きょうの日本民話 gooブログ編

47都道府県の日本民話をイラスト付きで毎日配信。

11月29日の日本民話 不思議な火鉢

2007-11-29 05:54:54 | Weblog

福娘童話集 > きょうの日本民話 > 11月の日本民話

11月29日の日本民話

不思議な火鉢

不思議な火鉢
沖縄県の民話沖縄県情報

 むかしむかし、沖縄には、とかしきぺークーという、とんちの名人がいました。
 ある冬の事です。
 冬でもあたたかい沖縄ですが、この冬は特別に寒くて、だれもがこまっていました。
 でも、ぺークーは火ばちを持っていたので、どんなに寒くても平気です。
 すると、村の金持ちのだんながやってきて、
「火ばちとは、めずらしいものをお持ちですね」
と、しきりにうらやましがりました。
「よければ、あなたにさしあげましょうか?」
「えっ、本当ですか?」
「ええ、あげますとも。この火ばちは不思議な火ばちで、だれにあげても、じきにもどってくるのですよ」
 ペークーは、おおまじめにいいました。
「では、さっそくいただきましょう」
 金持ちのだんなが火ばちをかかえてかえろうとすると、ぺークーがいいました。
「大事な火ばちをあげたのですから、わたしが遊びにいったときには、ごちそうしてくださいよ」
「ごちそうしますとも。いつでもおでかけください」
 金持ちのだんなは、喜んでかえっていきました。
 ぺークーはその日のうちから、金持ちのだんなのお屋敷へ出かけました。
 だんなは約束通り、ペークーを酒や料理でもてなしました。
 それからというもの、ペークーはくる日もくる日もだんなのお屋敷へ出かけて、朝から晩まで飲んだり食べたりするのです。
 さすがのだんなも、これにはこまってしまい。
「このままでは、屋敷がつぶされてしまう。もったいないが、火ばちはぺークーにかえそう」
 だんながぺークーの家に、火ばちをかえしにいくと、
「本当に、よくかえってくる火ばちだ。なぜかえってくるのか、どうもよくわからん」
と、ぺークーは、首をひねったという事です。

おしまい

きょうの豆知識と昔話

きょうの記念日 → いい服の日
きょうの誕生花 → ちゃ
きょうの誕生日 → 1956年 定岡正二 (タレント)

きょうの日本昔話 → おスマばあさん
きょうの世界昔話 → 北風のくれたテーブルかけ
きょうの日本民話 → 不思議な火鉢
きょうのイソップ童話 → けがをしたオオカミ
きょうの江戸小話 → タコのだしがら

hukumusume.com サイト一覧