ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

【紳士協定】

2005-02-01 | 映画 サ行


クリスチャンであるライターのフィルは、“反ユダヤ主義”についての連載を始めるにあたり、6ヶ月間だけユダヤ人に成り済ますことにした。周囲を騙し、ユダヤ人として生活をしてみて実感する差別・・・。彼が直面したのは『反ユダヤ主義を黙認する愚かなルール』──紳士協定だった・・・。

紳士協定 1947年/米/エリア・カザン



気持ちは解るけど、でも、どうして6ヶ月間だけユダヤ人として生活するんだろう?
実体験だけが真実の記事を書く方法でもないように思います・・・。
逆に、その発想こそが差別じゃないのかな?って思いました。

6ヶ月が過ぎればアメリカ人に戻れるワケで、戻れるという事はユダヤ人ではないというワケだし、戻りようのないユダヤ人に対して失礼な行為のように思えてなりませんでした。
発想そのものが偽善と思えて仕方なかったです。
挙げ句、6ヶ月の予定が8週間に繰り上がっちゃうし・・・。

フィルの婚約者の偽善はつまり、見て見ぬ振りをしている者たちへの助言って事なのでしょう。
そういう意味で、フィルの行動よりも、同僚のアンの言葉の方が説得力があったと思いました。
記事にある「自由と平等を守る事こそ、人間あるいは国家を支えるのだ」という一節、当時としては言葉にする必要があったという事でしょうか。
時代は変わっても、的は違っても差別や偏見というのは存在するのが世の常、行動する事の重みを知らしめた、という事でしょうか。

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2 コメント

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TBとコメントありがとうございました。 (アスカパパ)
2007-10-20 12:37:29
izumiさんのご所感拝読しました。
>戻りようのないユダヤ人に対して失礼な行為のように思えてなりませんでした。
ずしんと堪えるお言葉です。確かにそのように捉えることは出来ますね。

私は、ユダヤ人でない殆どの人間が公然と差別している世の中で、そういう人達に対して、そういう考えを改めさせようとする努力を評価しました。
フィルの行動は、ユダヤ人ではない人間にとっては、なかなか出来るものではないものですから。

>行動する事の重みを知らしめた、という事でしょうか。
結果的には私の捉え方は、そうかもしれないと思います。
ただ、ユダヤ人のあの将校も、フィルには好意的でした。すべてのユダヤ人がフィルの行動を、我々に対して失礼だと思っていなかったと思います。

以上、率直に私の感想を述べさせて頂きましたが、決してizumiさんのご意見に反論しているのではありませんので、呉々も誤解の無いようにお願いします。
確かにそういう見方もあるなぁと、ずしんと堪えましたよ(笑)
アスカパパさんへ (izumi)
2007-10-22 10:53:06
そうなんですよね~、フィルの努力は解ります。
誰もが出来ない事をやった努力は解るんですが、やはり、それは戻れるから出来た事と思ってしまうんですよね~。
私としては、ユダヤ人になって・・・という発想自体、おかしいと思いますが、それがなかったら映画として成り立たないですし、そうなると、もうヒトヒネリ欲しかったと思います。
差別を実行しているアメリカ人のオゴリとも取れると思いました。
キャプラなら、このひねくれ者の私をも素直に観させてくれる映画に仕上げてくれたと思いますが、そこが監督の色ですよね。

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