見上げてごらんモンゴルの星を☆

2013年7月~1年9か月のmongolian生活

新築祝い

2014-11-04 23:08:27 | 遊牧民

チョイバルサンから車で2時間ほどの遊牧民の友達の家に2泊3日で泊まりに行った。

学校の先生の親戚の遊牧民で、年も私たちと近い夫婦。

前回春に行ったとき、「外国人を見るのも、外国人と話すのも、産まれて初めて」と言って喜んでくれ、その後もしょっちゅう「またおいで~」と電話が来て、田舎からチョイバルサンに来た時には一緒に飲んだりカラオケに行ったりした。

「今回新しいゲル(モンゴル式の家)を建ててそのお祝いをするからおいで」と誘ってもらった。

 

金曜日、仕事が終わってから夜10時ごろ出発。チョイバルサンにおじいちゃん、おばあちゃんと住んで学校と幼稚園に通っている2人の子どもを連れて出発。お父さんお母さんと会うのは夏休み以来、2か月ぶりの2人。こうやって両親と離れて暮らす遊牧民の子はわりと多いと思う。

0時ごろ、草原の真ん中にあるゲル(家)に到着。いつも思うが、このまっ暗闇で道もない中、よく自分の家が分かるなあ、、、

車の中で寝てたのと、久しぶりにお母さんお父さんに会えて甘えているのとで、子どもたちはなぜか興奮。きゃあきゃあ騒ぎ、怒られ、1時過ぎに就寝。家族、知り合いのおじさん、知り合いの青年、家族四人、私たち日本人、計8人で一つのゲルの中で寝る。着替えももちろん同じゲル内でする。

寝る前にトイレに外に出たときの星空の美しさ。何度見ても感動する。

 

 

翌朝。起きて外に出ると、

 

ゲルの前に羊ちゃんが・・・。

 

 

 

命を

 

頂く。

 

 

 

牛さんの顔も、寒さで凍っております。

 

 

子どもたちは朝から元気いっぱい

 

おかあさんに靴下履かせてもらってる5歳児が、

 

馬に乗り、巧みに操る。

春は、一人で遠くに行くんじゃない!と言われていた、サイハナー(5歳児)、一人で牛を移動させることができるまで成長。子どもの成長ってすごい。

 

 

そしてこれがウランバートルから買ってきた、新築のゲル

家の中をご紹介~。

 

 

入口と食器棚兼キッチン

 

ベッド

 

 

正面。神棚。

前にあげた、春に私たちが行ったときに撮った写真も飾っていてくれました。

 

さすが、家具もすべて首都で買ってきただけあってゴイ!!(モンゴル語で素敵!いい!的な意味でなんでも使える)

ゲルの柱や天井など細部にも綺麗な模様が描かれていました。

 

そして、日曜日のお祝いのため、土曜日は一日、準備を手伝いました。

 

 

モンゴルのお菓子、ボールツォグ。小麦粉、牛乳、バター、砂糖、イーストを混ぜて少しおいて、形を作って揚げる。

 

子どもたちと遊びながら、いろんな形作った。ドーナツ型などなど。

 

普段、スーパーで売っているボールツォグは油っこくて、好んで食べないけど、手作り揚げたてのボールツォグは絶品でした。

 

搾りたての牛乳から作る乳製品、ツツギー(日本でいう、クロテッドクリーム)をつけて食べるとこれまた最高。

 

ここの家庭は、ブリヤート族。ブリヤート人は家でパンも焼く。

そしてこれをブリヤートパンと言います。どっしりしていて中身はけっこうもちもちで美味しい。

 

 

そしてこれはウルムと言って、これまた美味しいクリームになる。

搾りたての牛乳に少し小麦粉を入れて、高い位置から何度も落とす。あわあわになる。

翌朝膜が張って、中身はとろとろ、美味しいクリームに。パンにつけて食べる。

 

この日の夜は、豚を買いに行くついでに、村の公民館みたいなところでコンサートをきいた。7時から始まると聞いて会場に入るも、待てど暮らせど始まらず、結局9時ごろ始まるが、子どもたちは始まって早々に寝ちゃって、あんなに興奮していたムヌー(母)も、寒いよね~。帰る~?とか言って、3,4曲聞いたところで会場を後にする・・・。何ともシュールなじかんでした。

 

 

そんでもって、この日の夜はこの冬(モンゴル人はまだ秋だと言い張るが)一番の冷え込みで。

コンサートで芯まで冷えた体。

ゲルの中も寒くて、

 

 

寒くて、

 

 

 

 

 

 

寒くて・・・・。

 

 

 

ろくに眠れなかった・・・。

 

 

モンゴル人はみんな構わず寝てたけど・・・。

 

 

朝方、温度計を見たら、5℃になってた。部屋の中が5℃って・・・。

 

遊牧民の生活って、大変です。

 

 

みんなは何食わぬ顔して起き、飼っている馬を探しに行ったり、牛の乳を搾ったり、家畜の糞を集めたり、水を汲んだり、家畜にエサをやったり、そのたもろもろ、朝からそれぞれの仕事にせっせと取りかかります。ブリヤート人は、働き者な部族だとよく言われているが、ホントにその通りだ。

 

 

何やら仔牛を捕まえてなんかしているぞと思ったら、

 

雄牛の去勢をしてました。

 

雄牛は去勢をしないと、肉が雄臭く(男臭く?)なってしまうのと、あとあと気が荒くなって扱いにくくなってしまうので、繁殖予定のない牛はみんな去勢しないと、だそうです。

 

 

 

切り取った精巣は、あとで茹でて、男たちが食べてました。

 

 

昨晩買ってきて、皮を焼いた豚さん。(つるつる滑る豚さんを立たせて楽しむ夫婦)

 

解体して、茹でます。

 

いいスープが出ますな。帰る際、この一匹まるごと豚骨スープをもらってかえりました。

 

 

 

さて、いよいよ今回のお祝いの目玉、馬に焼印を押すイベントが始まった。

 

村の男たちが数人集まってきて、みんなで焼印を押す新入りの馬を捕まえる。

首に縄を投げてひっかけ、嫌がって逃げようとする馬をうまく捕まえる。相当な力と技術が必要。

 

押さえつけて焼印を押す。仕事というよりかは、週末の男たちの遊びという方が近い。楽しんでやっているが、迫力もある。

村の男たちの遊び。なんて健全な遊びだろう。

 

男たちが外で焼印している間、家の中ではごちそうができてきた。ムヌーと一緒に、いろんなサラダも作った。

 

 

遊牧民奥さんのムヌー。今どきの遊牧民はこんなにも可愛い。

 

隣のお家(って言っても見えないけど・・・)の奥さんと。

 

今回、2泊3日で家族、親戚、ご近所さん、村の人たちとも会わせてもらって、ほっこり、暖かな気持ちにさせてもらった。

この家族がますます好きになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

物の豊かさと心の豊かさは比例しないということ、

 

 

 

 

 

 

 

小さなゲルの中で、家族も知り合いも客人も寝食を共にできることがモンゴル人の人と人の近さに繋がっているのかもしれないということ、

 

 

 

 

 

生き物を大事に育て、自ら解体して食すところを見て、肉を食べるということは、命をいただいているのだということを感じた。

 

日本に帰っても、今感じてるこの感覚、忘れたくないな。(スーパーで細かくパックに分けられ、ラップされてる肉を買うとき、思い出します・・)

 

 

 

 

そして可愛いこの子達に会いに、

 

 

 

 

また来たい!!!

 

 


ついに、満天の星空を・・・☆

2013-08-25 21:58:40 | 遊牧民

夏休み最後の週末、「田舎に行きたいでしょ?」と、同僚に誘われ、親戚の遊牧民の暮らすゲルに2日間、泊まった。

 

チョイバルサンから一歩出ると、果てしなく草原が続く。もう草が黄色く色づいていて、夕日に照らされると黄金色に輝いてきれいだった。羊、うま、牛ヤギの群れ、また、野生のガゼルの群れまで間近で見ることができた。

     

   

夜に着いたのにもかかわらず、あったかいスーテイツァイと、パンにウルム(牛乳を沸かしたものの上澄み)そして、塩ゆでした大量の羊肉でもてなしてくれた。

 

トイレはもちろん草原。

夜、寝る前にトイレに外に出た時の星といったら・・・

ついに!!!念願の満天の星空を何にもない草原のど真ん中で見ることができた。

360度、しかも、地平線のところまで星がちりばめられていて、どれがカシオペア座かがよくわからないほどの星の数。

そんな信じられないような光景を見上げながら、用を足す・・・。

 

気持ちよすぎ。

 

 

4人家族(父、母、子ども2人)でベットは2つ。来客4人に「ベットを使ってね」と言い、自分たちは床で寝る。なんとも申し訳ないなぁ・・・と思いながらも、好意に甘えて、ベットで寝させてもらうことに。1つの家、1つの部屋に8人で寝る。なんだかほわんと、幸せな気分になれた。

起きたらお母さんが朝ごはんを作ってくれていた。スーテイツァイの中にお米とウルムとアーロールが入っている。朝から心も体もあったまる。

 

   

 

   

 

草原から少し離れた村の親戚にあいさつ回り。

どこからともなく草原にラクダが現れる・・・。

    

写真が縦にならん・・・。

   

 

 

そして、山羊の「ボードグ」という料理を見せてくれることに。

大事な大事な山羊の中から選ばれた1匹の山羊。

まずはどうやって絞めるのかと思いきや、金づちで2回頭を叩いて気絶させた。

さあ、どうやって料理しようか、男たちが会議中。近所(と言っても家は見えないほど遠いがそれでも近所)の人も集まってきた。

   

血はあまり出ない。そして、無駄になるところはひとつもない。内臓もすべてきれいに洗って使う。

 

そして、山羊の皮と毛だけになったもの(袋)の中にあらかじめ焼いておいた石、切り分けた肉、ジャガイモ玉ねぎなどをぼんぼん入れていく。

入れたらお尻の部分をひもで縛る。

山羊からもくもく煙が出てくる。男の中の男の料理。

ここからが地道な作業。ガスバーナーで山羊の毛を焼き、焦げた部分を削ってはがす。これを何度も何度も繰り返す。30回以上はやってたな・・。

毛がほとんどなくなったら水で洗い、また焼くと、皮がてかてかしてくる。皮も食べるんだ~!と、ここでわかる。

 

出来上がったころにはどこからともなく近所の人がもっとぞろぞろあつまってきて、みんなで山羊の肉を囲む。

お腹を開いたら、大人も子供も勢いよく肉をとり、みんなで食べる。

私も恐る恐る山羊を食べてみたら、なんとも美味しかった。

さっきまで生きてた山羊を、そして、自分たちが大事に育ててきた山羊を、手間をかけて料理して、親戚近所みんなで囲んで食べる。

 

二日目には、恥ずかしがり屋の子どもたちとも仲良くなり、よく一緒に遊んだ。

 

 

物が溢れているところから来た人間からすると、家族4人が暮らす家にしては物がすごく少ないように見えるが、この遊牧民の人たちはそうは思っていないだろう。生活に必要なものはある。そして、不必要なものがない。

逆に、物が溢れているところに無い物がここにはある。家族や親戚、近所との距離がとても近くて深い気がした。

 

 

朝4時半。日の出が美しすぎた。日が昇る前に毎日お母さんは牛の乳を搾る。

 

 

夜明けとともに地平線から虹が天に伸びていく。

 

モンゴルの大自然を満喫し、家族のあたたかさ、遊牧民のたくましさを感じることができた3日間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 


遊牧民生活~малчин амьдрал~

2013-07-12 23:01:03 | 遊牧民

ナーダム2日目、ウランバートルからバス、タクシーと乗り継ぎ約2時間、遊牧民が生活する草原に行った。

草原に行くと、迎えに来てくれたのは、モンゴルで遊牧民生活をしている、ちかさんという方で、最初にモンゴルに上陸してから約20年近くたっている方。

最初はちかさんとは気付かず・・・モンゴルの民族衣装(デール)を着て、バイクにまたがって登場。

 

 しかもモンゴル語ペラペラ。丸一日、遊牧民生活を体験させてもらい、モンゴルについての話をたくさん聞いた。

まず、ゲルにおじゃますると、スーテイツァイ(塩入りミルクティーのようなもの)をいただいた。

 

部屋の中にはオオカミの毛皮 テレビもある

 

テレビのアンテナ

太陽光発電 

アーロール(牛乳を絞って干して固めたもの・・・だったっけかな??)ちょっと酸っぱいチーズみたいな感じ

そして、念願の馬乳酒をいただいた。想像してたのを遥かに超えておいしく、ぐびぐび飲んで・・・ゲルで寝てました。

馬にものせてもらった♪

ムギーさんにはおいしい食事も作ってもらい、もう、至れり尽くせり。ちかさんからは、飼っていた羊をよくない羊とすり替えられてた話や、遊牧民の奥さんがでていってしまった話、カップルの相談にのってる話など、最近の遊牧民事情も聞けて、どこもいろいろあるんだなあと思った。

一番テンションが上がったのは、「チョイバルサンの草原なんてここの比じゃないからね」と言われたとき!!

ここ、ゴルドックに来て、夢の中のようだ・・・と感動していたのに、ここよりすごいなんて・・・一気にチョイバルサンにいく期待が高まった。

今回は泊まりたかったけど、3か月ルールというものがあり、赴任して3か月はお泊まりはダメだったので、夜の星はおあずけ・・・。

でも、でも、チョイバルサンの草原での夜空を見るのを楽しみにとっておこう!!

 

モンゴルはウランバートル(首都)と、田舎の生活が大きく違う。日本もそりゃあ田舎と都会とじゃ違うが、そんなの比じゃないくらい違う。

食べ物に関していうと、ウランバートルでは今や野菜も(種類は少ないが)他の国の調味料も、値段は高いが、スーパーや市場で手に入る。

しかし、地方に行くと手に入る食糧が急激に減るし、水だって水道ひねれば出るウランバートルとは大違いだ。

日本だと、都会よりむしろ地方のほうがおいしくて新鮮なものが食べられたり、水もきれいだったりする。

食糧のほとんどが輸入のモンゴルでは、地方に行けば行くほど種類は減り、値段も上がることが多い。

そんな中、昔から肉と乳製品を主に食べて生きてきたてきた遊牧民の生活と、日々変化し続ける都会のウランバートルの人との差は大きいし、食べ物に限らず、生活全般に関しても差が大きくなっていく一方だろう。

こんなこと、実際に行かなくたってわかることかもしれないけど、テレビで見たり、新聞や本でわかるのとは大いに違う。

今回みたいに実際に遊牧民の生活を少しでも見て工夫を知り、体験したり、一緒に過ごしたりしたことは今後の自分の人生においても少なからずとも影響するんだろうなと思う。それだけでも、モンゴルに来た意味はあったんだなと。

 

 

そして、仕事や便利さのあるウランバートルに移り住むモンゴル人はどんどん増え、今や約280万人の全モンゴル人のうち、約140万人が首都ウランバートルに住んでいる。

当初70万人規模の都市を想定して作られたこの都市は、今、交通渋滞、大気汚染、学校不足などなど、様々な問題を抱えている。また、地方は地方で、仕事がないなど様々な問題もある。

こんな話を事務所から聞き、モンゴルの子どもたちにどんなことがしたいか、少しずつ見えてきた気がした。まだ会ってみないとわからないけど、子どもたちが希望をもっていろんなことができる場所を作りたいなと、まぁ大雑把だけどいろいろ考えている。

ウランバートルでの語学訓練も半月を切った。今はモンゴル語でのプレゼン準備に追われているが、今、日々の中で、見て、聞いて、感じることを大事にし、忘れずにいたい。

 

(本当にあいのりで使われたラブワゴンで家まで送ってもらった☺)