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ジャッピー!編集部日記

映画の雑誌「ジャッピー!」編集部の活動記録です。

ええモン観させてもらった

2007-07-12 00:24:44 | 映画を観た

世の中、割り切れないことも多いけど、そういうときはこの映画を観るとスカッとするよな。ラス・メイヤーの『ファスター・プッシーキャット・キル! キル!』を思い出す。タランティーノ的には『バニシング・ポイント』だろうが。

迷いもなく、そして容赦ないタランティーノの潔さに拍手!!!(みぶ)



『デス・プルーフ in グラインドハウス』 9/1よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて全国ロードショー

公式サイト


ええモン観させてもらった

2007-07-11 00:45:30 | 映画を観た
最高の原作を、映画ならではの最高の調理法で作り上げた映画。
美術、小道具など、細部まで丁寧に作り上げられていて、実にいい仕事をしてます。

写真を見ても分かると思いますが、ちゃぶ台の上に乗っかってる食事の見事な飛び散り方に惚れ惚れ。

堤幸彦監督の最高傑作かもしれない。(みぶ)


公式サイト
『自虐の詩』秋、全国ロードショー

サッド・ヴァケイション

2007-06-04 07:17:47 | 映画を観た
久々の登場です。
いや、決してサボっていたわけではなく、
来る25号に向けて、「映画力」を徐々に鍛えているところでして。
映画の神様って、ちゃんと見てないと自分のところに
降りてこないものですからね。見ないと。はい。

で、見てきました。試写。
青山真治監督の『サッド・ヴァケイション』。
『Helpless』『ユリイカ』に続く、
“北九州サーガ”三部作の三作目ということです。
『Helpless』の浅野くんや、
『ユリイカ』の宮崎あおいちゃんが、
同じ役柄で出ています。

衝動と暴力にまみれた『Helpless』と、
傷痕からの再生を願った『ユリイカ』でしたが、
今回の『サッド・ヴァケイション』は、
家族への回帰、それがメインテーマかな、と。
そして母性への賛歌というか。
そのあたりがツボになってきているようです。

でもね、母性とはいっても、
浅野くんの母親役の石田えりさん、
とにかく凄い。こんな根性のすわった母親を初めて見ました。
僕は例によってあおいちゃん目当てで鼻の下伸ばしながら
見に行ったんですけど、いやあ、ヤラれました。

青山監督としても、おそらく最高傑作でしょう。
オダジョーとか光石研さんとか、
脇を固める俳優陣も豪華でしかも適材適所。
迫力あるロケーションにしても、ワンショットの力強さにしても、
相当な力作であることは間違いないです。

しかもこれまでの青山作品にはなかった、
そこはかとないユーモア感覚があり、
見たあとの充実感はかなりのものがあると思います。

秋公開とのことです。
あおいちゃん目当てで見に行くような
ヨコシマな輩(僕です、はい)は、横っ面を
2、3回ひっぱたかれた感じがしますよ。いい意味で。(中島)


『サッド・ヴァケイション』の公式サイトはこちら

ハリウッドランド

2007-05-31 20:52:59 | 映画を観た
また池田です。どうせ池田ですよ。

『ハリウッドランド』という映画の試写を観せていただきまいた。
50年代のハリウッドを舞台にした、ムードたっぷりのフィルム・ノワールです。探偵役はエイドリアン・ブロディ。いつもの八の字マユゲとヒョロイ身体で、いわゆるハードボイルド系とは違う、ひとクセある私立探偵を演じてます。この探偵、奥さんと子供からは別居を強いられ、安モーテルを事務所代わりに使い、仕事といえば初老の男から依頼された浮気調査。しがなーい感じの探偵なんです。

そんな探偵にある日、ちょっと派手めの事件が舞い込む。
「1959年、TVシリーズ『スーパーマン』の主演俳優ジョージ・リーブスが自殺」しかし、母親は「自殺」を信じない。探偵さん真相を探っておくれ、という依頼。
そうして現在進行形の探偵の調査と、俳優ジョージ・リーブスが死ぬ前の数年間が、平行して描かれていく。スーパーマン役者ジョージ・リーブス役はベン・アフレック。おそらく少し体重を増やして、かなり念入りに役作りをしているのだと思う。

・・・思う、と書いたのはですね、そのぉ、知らんのですよ、ジョージ・リーブス版『スーパーマン』を。僕ら世代は『スーパーマン』といえば、クリストファー・リーヴ。せいぜい雑誌の『スーパーマン』特集記事で、ジョージ・リーブス版TVシリーズの写真を見たことがあるくらいで。
そこがこの映画の弱いところです。たぶん、アメリカではもっともっと国民的なスターで、この「自殺」もアメリカ芸能史の中で、衝撃的な記憶となっているんでしょう。想像すると『初代ウルトラマン』の黒部進とか、『仮面ライダー』の藤岡弘ね。そういう存在なんだと思います。子供にとっては大ヒーローですよ。地球で一番偉い人ですよ。
しかしジョージ・リーブス自身は「映画」にこだわりがあって、馬鹿げたマント姿のテレビのヒーローでは満足できない。アメリカでも最近は事情が違うかと思いますが、50年代当時、テレビというのは映画よりもランク下だったんですね。このへんもねー、今の日本の芸能界を見てると理解しにくいかも知れませんね。日本の芸能界だと「どんな映画に出ているか」じゃなくて「何本CM契約してるか」で、俳優のランクを決めたりするじゃないですか。映画ファン的には、ふざけんじゃないっつーの、藤原紀香のどこが大女優なんだよ・・・とか思いますけどね。いや、別にいんですけどね、ご結婚おめでとうございます。

なんだっけ。そう、ジョージ・リーブスは、映画に欲を持ちつつスーパーマンのマントを背負う。彼を巡り、愛人であるトニー(ダイアン・レイン)、その夫であるMGM映画の権力者エディ(ボブ・ホスキンス)、婚約者レオノア(ロビン・タニー)といった人物が登場する。自殺じゃないとしたら、犯人はこの中にいるのか。
探偵エイドリアン・ブロディは、捜査をすすめるうちに、大きな権力の壁に遮られる。警察の力さえ及ばない、これが「ハリウッドランド」なのか・・・。

にがーい後味を残して、映画は終わります。犯人はお前だー!バーン!!的な幕切れはしません。でもね、ハリウッド内幕ものとしても興味深いですし、探偵映画としてもムード抜群。あとベン・アフレックがね、いいんですよ。僕、ベン・アフレックがいいと思ったの初めてですね。もうね、ベン・アフレック主演で『スーパーマン』作ればいいじゃんってくらいね、好演してます。(池田)

『ハリウッドランド』(6月公開)公式ホームページはこちら。

ブラッド

2007-05-24 21:40:25 | 映画を観た
かたくななまでに更新されない当編集部日記。とうとうこの空気に耐えきれずに書き込んでしまうチキンな池田です。

久しぶりに試写に行ったんですよ。試写状もポツポツ頂くんですが、なにしろ忙しくって・・・今はやりのワーキングプアっていうの?ま、貧乏暇なしってことですけどね。
でも愛しのルーシー・リュー姐さんの新作だっていうじゃないの。さすがリベロ(配給・宣伝)さん、僕の趣味をよく分かってらっしゃる。そりゃ何がなんでも行きますよ。
試写室でいきなり「池田さん、コワイの大丈夫ですか?結構コワイですよ」なんて脅されても、ルーシー姐さんが見たいばっかりに一番前に座る。
ルーシーの新作『ブラッド』(原題 Rise:Blood Hunter)は、ヴァンパイア・アクション・ホラーもの。女性ジャーナリスト(ルーシー)が、カルト教団の取材中に襲われ、ヴァンパイアの餌食となってしまう。しかし自らもヴァンパイアとなって蘇ったルーシーは、復讐を決意する、という物語。

見どころをズバリ言います。「ルーシー、チラホラ脱いでます」はい、ここで反応した男子、とりあえず映画館へ行って下さい。あ、でもR15指定です。エッチだからじゃなくて、コワイからです。脱いでるんだけど、暗くてよく見えないんだよなあ。もうちょっと明るいと見えそうなんだけど・・・。
違う。そんなことじゃないんだ、僕が書きたかったことは。
この映画、あらすじだけ取り出すと、まあ、ありがちじゃないですか。不死身の体になって復讐するっていうなら、ニコラス・ケイジの『ゴースト・ライダー』も、ほぼそんな話だった。でも『ゴースト・ライダー』はアメコミの薄っぺらさそのままに、ニコラス・ケイジは始終アホ面でしたが、この映画のルーシーは、情感たっぷりにヴァンパイアになった哀しみを演じています。
この映画のヴァンパイアは、怪我をすれば血を流すし痛みも感じる(ただし回復力は強い)。身体能力も人間と変わらない。決して超人になるわけじゃないんですね。顔が青白くなったり歯が鋭くなることもない。だけどヴァンパイアの定めとして○肉を喰わなければならない。そのことに気付いて泣きじゃくるルーシーの哀れ。
ルーシー・リューというと、いつもキッと目を吊り上げて、クールに行動する女を演じてきましたが、今作のルーシーは、何度となく涙を見せます。ルーシーが演じたキャラクターの中で、最凶にして最も脆い女性なのかも知れません。しかし、そんな普通の人間が立ち上がるからこそ、観る者の心を捉える。CGやワイヤー・アクションで見せる薄っぺらいアクションではなく、ルーシー自身がいうところの「フィルム・ノワール的な質感」、それがこの映画の魅力です。娘をヴァンパイアに殺された刑事役のマイケル・チクリスもまた、存在感のある演技で映画にリアリティを与えています。

僕はルーシーの大ファンなんですが、なにしろルーシーの出演する映画が面白い。『シャンハイ・ムーン』『チャーリーズ・エンジェル』『キル・ビル』『カンパニーマン』『バリスティック』・・・実に男らすぃーフィルモグラフィ。たぶん、このテの映画が好きなんでしょう。僕と趣味がおんなじだ。ルーシー、今度一緒に映画にいきませんか。(池田)

『ブラッド』(7月公開)公式ホームページはこちら。