さて、9月に始まったモンゴルの学校、6月から年度間の長ーい夏休みに入るので、もうすぐ今年度も終わり。
学校での活動以外に、2か月に2回、県の教育局で、市内の先生達に向けてセミナーをやってきた。
1年生から5年生の先生達に、ひと学年2回、計10回。
市内の小学校で担任をしているすべての先生に会うことができた。
先生達の、普段、子どもたちの前では見せない、可愛い姿をいっぱい見ることができた。実際に活動をさせるとキャッキャッと子どものように言って取り組む先生達。「これで合ってる?どう?どう?」と子どものように聞いてくる先生達。
私たちが紹介したことを学校に戻って実践してくれてる様子が見られたり、話に聞いたりし、嬉しくなった。
今まで自分たちがやってきた方法とは違った方法や新しいことを取り入れるのはそんなに容易じゃないはず。でもドルノド県の先生達は素直にそれらを取り入れようとしている。いろんなことを試してやってみようという人たちが多い気がする。だから、私たちもできる限りのことを伝えたいなと思った。
そんな今までのセミナーのきろくを忘れないようにかいつまんで残しておこう。と、思う。
私たちのセミナーの流れは、いつも理科(図工・算数)とは・・・と一番伝えたいことをパワーポイントを使って話して、その間や後に実際に先生達に活動をしてもらうといった流れ。
写真はその先生達にしてもらった活動が主です。
10月、初めてのセミナー。すごく緊張した。言葉にも自信がないし、今思うと、一番準備を入念にしたセミナーだったな・・・。
第一回 5年生理科。実験や観察をする授業の過程について説明し、実際に授業をした。
空気は温められるとどうなる?実験方法を先生が示すんじゃなくて、どうしたら確かめられるか、子どもたちが自分たちで考えるんだよ、とか。
第二回 5年生、図工。当日、熱を出してしまい、私は行けず・・・同期の子、一人でやることに。ごめんね・・・。
第三回 4年生、理科 内容は5年生と同じ。暖められた空気は、上に行くのか、膨らんでるのか。どうしたらわかる??
第4回 4年生、図工。
これは、何も考えずひいた線の形から、どんな動物を見つけられるかな??線という材料から想像力を働かせて表現する方法。
可愛い作品いっぱいでした。
クレヨン、絵の具、色鉛筆などを使ってのいろんな表現方法を紹介。
形を置いてスポンジポンポンしたり。5つの方法を紹介して、そのあと、紹介した方法を使って、自分の想像する「恋」を表現してもらった。
第5回 1年生 算数。
発達段階に沿ってやっていくことの大切さ。
日本では誰もが1年生でやったことある、計算カードでゲームとか。先生達には新しい経験で、興味津々、熱中してました。
楽しみながら自然に身につくって大事。
繰り下がりの引き算。いきなり数字じゃなくて、絵やブロックで示してあげること、これも大事。
1時間かけて一つの問題をみんなで一緒に解き方を考える授業はいままでほとんどされていなかったようです。
熱心に写真撮ってました。
第6回 1年生 図工。いろんな音が鳴る!と、遊んでみてから、世界に一つだけの楽器を作りました。
作りたいものを頭の中に描いてから材料を自分で選んで物を作る。
楽しそう。
第7回 3年生 図工。
図工の授業は、一人で一つの物を作るばっかりじゃなくて、友達と話し合って一緒に作る活動だっていい。
並べてみて、想像力を膨らませて・・・
これもおおしろかったなあ。お話から想像力を膨らませる活動。
ぐりとぐらをモンゴル訳したお話を読聞いて、一番心に残った場面、好きな場面を想像して描く。
ぐりとぐらの絵を見てないので、いろんなぐりとぐらがいておもしろい。
でも・・・このぐりとぐらは・・・??野ねずみのはずが人間に変わってる・・・こわい(笑)
グループでつくってる班もあった。
ぐりとぐらが・・・ミッキーとミニーに・・・(笑)
可愛い作品がたくさんできあがりました。
第8回 3年生 理科。
残念ながら写真がない・・・。4年生から始まる理科、実験や観察の過程を説明し、光と影の単元の授業をした。
第9回 2年生 図工
これは前の重ねて並べて・・・と同じ。宇宙人だそう。
洗剤、絵の具、水を入れてあわぶくぶく。
できた泡の形から想像してみよう。
そしてやっと、今年度最後~~第10回 2年生 算数。
計算棒を使って、繰り下がりのある筆算の解き方を考える方法を紹介。
子どもたちの手元にも計算棒があって、何度も何度も自分たちで操作して、やっと頭の中で計算の意味がわかる。
長さも。教室の長さをCMだけで測ったら・・・・大変・・・正確に測れない・・・
だから、メートルが必要なんだね!こういう経験をたくさんさせて量感を身に付けていく。などなど。
こうやって載せてみると、少し同じ内容を組み合わせたものもあるけど、全10回、いろいろやったな、と思う。
確実に言えるのは、一人ではぜーったいできなかった。
最初、教育局の小学校担当のボマからその話をされたのは赴任したばかりの9月。
言葉もまだぜんぜんわからないのにいきなりセミナーなんて・・・と思った。
でも同じ任地の同じ職種の仲間と一緒にということはかなり心強く、二人だから「がんばってやってみようか」となった。
お互い配属先の学校での活動がある中、月1回、もしくは2回のセミナーの準備をするのは容易ではなかった。平日は学校での授業があるから、二人で準備できる時間はなく、学校が休みの土曜、日曜日が準備の日になった。
こうして二人で何日間かかけてセミナーの準備してる時間、お互いの考えを共有したり、いろいろ調べたりしてる時間、すごく勉強になってるよね。日本帰ったらこの経験が役立つと思う。と、同期の子と最近よく話す。(そう言い聞かせてがんばってたってのもあるが・・・)
話してると、千葉と神戸の学校でもちょっと違うところがあったりもして、おもしろいし、新しい発見がある。
語学が堪能で、普段から努力を惜しまず教材をいろいろ作っている同期の彼女から学ぶこと多く、どれだけ助けられたか・・。ほんとにありがとう。
来年度はひと学年、一回ずつしかできないけど、また、先生達との出会いを楽しんで、実り多い研修ができたらいいな。
とはいっても、いままで「ああ、セミナーの準備しなきゃ~・・・」と思う日が多かった日々から、ほんの3か月だけど解放されると思うとちょっと、ほっとしている。
夏休み、たっぷり充電して、またがんばろう。