ただの映画好き日記

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カササギ殺人事件 上・下 / アンソニー・ホロヴィッツ

2018-12-03 | 本 海外作家


  カササギ殺人事件 上・下

  アンソニー・ホロヴィッツ 著     創元推理文庫 / 2018.9





  1955年7月、サマセット州にあるパイ屋敷の家政婦の葬儀が、しめやかに執りおこなわれた。
  鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは……。
  その死は、小さな村の人間関係に少しずつひびを入れていく。
  余命わずかな名探偵アティカス・ピュントの推理は──。
  アガサ・クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ・ミステリ!





面白かったです!
斬新でした。

冒頭の数ページに違和感を感じ、その数ページは2回読みました。
名探偵アティカス・ピュントシリーズ第9作目『カササギ殺人事件』?
ん?これってシリーズだったの?という違和感であり、いきなりの謎でした。
その謎は下巻突入段階で解明されるので、そういうことかー!とスッキリして読み進められました。

著者アラン・コンウェイの『カササギ殺人事件』はよくあるミステリーだと思います(アガサ・クリスティの完璧なオマージュと帯に書いてありましたが)。
そんなに凄いかなー?と思いつつでしたが、やはり、下巻です。
こんな展開、よく思いつくなーというのが正直なところでした。

『カササギ殺人事件』の結末が明かされない段階で、『カササギ殺人事件』』の著者アラン・コンウェイが自殺?殺人事件?が起こります。
フィクションの世界からノンフィクション(といってももちろん全部フィクションですが)の世界に変わります。
謎解きが2つになり、最後はどうなっちゃうんだろう?とゴチャゴチャだったら嫌だなーと思わず心配してしまいました。

アラン・コンウェイの担当のスーザンの情報収集はなかなかでしたが、推理はたいした事はなく、彼女が思う容疑者の動機はどれもイマイチだったと思います。
なので、真犯人が判明した時、そして、その動機には、なるほど〜と思えたのでよかったと思います。
『カササギ殺人事件』の謎解きは、直前のスーザンの事件のお陰で興味が薄れてしまうのですが、こちらも、予想とは違い、ガッカリせずに済みました。

と言いつつ、私が最も印象に残ったのは、スーザンとロック警視の会話でした。
ミステリー小説の編集者であり探偵気取り(気取ってはいないけど)のスーザンに対して、現実の殺人事件をズバッと説いてみせるシーンはちょっと感動しました。

これは読んで損はないと思います。


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