きょうの日本民話 gooブログ編

47都道府県の日本民話をイラスト付きで毎日配信。

情報元のパワーアップ作業

2010-08-04 07:01:04 | Weblog
「ブログ 福娘童話集」と「ブログ 366日への旅」は、情報元の「福娘童話集」と「366日への旅」のパワーアップ作業のために休止いたします。

ブログと同等以上の内容が「福娘童話集」と「366日への旅」に掲載されているので、今後はこちらをご活用下さい。

「福娘童話集」 http://hukumusume.com/douwa/index.html

「366日への旅」 http://hukumusume.com/366/index.html


福娘童話集」と「366日への旅」、姉妹サイトの「世界60秒巡り」「都道府県巡り」「子どもの病気相談所」は、テレビ放映や書籍出版、ラジオ、携帯ゲーム機などで、幅広く活躍中です。

どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

管理者 福娘。

7月31日の日本民話 鳥になったかさ屋

2010-07-31 06:56:16 | Weblog

福娘童話集 > きょうの日本民話 > 7月の日本民話


7月31日の日本民話


鳥になったかさ屋



鳥になったかさ屋
大阪府の民話大阪府情報


 むかしむかし、河内の国(かわちのくに→大阪東部)に、かさ屋のまさやんという若者がくらしていました。
 まさやんは毎日毎日、ただ、だまってかさをはりつづけておりました。
「おーい、まさやん、せいが出るのう」
「ああ、おかげさんで」
 まさやんは、通りがかりの村の人が声をかけたときだけしか声を出しません。
 天気のよい日には表に道具を出して、空をとぶ鳥を見あげながらしごとをするのが、まさやんのたった一つの楽しみです。
「気持ちええやろなあ。あんなふうに空をとべたらなー」
 そんなある日の事、かさが一つ風にとばされてしまいました。
 かさが一本でもなくなれば、その日はごはんが食べられません。
「うわっ、待てえ!」
と、とんでいくかさを、まさやんはひっしでおいかけました。
「とっ!」
と、かさにとびつくと、まさやんのからだはフワッと宙にうきました。
 でも、すぐに地面におちてしまいました。
「おお、いたっ!」
 ドスンと打ったおしりをなでながら、しばらくポカンと空を見あげていたまさやんは、ふと、おもしろいことを思いついたのです。
「そうや、これや!」
 それから、三日がたちました。
(ようし、これから、空をとんでみせる)
 まさやんは屋根の上に立って、かさをひろげました。
 これを見た村の人たちは、おどろいて屋根の下にあつまってきました。
「おーい、まさやん、そんなところにのぼって、何をはじめるんじゃい?」
「へい。これから空をとぼうと思いますねん」
「空をとぶ? そんなアホなこと、やめとかんかい」
「そやそや、あぶないで」
 みんながとめるのも聞かず、まさやんはとびました。
 いえ、とんだつもりです。
「うっ、ういたぞ、ういたぞ」
と、思ったとたん、見物人の目の前にドスーン。
「まさやん、けがはないか?」
 まさやんは、ちょっぴりはずかしそうに頭をかきながらいいました。
「へへへ、だいじょうぶや。だいじょうぶや」
 それからというもの、まさやんは空をとぶことにむちゅうで、夜も昼もその事ばかり考えていました。
「そうや、もっともっと大きいのをつくらんと。大きくてじょうぶなやつを」
 まさやんは商売のかさはりをほうりだして、ごはんが食べられなくても気にしません。
 はらがへれば水をのんで、夜中までむちゅうになって空とぶかさづくりをつづけます。
 それから、何日目かの朝の事です。
「でけたぞう。これだけ大きければ、まちがいあらへん。そや、こんどは屋根より高いところからとんでみよう」
 まさやんは大きなかさを持って、えっちらおっちら歩きだしました。
 まさやんのお目あては、村で一番高いスギの木です。
「でっかいかさやなあ。またとぶつもりやで」
「こんどはこの上からとびおりるんか? あんな高いところからとんだら、死んでしまうがな」
 心配した村の人たちが、いっしょうけんめいとめましたが、まさやんはすこしも気にせずニッコリわらって、スギの木のてっぺんへとのぼっていきました。
「うわあ、高いなあ。こうしてながめると、家も人間も小さいもんや。あんな小さな家の中で、ゴチャゴチャいうてくらしとるんかいなあ。それにくらべて、烏たちは広い広い空でせいせいしとるんやろなあ」
 そしてとうとう、まさやんはかさをひろげました。
「うわっ、かさひろげよった!」
「うわっ、とびよった!」
「こんどこそ、とぶんか!」
と、思ったけれど、またまたしゅっぱいです。
 でもまさやんは、それでもこりません。
 夜になると、またゴソゴソなにかをはじめました。
「数をふやせばだいじょうぶや」
 次の日、まさやんはまた、スギの木の上へのぼりましたが、またもやわらの上ヘドスーン!
 これを何回くりかえした事でしょうか。
 何回やっても失敗するので、いまではもう、見物人もあつまりません。
 しかし、まさやんはかさをかついで、今日も出かけていきます。
 村の人たちは、あきれ顔でいいました。
「まだやっとる」
「病気じゃのう」
「アホや」
 まさやんは、今日もスギの木の上に立ちました。
 でも、いつもとちがって、すぐにはとびません。
 なにやら、待っているようすです。
 しばらくして、ソヨソヨとスギの葉が風でゆらぎます。
「きたきた、でも、まだとばんでえ」
 だんだん風が強くなってきました。
「よし、いまや!」
 まさやんはとびました。
 フワリ。
 ひろげたかさと一緒に、空へまいあがります。
「やった! 鳥や、これが鳥の気分や。せいせいするでえ。あはは」
 まさやんが空をとんだうわさは、殿さまの耳にもとどいて、村は大さわぎとなりました。
 まさやんの家には、おおぜいの人たちがあつまってきました。
「まさやん、殿さまが空とぶかさを買いたいんやと。お金はなんぼでも出すと。殿さまは、そのかさで敵の城を空からせめるおつもりなんや」
「それがうまくいってみい。まさやんはお城づとめや。いやいや、侍大将ぐらいになれるかもしれん」
 あんなにまさやんの事をバカにしていた村の人たちも、みんなでまさやんをほめはじめました。
「たいへんな出世や。うらやましいなあ」
 ところがまさやんはというと、とってもこまったようすです。
「えらいことになったなあ。いっそ、このかさをこわしてしまおうか。いやいや、そんなことしたら、お殿さまのいいつけにそむいたと、殺されてしまうわ」
 まさやんは、ただ自分が空をとびたくてつくったかさが、いくさの道具につかわれるのがいやだったのです。
 ひとばん考えたまさやんは、次の日のタ方、かさをかかえてコッソリ家をぬけだすと、スギの木のてっぺんから秋の夕空高くとびたちました。
 かさをひろげてとぶ人間を見て、鳥たちはビックリ。
「鳥よ。一緒にいこか」
 かさ屋のまさやんは、そのまま消えてしまったという事です。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 蓄音機の日
きょうの誕生花 → やなぎらん
きょうの誕生日 → 1967年 本田美奈子(歌手)



きょうの日本昔話 → ゆうれいの酒盛り
きょうの世界昔話 → 青ひげ
きょうの日本民話 → 鳥になったかさ屋
きょうのイソップ童話 → セミ
きょうの江戸小話 → かみなり


hukumusume.com サイト一覧


7月30日の日本民話 吹雪と女幽霊

2010-07-30 06:52:06 | Weblog

福娘童話集 > きょうの日本民話 > 7月の日本民話


7月30日の日本民話


吹雪と女幽霊



吹雪と女幽霊
新潟県の民話新潟県情報


♪朗読再生


 むかしむかしのある寒い冬の夜ふけ、村はずれにある久左衛門(きゅうざえもん)というお百姓の家の戸を、トントン、トントンとたたく者がいました。
 ふとんにくるまってねむっていた久左衛門は、目をさまして、
「だれだ? こんな夜ふけに」
と、起きあがると、
「どなたですかな?」
と、戸口へ声をかけました。
 すると、戸のむこうから若い女の声が聞こえてきました。
「夜分にすみません。実はこの吹雪で、先へ進めなくなりました。どうか、しばらく休ませてください」
 久左衛門は気の毒に思って、戸を少し開けました。
 するとそのとき、
「ご親切に、ありがとうございます」
と、いう声が、背中の方から聞こえてきました。
 久左衛門はびっくりして、後ろをふりむきました。
「お前さん、いつ、家の中に入ったんだ?」
 まっ白な着物を着て肩の下まで長い黒髪をたらした若い女は、顔色も白くて雪の精のようです。
「わたしはとなり村へいく途中なのですが、この吹雪では前へ進めません。風がおさまれば、すぐに出ていきます。どうかそれまで、ここで休ませてください」
 女の人は立ったまま、静かにいいました。
 その女の人の顔と声に、久左衛門は一年前におこった、となり村の大雪の事故を思い出しました。
「あっ、あんた、もしかして隣村の? おっ、おらは幽霊などに、うらまれる覚えはないぞ!」
 久左衛門が怒ったようにいうと、女の人は、
「わたしの事を、聞いたことがあるようですね」
と、いって、静かに話し出しました。
「わたしは、となり村の弥左衛門(やざえもん)の娘のお安(やす)です。一人娘なので、年をとった父は三年前、伊三郎(いさぶろう)という婿さんを家にむかえて、わたしと夫婦になりました。ところが去年の冬、大雪に埋まってわたしが死ぬと、伊三郎は病気の父を捨てて、実家へ帰ってしまったのです。明日は、わたしの命日です。伊三郎のところへいって、うらみをいおうと思っているのです」
 しばらくすると吹雪がおさまってきたのか、あたりが静かになってきました。
 すると、ギギギィッと戸が開く音がして、気がつくと若い女の姿は消えていました。
 夜が明けるのをまって、久左衛門はお安の家へ出かけていくと、なんと婿の伊三郎がお安の父親の世話をしているではありませんか。
 伊三郎にたずねると、お安の幽霊は久左衛門の家を出たあと、伊三郎の枕元に現れたのでした。
 おそろしくなった伊三郎は、夜明け前にお安の家へもどってきたというのです。
 すっかり心をいれかえた伊三郎は、一生懸命お安の父親の看病をして、その父親が亡くなると頭をまるめてお坊さんになり、全国をめぐり歩く旅に出たという事です。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → プロレス記念日
きょうの誕生花 → にちにちそう
きょうの誕生日 → 1928年 荒井注(俳優)


きょうの新作昔話 → 弥三郎(やさぶろう)ばばあ
きょうの日本昔話 → 鏡の中の親父
きょうの世界昔話 → オオカミ退治
きょうの日本民話 → 吹雪と女幽霊
きょうのイソップ童話 → ライオンとイノシシ
きょうの江戸小話 → かいだんのおりかた


hukumusume.com サイト一覧


7月29日の日本民話 十数えてごらん

2010-07-29 07:13:55 | Weblog

福娘童話集 > きょうの日本民話 > 7月の日本民話


7月29日の日本民話


十数えてごらん



十数えてごらん
鹿児島県の民話鹿児島県情報


 むかしむかし、ある年の大みそかの事です。
 お日さまが貧しい坊さんに姿をかえて、とぼとぼ村を歩いていました。
 大きな庄屋(しょうや)の家を見つけると、坊さんは家の戸をトントンとたたいて、
「何か、食べる物をめぐんでくだされ」
と、いいましたが、けちんぼうの庄屋は、
こじき坊主にやるもんは、なんもない。とっとと失せろ!」
と、坊さんを追いかえしてしまいました。
 坊さんはしかたなく、となりの貧しいおじいさんとおばあさんの家へいきました。
 すると、
「これはこれは、たったいま、アワガユができたところです。さあ、どうぞお食べ下さい。一緒に年忘れをしましょう」
と、おじいさんは、坊さんを家の中にまねきいれてくれました。
 けれど、おなべの中はお湯ばかりで、アワなど少しも見えません。
 坊さんは、おばあさんにいいました。
「そのおなべを洗ってな、葉っぱを三枚入れて、もう一度煮てごらんなさい」
 いわれたとおりにすると、おなべの中に、野菜の煮物がいっぱい出てきたのです。
 次に坊さんは、ふところから米つぶを三つぶとりだして、
「おかまを洗って、このお米をたきなさい」
と、いうので、そのとおりにすると、今度はおかまいっぱいに、ホカホカのご飯がたきあがったのです。
「さあ、これでおかずもご飯もできた。三人で、たのしい年忘れの食事をしましょう」
 坊さんにいわれて、おじいさんとおばあさんは、まっ白なご飯とごちそうですばらしい年忘れをしました。
 おなかがいっぱいになると、坊さんが二人にいいました。
「明日はお正月じゃ。もし望みがかなうなら、あなたがたは宝物がほしいかな? それとも、もう一度若くなりたいですかな?」
「はい、わしらはよく話します。二人が出会った十七、八にかえってみたいと」
 おじいさんがそう答えると、お坊さんはたらいにお湯をわかすようにいって、黄色い粉をパラパラとお湯の中に落としました。
「さあ、手をつないでお湯につかってみなされ。そして、十数えてみなされ」
 おじいさんとおばあさんは、言われたとおりにお湯につかりながら、
「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十」
と、十数えると、二人はたちまち若い娘と若者になっていたのです。
 二人が喜んでいると、もう夜が明けてきました。
 娘になったおばあさんが井戸水をくみにいくと、となりの庄屋夫婦がおどろいて、わけをたずねました。
 話をきいて庄屋は、すぐに坊さんを家へひっぱっていき、むりやりごちそうしました。
「わしは夜が明けたら、空へ帰らねばならんのじゃ。早くふろをわかしなさい」
 すぐにおふろをわかすと、坊さんは赤い粉をパラパラとおふろに落としました。
「さあ、もう時間がないから、奥さんも息子さんも、この家で働いておる者も全部一緒に入ってな。十数えてみなされ」
 そういわれて、みんなは大喜びです。
 そして一度におふろに入り、十数えてとびだすと、庄屋さんと奥さんはずるがしこいサル、息子はイヌ、働いている三人の男と女は、ネコとネズミとヤギになっていたという事です。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 肉の日
きょうの誕生花 → ダリア
きょうの誕生日 → 1947年 せんだみつお(タレント)



きょうの日本昔話 → 聞きちがい
きょうの世界昔話 → ハンスとカエルの嫁さん
きょうの日本民話 → 十数えてごらん
きょうのイソップ童話 → 旅人と真実の女神
きょうの江戸小話 → ネギちがい


hukumusume.com サイト一覧


7月28日の日本民話 万蔵とウマ

2010-07-28 07:39:15 | Weblog

福娘童話集 > きょうの日本民話 > 7月の日本民話


7月28日の日本民話


万蔵とウマ



万蔵とウマ
福島県の民話福井県情報


 むかしむかし、小坂峠(こさかとうげ→福島県)のふもとの村に、万蔵(まんぞう)という若い男がいました。
 万蔵は心のやさしい正直者で、毎日のようにウマの背に荷物をのせて峠(とうげ)をこえていました。
 ある日のこと、万蔵はかけごとで大負けをして、大事なウマまでとられてしまいました。
 万蔵が夕暮れの峠の道をのぼっていくと、旅姿(たびすがた)の老人がしょんぼり石にすわっています。
「どうした? じいさん」
 万蔵がわけをたずねると、
「実はお金をつかいはたしてしまい、朝から何も食べておらんのじゃ」
と、いうのです。
「そりゃあ、お気の毒だな。おいらにまかせておきな」
 万蔵は自分が無一文なのも忘れて老人を元気づけると、知りあいの茶屋(ちゃや)へつれていきました。
「ここで二、三日、ゆっくり体を休めていくといい。お金はおいらがなんとかするから。なんでもたくさん食ってな。はやく元気になるんだぞ。なにも心配はいらないから」
 万蔵は老人を茶屋の主人にたのんで、家に帰っていきました。
 そして次の日の朝でかけてみると、またあの老人が、きのうの峠の石にすわっているのです。
 でも今日の老人は、黒毛のたくましいウマを五頭もつれています。
「きのうのお礼に、このウマをさしあげよう。町へいって売りなされ」
 老人は、にこやかにいいました。
「こんなに立派なウマを。・・・あ、あなたさまは、どこのだんなさまで?」
 万蔵がたずねると、老人はニッコリわらって、
「この峠の上の、稲荷大明神(いなりだいみょうじん)のつかいの者じゃ」
と、いって、けむりのようにスーッと消えてしまいました。
 万蔵は老人にいわれたとおり、五頭のウマをひいて町へいきました。
 すると、
「なんともすばらしいウマを、五頭もつれ歩いている男がいる」
と、いう話がお城へ届いて、すぐに殿さまが五頭とも買いあげてくれたのです。
 万蔵は思いがけない大金を手にしましたが、もうかけごとはしようと思いませんでした。
 その大金で峠に稲荷大明神をまつるお堂(どう)をつくってそこにすみ、雪の日や雨の日などに、峠越えで苦しむ人たちを助けはじめたのです。
 ところがある日のこと、お城からたくさんのさむらいがやってきて、
「お殿さまが買いあげたウマが、五頭とも消えてしまった。お前がぬすんで、ほかに売ったのではないのか?」
と、いうではありませんか。
 万蔵は、どうしてよいかわからなくなりました。
 こまった万蔵は、お城にでむいてふしぎな老人と出会ってからの事をぜんぶ話しました。
 すると、万蔵の話をきいた殿さまは、
「お前をうたがってすまぬ。これはきっと、正直でやさしいお前に神がやどったのじゃろう」
と、万蔵をほめたたえという事です。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 第一次世界大戦開戦日
きょうの誕生花 → つゆくさ
きょうの誕生日 → 1978年 矢井田瞳(シンガー)


きょうの新作昔話 → ひょうたんの大入道
きょうの日本昔話 → うば捨て山
きょうの世界昔話 → 人魚のしかえし
きょうの日本民話 → 万蔵とウマ
きょうのイソップ童話 → からいばり
きょうの江戸小話 → とこを取れ


hukumusume.com サイト一覧


7月27日の日本民話 オオカミの恩返し

2010-07-27 07:04:43 | Weblog

福娘童話集 > きょうの日本民話 > 7月の日本民話


7月27日の日本民話


オオカミの恩返し



オオカミの恩返し
大分県の民話大分県情報


♪朗読再生


 むかしむかし、ある山の中の一軒家(いっけんや)に、お母さんと息子がくらしていました。
 二人はひどい貧乏だったので、お母さんも息子も、毎日毎日働きづくめです。
 ある日のま夜中の事、お母さんが急の病(やまい)にかかって苦しんでいました。
 医者は、山の向こうの里にしかいません。
 それに山にはたくさんのオオカミがいるので、夜になると誰も外に出ようとはしません。
 ですが息子は、お母さんの病気を治したい一心で出かけました。
「お願いだ。オオカミよ、どうか出ないでくれ」
 息子は神さまにいのりながら、山道を急ぎましたが、やっぱりオオカミは出てきたのです。
 一匹の大きなオオカミに、まっ赤な目でにらまれた息子は、
「オオカミよ、今だけはおらを食うのをかんべんしてくれ。おっ母さんが病気で苦しんでいるんだ。お医者さまを連れて来ないと。だからたのむ。見逃がしてくれ」
と、言いましたが、オオカミはこっちへ近づいてきます。
「たのむ。お医者さまを連れて来たら、きっと食われに来るから」
 息子は泣いてたのみましたが、オオカミはどんどん近づいてきます。
 オオカミの息が顔にかかったとき、息子は目をつぶって、オオカミに食べられるのを覚悟しました。
 ですが、オオカミはかみついてきません。
(もっ、もしかして、見逃してくれたのか?)
 息子がゆっくりと目を開けると、オオカミはやっぱり目の前にいます。
「ヒエーッ!」
 息子は再び目をつぶりましたが、オオカミはその場にジッとしています。
(どうした? どうして、かみつかないんだ? なにか、言いたいことでもあるのか?)
 不思議に思った息子がオオカミを見ていると、どうもオオカミの様子がおかしいのです。
 舌をベロンと出して、口を大きく開けたまま、何度も頭を下げたり上げたりしています。
 どうも、口にある何かをうったえている様子です。
 息子がオオカミの口の中をのぞいてみると、キラリと光る物がありました。
「おや、のどに骨が刺さっとるぞ」
 息子はオオカミののどに手を入れて、刺さっていた骨を抜いてやりました。
 するとオオカミは何度も何度も頭を下げて、そのまま立ち去っていきました。
 息子は何とか無事に、医者の家をたずねたのですが、医者はオオカミを怖がって、外に出ようとはしません。
 そこで息子は薬だけをもらって、急いで山道を引き返していきました。
 すると今度は、四、五十匹ものオオカミが息子に寄って来て、するどいキバを息子に向けました。
(ああっ、今度こそだめだ。おっ母さん。すまん!)
 息子が覚悟を決めたその時、突然大きなオオカミが飛び込んで来て、取り囲んでいるオオカミに向かってほえました。
 すると息子を取り囲んでいたオオカミたちは、一斉(いっせい)にどこかへ行ってしまいました。
 この大きなオオカミは、さっき息子が骨を抜いてやったオオカミで、オオカミの大将だったのです。
 息子はオオカミの大将に守られながら、無事に家に帰ることが出来ました。
 次の朝、息子が家を出ようとすると、家の前にイノシシやウサギやキジなどの獲物(えもの)が、山のようにつまれています。
 息子はそれをふもとの里に売りに行き、たくさんのお金を手にすることが出来ました。
 また、お母さんの病気もすっかりよくなったので、二人は幸せに暮らすことが出来ました。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → スイカの日
きょうの誕生花 → フィソステギア
きょうの誕生日 → 1930年 高島忠夫(俳優)



きょうの日本昔話 → 犬が寒がらない理由
きょうの世界昔話 → 四色のさかな
きょうの日本民話 → オオカミの恩返し
きょうのイソップ童話 → 金のライオンを見つけた男
きょうの江戸小話 → カニのふんどし


hukumusume.com サイト一覧


7月26日の日本民話 ろくろ首を退治した坊さん

2010-07-26 06:29:51 | Weblog

福娘童話集 > きょうの日本民話 > 7月の日本民話


7月26日の日本民話


ろくろ首を退治した坊さん



ろくろ首を退治した坊さん
山梨県の民話山梨県情報


♪朗読再生


 むかしむかし、回竜(かいりゅう)という旅のお坊さんがいました。
 たまたま甲斐の国(かいのくに→山梨県)へ来たとき、山道の途中で日がくれてしまいました。
「仕方がない。今夜はここで野宿するか」
 回竜は元は名のある侍で、怖い物知らずです。
 ゴロリと道ばたの草の上に寝ころぶと、そのまますぐにいびきをかきはじめました。
 さて、どのくらいねむったでしょう。
「もしもし。もしもし」
と、呼ぶ声に目をさますと、一人の木こりが立っていました。
「お坊さま、こんなところで寝ていてはいけませんよ。この山には人を食う恐ろしい化け物がいて、何人もの旅人がおそわれました。よかったら、わたしたちの小屋へ来ませんか?」
「それはそれは、ご親切に」
 回竜が木こりの後をついていくと、山の中に一軒のそまつな家がたっていました。
 家の中には案内してくれた男のほかに、三人の男と一人の女がいました。
 貧しい身なりをしているのに、どこか礼儀正しくて、とても木こりとは思えません。
 そこで回竜は、思いきってたずねてみました。
「みなさんは、もしかして都の人ではありませんか?」
 すると、一番年上の男が言いました。
「はい。おっしゃる通り、もとは都の侍でした。お恥ずかしいことですが、わけあって人を殺してしまい、家来とともにこうして山の中にくらしながら、自分のおかした罪を反省しているしだいです」
「それは、よくぞ話してくれました。そういうお心なら亡くなった方も、きっとあなたたちを許してくださるでしょう。わたしもお経をあげて、亡くなった方のめいふくを祈りましょう」
 そう言って回竜は夕食をいただいたあと、夜おそくまでお経をよんでいました。
 もうすっかり夜もふけて、となりの部屋からは物音ひとつ聞こえてきません。
「さて、そろそろわたしもねむるとするか」
 回竜は立ちあがって、戸の破れからなにげなくとなりの部屋をのぞきました。
「うん? ・・・これは!」
 回竜は、思わず息を飲み込みました。
 なんと布団の中には、首のない体が五つならんでいるではありませんか。
「さては、人食いお化けにやられたか。お気の毒に」
 回竜は恐ろしさも忘れて、部屋に飛び込みました。
 ところがどこにも血のあとがなく、どの体も動かされた様子がありません。
「おかしいぞ?」
 しばらく考えこんでいた回竜は、ふと、ろくろ首の話を思い出しました。
 首の伸びるろくろ首は、体から首を離して遠くへ散歩にいくといいます。
「さては、あの五人がろくろ首であったか。よし、もう二度と首がもどれないように、こいつらの体をかくしてやろう」
 回竜は床板をはがすと首のない体を次々と下へ投げこみ、もとのように床板をはめて外へ出ました。
 外には生暖かい風がふいていて、その風にのって人の話し声が聞こえてきます。
 回竜がその話し声の方に近づいていくと、五つの首が、あっちへゆらゆら、こっちへゆらゆら、飛びまわりながら話していました。
「あの坊主め、よく太っていて、なかなかうまそうじゃ」
 回竜を案内してきた、木こりのろくろ首が言いました。
「しかし、いつまでもお経を読まれては、近よることもできん。だが、もうだいぶ夜もふけた。今ごろは、すっかり眠り込んでいるはずだ。だれか様子を見てこい」
 一番年上のろくろ首が、言いました。
 すると女のろくろ首が、フワフワと飛んでいったかと思うと、すぐにもどってきました。
「大変です! 坊主の姿が見えません! それに、わたしたちの体がどこにも見あたらないのです!」
「なんだと!」
 一番年上のろくろ首は、みるみる恐ろしい顔になりました。
 髪の毛をさかだてて、歯をむきながら目をつりあげる姿は、さすがの回竜もぞっとするほどです。
「体がなくては死んでしまうぞ。こうなったら、なんとしても坊主を探し出し、八つ裂きにしてくれるわ!」
 五つのろくろ首は、ものすごい顔で火の玉のようにとびかい、回竜を探しはじめました。
 回竜は、じっと木の後ろにかくれていましたが、ついに五つのろくろ首は回竜の姿を見つけ出しました。
「よくも、わしらの正体を見破ったな!」
 五つのろくろ首は、一度に回竜めがけて飛びかかってきます。
 しかし回竜は、近くの木をすごい力で引き抜くと、
「ふん! 昔取った杵柄(きねづか)! きさまら何ぞに負けんぞ!」
と、いきなり、一番年上のろくろ首をたたきおとしました。
「ぎゃーーーっ!」
 ろくろ首は、さけび声をあげて頭から血を流しました。
「さあ、かかってこい!」
 回竜は木をブンブンとふりまわして、ろくろ首を次つぎとたたきのめしていきました。
 回竜にやっつけられた五つのろくろ首は、ふらふら飛びながら暗闇の中に消えていきました。
 回竜が山の家にもどってみると、血だらけになった五つのろくろ首が、白い目をむいて転がっています。
「さても、恐ろしいめにあったものだ。しかしろくろ首とはいえ、もとは人間のはず、成仏せいよ」
 回竜は五つのろくろ首に手をあわせると、夜明けの山道をゆっくりとくだっていきました。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 幽霊の日
きょうの誕生花 → ステファノティス
きょうの誕生日 → 1950年 萩原健一(俳優)


きょうの新作昔話 → 狩りをやめた殿さま
きょうの日本昔話 → 娘の寿命
きょうの世界昔話 → ウサギのお嫁さん
きょうの日本民話 → ろくろ首を退治した坊さん
きょうのイソップ童話 → ペテン師
きょうの江戸小話 → ろうそくちくわ


hukumusume.com サイト一覧


7月25日の日本民話 助けたツルの恩返し

2010-07-25 07:07:49 | Weblog

福娘童話集 > きょうの日本民話 > 7月の日本民話


7月25日の日本民話


助けたツルの恩返し



助けたツルの恩返し
岡山県の民話岡山県情報


 むかしむかし、岡山の瀬戸内海にうかぶ大きな島に、親子の三羽のツルがわたってきました。
 三羽が仲よくエサをついばんでいると、そこへタカが飛んできて子ヅルに襲い掛かり、脚の爪にひっかけて逃げ去ろうとしました。
 ところがタカはバランスを崩して、子ヅルを海へ落としてしまったのです。
 親ヅルたちは必死に海に落ちたわが子をすくおうとしましたが、手だてがありません。
 うろうろしていると、さいわいなことに島の漁師がこれを見ていて、舟を出して子ヅルを助けました。
 そして空へもどしてやろうとしましたが、子ヅルは羽をバタバタさせるばかりです。
「おかしいのう。怪我でもしたのか?」
 漁師は子ヅルをつれて帰ると、庄屋さんのところへ連れていきました。
 庄屋さんは子ヅルを調べて、やがて脚を痛めていることがわかりました。
 庄屋さんは子ヅルをあずかると薬を調合して、添え木などをあてて介抱してやりました。
 そのおかげで一月ばかりすると、子ヅルの脚は治りました。
 ある日の夕方、子ヅルは思いきり羽をひろげて羽ばたきはじめ、親鳥たちがねぐらにしている島へ飛び去っていきました。
 さて、それから三年ほどたった年の正月の事です。
 朝早くから、二羽のツルが庄屋さんの家の上空を舞いつづけていました。
 日中は山の方へ帰っていきましたが、夕方になるとまたやってきて、二度三度、家の上空を舞って去っていきました。
 そこへ、庄屋さんの家で働いている若い男が走りこんできたのです。
 若い男は、にぎっていた十センチばかりの黄色い棒きれのようなものを二本、庄屋さんに見せました。
「なんじゃな、そんなにあわてて。うん? ・・・これは!」
 庄屋さんの顔色が、さっとかわりました。
 棒きれかと思ったものは、万病にきくという、高価な朝鮮人参だったのです。
「こんなもの、どこでひろったんじゃ。朝鮮人参など、島にあるわけがない」
「はい、家の前に落ちていました。そういえば、朝早くから二羽のツルが家の上を何度も舞っていましたから、もしかすると」
 日本にはない朝鮮人参が、そのへんにあるはずはありません。
 若い男がいう通り、朝鮮から海をこえてわたってきたツルが、口にくわえてきたのでしょうか。
 庄屋さんは二本の朝鮮人参を見つめながら、ツルの恩返しに感謝しました。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → かき氷の日
きょうの誕生花 → むぎわらぎく
きょうの誕生日 → 1964年 高島礼子(俳優)



きょうの日本昔話 → 弘法の衣
きょうの世界昔話 → 子どもをうむなべ
きょうの日本民話 → 助けたツルの恩返し
きょうのイソップ童話 → 旅人とクマ
きょうの江戸小話 → 安全水泳法


hukumusume.com サイト一覧


7月24日の日本民話 こぼし石

2010-07-24 07:57:13 | Weblog

福娘童話集 > きょうの日本民話 > 7月の日本民話


7月24日の日本民話


こぼし石



こぼし石
三重県の民話三重県情報


 むかしむかし、普門寺(ふもんじ)という寺に、カッパが住んでいました。
 このカッパはお寺の小坊主よりもずっと小さかったので、「こぼし」という名前が付けられていました。
 このこぼしは髪を長くのばし、頭の上の部分だけはげになっているので、誰が見ても一目でわかります。
 カッパは頭のはげの部分がぬれていて、もしこの頭の水がなくなってしまうと死んでしまうので、いつも海や川に行って泳いでいました。
 さて、この村にはウマを飼っている家が一軒しかありません。
 村の人たちはこの一頭のウマをめずらしがって、たくさんの人が見に来ていました。
 ある日の事、こぼしもウマを見に行きましたが、ウマはこぼしのほうに尻をむけて知らぬ顔をしています。
 そこで、こぼしは、
「なんだ、おれが来たのに知らん顔をするとは、けしからんではないか!」
と、いって怒ると、ウマは、
「なんだ、普門寺に住むカッパか」
と、尻をむけたままいいました。
「そうだ、おれはこぼしだ。少しはこちらをむいたらどうだ」
と、いうなり、ウマのしっぽをつかんで
「このウマのやつめ!」
と、引っぱったので、おこったウマは後ろ足でこぼしをけりつけたのです。
 けられたこぼしは転んだひょうしに、たいせつな頭を地面にぶつけてしまいました。
 するとたちまち、水がポタポタと流れおちます。
 こぼしはあわててお寺へ帰りましたが、頭のくぼみはすっかりこわれてしまい、自分ではなおすことができません。
 こぼしはどうしたらよいだろうと考えているうちに、海岸の遊び場にある、二つの石の事を思いだしました。
 こぼしはこの石をお寺の前まで運んで来て、この石をこわれたくぼみの上に重ねておきますと、たちまち傷はなおって、すっかりもとの頭になっていました。
 これを見ていた、お寺のお坊さんが、
「なんともけっこうな石じゃなあ。これはきっと万病(まんびょう)にきくから、ぜひ一つ残していってくれ」
と、いいました。
 そこでこぼしは、一つはお寺に、もう一つはもとの海岸にかえしました。
 さて、お寺に残された石は、水がなくなりそうになると不思議な事に、
「水がほしい、水がほしい」
と、いうのです。
 この石に頭から水をかけてやると、喜んでお礼をいいました。
 お寺に一つ、海岸に一つあるこの石を、いつの頃からか「こぼし石」と呼ぶようになり、水難よけの守り神として、人々は毎年お礼をいただくようになりました。
 それは、このカッパが石となって、いつまでも生きているからだという事です。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 劇画の日
きょうの誕生花 → すいれん
きょうの誕生日 → 1963年 河合奈保子(歌手)



きょうの日本昔話 → ぶんぶく茶がま
きょうの世界昔話 → リンゴの枝とタンポポ
きょうの日本民話 → こぼし石
きょうのイソップ童話 → 踏みつけられたヘビ
きょうの江戸小話 → ちょうずをまわせ


hukumusume.com サイト一覧


7月23日の日本民話 竜女おすわ

2010-07-23 07:11:35 | Weblog

福娘童話集 > きょうの日本民話 > 7月の日本民話


7月23日の日本民話


竜女おすわ



竜女おすわ
長崎県の民話長崎県情報


 そのむかしむかし、島原(しまばら)のご城下に、杏庵(きょうあん)という若い医者がいました。
 たいへんな親孝行で、母親と二人きりで暮しています。
 ある日、杏庵は薬草をとりに、霊仙岳(うんぜんだけ)のふもとの諏訪(すわ)の池に出かけますと、五、六人のイタズラ小僧が、一匹の大きな白ヘビをいじめています。
 これを見ていた杏庵は、イタズラ小僧をおいはらって、白ヘビを池の中へ逃がしてやりました。
 ある雨の夜、一人の若い娘が、びしょぬれになって杏庵の家ののき下に立っていました。
 杏庵は親切にその娘を家の中に入れて、事情を聞きました。
 すると娘は、シクシク泣きながら、
「長い旅の途中、足にケガをしてしまいました。傷の手当てをしていただけないでしょうか?」
と、たのみました。
 杏庵はさっそく傷の手当てをしてやりましたが、娘はすっかり疲れきった様子です。
 杏庵は母親に相談して、足の傷が治るまで家にとめてやることにしました。
 それから、半月ばかりがすぎました。
 娘はすっかり元気をとりもどし、足の傷も治りました。
 そんなある日の事、
「すっかりお世話になりました。おかげさまで、こんなに元気になりました。このご恩は一生わすれません。事情があって薬代も持ち合わせません。でも、必ずお返しにあがります。わたしの名は、おすわと申します」
と、おすわは帰って行きました。
 その後、杏庵が急な病気でねこんでしまいました。
 母の必死の看病(かんびょう)にも、よくなりません。
 母も、すっかり疲れはてました。
 そこへ、おすわがたずねてきたのです。
 おすわが母親にかわって杏庵の看病をしますと、病気は急によくなり、杏庵は元気になりました。
「あなたはわたしの命の恩人じゃ。よければ、うちにいてくだされ」
 杏庵も母も、美しくて気だてのよいおすわをすっかり気にいりました。
 やがて二人は結婚し、男の子が生まれました。
 その子は、幸太郎(こうたろう)と名づけられました。
 さて、ある夏の暑い日の事です。
 杏庵が外からもどって来ると、とぐろを巻いた(りゅう)が幸太郎におっぱいをのませているのです。
 そして竜は、おすわの姿にかわりました。
 本当の姿を知られたおすわは、幸太郎を残して立ち去って行ったのです。
 幸太郎の手には、キラキラ光る玉がにぎられていました。
 その夜から、諏訪(すわ)の池に地鳴りが続き、ある日とつぜん、雲仙岳(うんぜんだけ)が大爆発を起こしました。
 この地震で外へ飛び出した杏庵は、大空へ苦しげに飛び去る片目の竜を見ました。
 この竜はおすわで、片目は幸太郎の持つ光った玉だったという事です。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 米騒動の日
きょうの誕生花 → ジンジャー
きょうの誕生日 → 1787年 二宮金次郎


きょうの新作昔話 → 平太郎屋敷の化け物
きょうの日本昔話 → なぞなぞ絵てがみ
きょうの世界昔話 → ガチョウ番の少女
きょうの日本民話 → 竜女おすわ
きょうのイソップ童話 → 太陽とカエル
きょうの江戸小話 → ウマのしりにおふだ


hukumusume.com サイト一覧