翡翠色 オパール色 風の声

おひとりさまの人生 感じて 考えて 味わって(?)
草花とメダカに癒され生きています

水曜 ロード 賞 後編

2009-12-24 | 本と映画と音楽とTV
        ブログ「水曜ロード賞 前編」の続きです。




 沈まぬ太陽

御巣鷹山の墜落事故を題材にした、山崎豊子さんの小説の映画化。
あの事故をリアルタイムで観ている世代としては、興味深く、とても心痛く、
よく再現されていたと思います。
社内の派閥抗争も、いかにもありそうな話で、どこか迄は実話なんだろうなと思いながら観ていました。

主役は渡辺謙さんなのですが、脇役の香川照之さんの演技が素晴らしく、
それがとても印象に残っています。渡辺さんのヅラにも、随分目が行ってしまいましたが・・・
墜落事故の再現と言い、世界各地でのロケと言い、豪華な俳優陣と言い、角川映画らしい予算!?


 サイドウェイズ

これ、好きな作品です。人生の半ばに差しかかって、少しより道をしてみると、
本当に自分がやりたかった事が見えて来る・・・まさにアラフィーの映画。
オール・アメリカロケで、スタッフも現地。ナパ・バレーの空気感は伝わって来ました。
ただ、台詞を間違えている所が、そのまま編集されちゃっていましたけどね。

大好きな小日向文世さん、相方に生瀬勝久さん、これはいいキャスティング。
しかし、女性2人は、上手いけれど、役のイメージと違う気がしました。
鈴木京香さんはゴージャス過ぎるし、菊池凛子さんは他の出演者を圧倒する顔の大きさで、
今撮影しているであろう「ノルウェイの森」の事が、心配になりました。


 マイケル・ジャクソン THIS IS IT

これは前のブログでも、熱くなっておりましたが、今だにその熱が続いております。
マイケルの姿や言葉から、とても素晴らしいメッセージが、沢山心に打ち込まれた気がします。
この作品に、こんなにも心を鷲掴みにされるなんて、思ってもみませんでした。
また、映画館のサウンドシステムの中で観るべき映画でした。行って、大正解!


 ゼロの焦点

私の中で、日本映画で3本の指に入る作品に「砂の器(1974) 」があるのですが、
松本清張氏の原作という事で、期待して観に行きました。
哀しい時代を引きずって生きている人を描かせたら、松本清張氏は群を抜いていますね。

日本映画の大作という事で、近い時期に観た「沈まぬ太陽」と比較してしまいましたが、
映画職人の仕事を感じられる骨太作品のように思え、こちらの方がオススメかな。

中谷美紀さんと木村多江さん、いい女優さんも世代交代になったと思わせてくれました。
特に、木村多江さんの上手さ、彼女の演技を観るだけでも、この映画を観る価値があります。


 Disney’s クリスマス・キャロル

3D版と、普通版と公開されているのですが、吹き替えしか3Dはなかったので、普通版を観ました。
それでも、3Dを意識して作っているので、奥行き感は結構あります。
全編、ディズニーランドのアトラクションに乗って、飛び回っているような感覚でした。
ちょっとした乗り物酔い!?

ストーリーはディケンズの原作で、善行のすばらしさを説いた教訓的なものなのですが、
この映画、果たして誰が観るのを想定して作っているのか、疑問になりました。
キャラクターがかなり怖くて、小さな子供が観るには、ホラーチック。
大人が観るには、ストーリーが読めてしまって物足りないかな、という感じ。
それでも、ロバート・ゼメキス監督だから、あの原作を、ここまでエンターテイメントに作れたと言うべきかも。
ジム・キャリー、面影があるような、ないような、実写をアニメ調にしている技術は目新しいです。


 2012

ネットの評判があまりよくなかったのですが、まぁ、そうそうハズレないだろうと思って行ったら、
娯楽作品としては、伏線も効いていて、しっかり楽しめました。
これまでの、ローランド・エメリッヒ監督の作品の中では、ワンランク上かな。

マグマの活性化で、これでもか、これでもか、という位、地球が破壊されて行くCGは圧巻。
そして、人類が生き残るべく未来版「ノアの箱船」に誰が乗るかの攻防。
アメリカ映画らしい「展開の出来過ぎ感」はありますが、ストーリーも意外とちゃんとしていました。
近く公開になる「宇宙戦艦ヤマト」とコンセプトが被るんでしょうけれど、
たぶんこの作品の方が、いいんだろうなーと、根拠無く思ったりして。
あと「ポセイドン・アドベンチャー」のような面白さだなとも思いました。


 カールじいさんの空飛ぶ家 3D

初めて3Dの眼鏡をかけて観た映画です。近眼の為、眼鏡の上に、また3D眼鏡。。。
字幕を読む為には、もっと前の席に座って眼鏡をかけないか、吹き替え版を観るべきだと、学習いたしました。
お気に入りの「モンスターズ・インク」の監督だし、評判も上々なので観に行ったのですが、
(と言うか、時間的に丁度あうのがこれしかなかった) どうもイマイチでした。で、ちょっと

似たようなテーマでは、「つみきのいえ」の方が、心にぐっと気ました。
「クリスマス・キャロル」もそうですが、この手のアニメは、キャラクターが可愛くないと、
楽しさ半減なような。
でも、お子さんが観るには、家が風船で飛んでしまうのですから、楽しめるかと思います。


 アバター 3D

これは、何度も予告篇を観て、すごーく楽しみにしていました。
しっかり予約、しっかり初日に行って来ましたよ。眼鏡も薄めのを持って行きました。
これは3Dで観る甲斐のある、美しく、迫力に溢れた、本当にものすごい大作でした。
スターウォーズ以来の、20年に1本の娯楽大作と、どこかで言っていましたが、まさにその通り。

この作品に出てくる青い異星人は、移民達によって迫害をうけたネイティブ・アメリカンを
モデルにしていると思われ、武力による制圧の非人道さや、経済的欲望をみたすための環境破壊など、
現代社会と重なる部分が、ストーリーにテーマとして組み込まれていて、深い内容です。
完全に、アメリカ人の自虐的な作品。

そうそう、この映画、きっとジェームス・キャメロン監督は、
宮崎駿さんの影響をいっぱい受けているのだろうと推測致します。
「風の谷のナウシカ」と「もののけ姫」を足した、豪華実写&CG映画とでも言いましょうか。

とにかく、この年末年始の観るべきイチオシ映画はコレですね!!
きっと来年のアカデミー賞、穫っちゃうような気がするなー・・・


                


まだまだ観そこねた作品や、大画面でなくてもDVDになったら必ず観ようと思っている作品も沢山ありますが、
とりあえず翠の勝手にアカデミー賞を決めるとすると・・・・と、ずっと考えておりました。

「アバター」を見るまでは、「チェンジリング」か「グラン・トリノ」で迷っていたのですが、
「アバター」は映像・ストーリーともに圧倒的で、頭を混乱させております。
しかし、スケール感があり、心にずっしり来た見ごたえのある作品という意味では、
最優秀作品賞は「チェンジリング」と致します。
気づけば、「チェンジリング」も「グラン・トリノ」も、監督はクリント・イーストウッド、
凄過ぎるパワーです!


あと、“映画館で楽しまなくちゃね賞”として、「天使と悪魔」「THIS IS IT」「2012」「アバター」を
挙げておきます。

かつては、ハリウッド大作に背を向け、イタリアや中国など、ミニ・シアター作品が好きで観ていましたが、
こうしてみると、ハリウッド作品に、だいぶ力が戻って来たように思えます。
アレルギー気味だったCGも、ここまで来たら、作り物の迫力だって脱帽ものです。

本当に、映画は素晴らしい!!!!


さて、最近は夕方になると頭痛がして、サボり気味のブログですが、これが年内最後のアップになると思います。
今年も立ち寄って下さった皆様、どうもありがとうございました。
来年も、思いついた事、ぼちぼちやって行きますので、遊んでやって下さいね。

メリークリスマス!   よいお年を~!


グラン・トリノ - 胸にしみ入る曲。こういう作品は、後になって良さが効いて来るのです。




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10 コメント

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すごい♪ (げっくん)
2009-12-24 15:34:34
さすが翠さん。
映画を見に行く前に
ここを見て翠さんの感想を参考にしましょう。

「アバター」見てみたいです。
平凡な毎日なので
ちょっとドキドキしたいかなw
ドキドキ映画は映画館で見るのが好きです。
涙誘う映画は自宅で見ます。
恥ずかしいし(汗)
家族みんな泣き上戸なので安心です♪

今年も1年お世話になりました。
来年も互いにいい年になりますように♪
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エクセレント! (るちぃる)
2009-12-24 21:23:36
まるでプロのライターが趣味で書かれている様なブログで、
もはや作品ですね。
前回のマイケルジャクソンのブログも、あまりに素晴らしくて、
一読者として拝見させて頂いておりました。。。

水曜日は、収穫デーだったんですね。話題の大作の殆どがズラリ。すごい!
こうして”物より思い出”の「翠さん」が創られて来たんですね。。。

今年も、大変楽しませて頂きました。
(途中、体調面やご親族の方のお話もあり、心身共にお忙しい日々だったと推測されます。)
絵画や音楽や映画の事、翠さんならではの視点に、
また刺激を受けました。

来年も、勝手に楽しみにしていま~す



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少し古いですが。 (原村)
2009-12-24 22:53:08
翠さん、メリー・クリスマス。

ショーン・ペンのミルクの記事を読んで。
きかん坊と言うかマスコミに叩かれることの多いペンですが、大好きな俳優です。

少し古い映画ですが、Racing with the Moon.
が大好きです。
第二次世界大戦直前から戦中にかけての青春です。
ショーンとエリザベス・マクガヴァン演じる恋愛感情には胸が詰まりました。
ニコラス・ケイジの無責任な青年像。

戦場に旅たつ最後も日本映画とは異なりカラットしていましたが、心揺さぶられました。
機会があれば是非ご覧になってみてください。
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アバター! (やく)
2009-12-26 19:08:07
今にも行きたいのになかなか時間が取れません。
見たいです、アバター3D。
それにしても久しぶりにどこよりも充実した映画コメントを見せていただき感動です。
個人的に今年は、落ち込むこともあって映画を見る気がうせた時期もあったのですが、
また映画への気持ちに火がついたかも。
「薔薇の名前」、暗い映画でしたが天使と悪魔に通づるものが確かにありますね。

落ち込みからもう抜け出られるかと思ったら、
さらに先日はパソコンを壊してしまい、思わぬ出費にまた落ち込み気味。
ほかのパソコンからコメントしていますが、不便な年末年始になりそうです。
来年の運気上昇を祈るのみ!
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素敵だわ♪ (早紀)
2009-12-26 22:41:11
 うわ~たくさん冒険しましたね、ステキだわ。

アバター、私も見たいと思っていました。
キャメロン監督は素晴らしいですものね。

映画ってパワーをもらえますよね、凝縮された力が入っているから。
あ~私も映画館に行きたいなあ~

近所にないのが、辛いです・・・
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Unknown (くーちゃん)
2009-12-27 06:24:09
翠さんの映画コメントはとても読みやすくわかりやすいです。
これから映画を見る参考になります。

今年もgooを通して大変お世話になりました。
読みやすい文章、素敵な写真のセンスなど
いつも翠さんのブログは楽しみでした。
翠さんの文章はいつも吸い込まれてしまいます。

来年もよろしくお願いいたします。
良いお年をお過ごしください。
返信する
2009年、こちらのブログにコメントを頂き、ありがとうございました! (翠のお返事)
2009-12-30 13:43:15
みなさん、お返事が遅くなり、申し訳ありません

 げっくん、こんにちは!

映画館で激しく泣いた事はないですが、明るくなってからが、
ちょっと気まずいですね。
グラントリノは、大人の男の人の方が、ぐっときそうな映画です。
げっくんには、ぜひ観て欲しい1本。
家族で泣いてしまうの、げっくんだけだったりして。

アバターは、げっくんのお子さん位なら、内容理解できるかも。
面倒な事は忘れて、別世界へ飛んで下さ~い!

今年1年、たのしいおしゃべり、ありがとうね!
あー、げっくん家の一員になりたいわ。


るちぃるさん、こんにちは!

物より思い出! まさに、このブログを書きながら思っていたのは、その事でした。

薄れいく記憶を思い返して、その感動を楽しめるようにと、
いいたい放題のマヌケな内容でお恥ずかしい限りですけれど、
ちょっと作文してみました。

今年は、なんとなくダークトーンのブログ記事が並んでしまいましたので、
来年はもうちょっと楽しい事をかけたらなと思っています。
まずは、自分が人生楽しまなくちゃね。
また、おマヌケブログにおつきあいの程を!

るちぃるさんと、色々な思いを語り合えて、とても心が温まりました。
ありがとうね。


 原村さん、こんにちは!

ショーン・ペンを特に意識し出したのは、I am Sam以来ですが、
まったく違う役所でも演じ切ってしまう、しかも、とびきり上手く、魅力的に・・・
ホント、凄いです。
Racing with the Moon、チェックしてみますね。

ブログ、ひとことと、言いたい放題の私に、真摯におつきあい下さり、ありがとうございました。
原村さんの存在は貴重でしたよ。


 やくさん、こんにちは!

私もやくさんにいい刺激を受けて、映画館に度々足を運んだ事は間違いなく事実ですよ。
やくさんも、色々とあったのですね。
力のある映画は、ひと時、別の世界へ連れて行ってくれるので、これも1つの癒しでしょうかね。

アバターの極彩色の世界は、すごく非日常的でよいですよ。
ストーリーも厚みがあり、単なるエンターテイメントで終わっていない所が、
一番凄いところかと思いました。

やくさんのブログやHPには、役立つ情報満載で、度々、見返させていただきました。
ありがとうございました。
来年は、心穏やかな年でありますように。


 早紀さん、こんにちは!

そう、そう! あっちこっちの世界を覗いて来ましたよ!

知り合いに何人か映画関係の人がいますが、
観る側が思うより遥かに力をこめて作品を作っていますね。
そのパワーを吸収して、観る方も元気になるのですね。

今年一番、パワーを感じた作品は、THIS IS ITでした。
マイケルの魂の力が、そこに転化されたかのように。

早紀さんの、ステキなお話、おいしそうなブログ、沢山の楽しみをありがとうございました。


 くーちゃん、こんにちは!

大変な時にコメントをありがとう。
映画にしても、TVにしても、頭も心もパンクしそうな時、
少しの間、別の世界に誘ってくれるという事を覚えておくと、
気持ちの切り替えにとても役に立ちます。
くーちゃんも、お母様の事で一瞬も気をぬけないのだと思いますが、
時々、強制的に気分転換をして、身体の中の空気を一新するのもいいかも知れませんよ。

くーちゃんとネットでお話すると、心が柔らかくなる感じがして、
とてもありがたかったです。
ホント、ありがとうね。

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Unknown (peko)
2009-12-31 06:12:47
沢山見ましたね~
私もチェンジリング、グラン・トリノはどちらも心に残る映画です!
ウィルスミスの7poundsという映画はご覧になりましたか?
とてつもなく切ない映画なのですが、とても引き込まれました。
アバターとthis is itは見なきゃですね!

来年もよろしくお願いします♪ よいお年をお迎えください☆
返信する
ありがとうございました。 (原村)
2009-12-31 23:14:12
あと、一時間を切りました。
今年はお世話になりました。
来年も宜しくお願いいたします。

来年が幸多き年でありますようお祈り申し上げます。
返信する
コメント、ありがとうございます! (翠のお返事)
2010-01-02 13:43:17
pekoさん、あけましておめでとうございます!

昨年末、映像関係者の忘年会に参加したのですが、
2009年のイチオシ映画は、グラントリノとチェンジリングが
圧倒的な人気でした。
派手ではないのに、どちらもいい作品でしたよね。

「7 pounds」は観ていないので、予告をチェックしたのですが、
とてもよさそうな作品ですね。
「The Pursuit of Happynes」はボロ泣きしちゃいましたし、
かなり期待できます。DVDチェックしなくちゃ!

今年も宜しくお願いいたします


原村さん、あけましておめでとうございます!

今年程、切実によい年になって欲しいと思った年はないように思います。
みんな、ふんばりどころですね。
ゆるやかでも、上向きに行く事を、願いつつ・・・
今年も宜しくお願い致します。
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