると思いますけれども。 けっこう黒さを感じさせつつ、体力もあるけれども智の方がやや勝るかというサウンドが、いい刺激になります。4曲目のバラードのほど良い緊張感も、彼ららしくていいなあ、と思います。5曲目も静かな場面もあるゆるい8ビート的な曲ですが、メンバーの力関係がところによって変化していくのが面白い。7曲目もファンクビートだけれど、他は比較的ゆったりとたゆたうようなサウンドで、グループの個性かも。変拍子(8分の11拍子?)の8曲目も冷めたゆったり感とビートがあります。やはり多くの曲でそのようなイメージがあるのは彼のサウンドの指向なのでしょうか。その中で時に紡ぎだされていく速いパッセージのソロ。9曲目は大いなる盛り上がり。ちょっと聴く人を選ぶかもしれませんが、ハマると心地良いサウンドです。
ジャズCDの個人ページ(工藤)
Christian Scott Yesterday You Said Tomorrow(2010 Concord) - Christian Scott - trumpet, Matthew Stevens - guitar, Milton Flethcer, Jr. - piano, Kristopher Keith Funn - bass, Jamire Williams - drums - 1. K.K.P.D. 2. The Eraser 3. After All 4. Isadora 5. Angola, LA & The 13th Amendment 6. The Last Broken Heart 7. Jenacide 8. AMerican't 9. An Unending Repentance 10. The Roe Effect
2-3曲目を除き、クリスチャン・スコットの作曲ないしは共作。1曲目ではドラムスがかなり暴れまわっていて、それにゆったりと他の楽器が流れていくような雰囲気。これだけでフリーのフォーマットに近いのかなと思わせますが、フリーとは一線を画すような、それでいて自由なサウンドを作り上げていっています。2曲目などはファンク的なビートがあって、やはり自由度の高いサウンドなので、彼独自のやりたいことが見えてくるような感じがします。マイルスの影響もないと言えばうそになると思いますけれども。 けっこう黒さを感じさせつつ、体力もあるけれども智の方がやや勝るかというサウンドが、いい刺激になります。4曲目のバラードのほど良い緊張感も、彼ららしくていいなあ、と思います。5曲目も静かな場面もあるゆるい8ビート的な曲ですが、メンバーの力関係がところによって変化していくのが面白い。7曲目もファンクビートだけれど、他は比較的ゆったりとたゆたうようなサウンドで、グループの個性かも。変拍子(8分の11拍子?)の8曲目も冷めたゆったり感とビートがあります。やはり多くの曲でそのようなイメージがあるのは彼のサウンドの指向なのでしょうか。その中で時に紡ぎだされていく速いパッセージのソロ。9曲目は大いなる盛り上がり。ちょっと聴く人を選ぶかもしれませんが、ハマると心地良いサウンドです。
ジャズCDの個人ページ(工藤)