おもしろ医療解説

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ナマケモノ

2012-06-19 01:13:50 | 雑学&クイズ
実は怠けているのではありません(笑)

怠けてるというより、物理的に動けないのです……

ナマケモノは変温動物といって、体温が外気温の変化に影響されてしまいます。

人間の場合は恒温動物といい、外の環境が変化しても、体の中の環境はいつも同じ状態に保たれています。

さて、体温が外気温に影響されるということは、冬場や夜中、朝方は体温が低く、体温があがるのに時間がかかります。

体温が低いとエンジンがかかりにくい車と同じで、なかなか活動ができません。

特に狩りをしたり、縄張り争いをしたりするような、体力を使う行動はできないのです。

人間の場合はエネルギーを使って体温を維持していますが、ナマケモノにはその能力はありません。

普段から体温が低い人はわかると思いますが、頭がぼーっとして、なかなか機敏に動けないですよね。

でもナマケモノも初めから変温動物だったわけではありません。

元々は人間と同じ恒温動物でした。

確かに、体にエンジンがかからないと、運が悪ければ死んでしまうこともありますからね。

ただ、ナマケモノがなぜ変温動物になる道を選んだのかというと、

ナマケモノ同士の衝突を避けるためです。

無用なケンカ、傷つけ会いを避けるためなんです。

エネルギーを使って体温をコントロールしなくて良いのであれば、エサの量は格段に減らせます。

省エネ状態で生きていれば、エサの奪い合いもしなくてすむので、致命傷をおったり、命を落としたりするようなこともなく、幸せに暮らせるという考え方です。

そう考えてみると、私たち人間もナマケモノから色々学べそうですよね。