Take it to the Lucky

最近はフィギュアスケートと歌舞伎鑑賞記録が主流でござります

薮原検校

2007年05月17日 | 舞台・コンサート
蜷川幸雄演出の古田新太主演ときたら観に行かないわけにはいかん!というわけで、観てまいりました。井上ひさし作品は「天保12年のシェイクスピア」観劇以来です。天保の時も長かったけど、今回も上演時間は長くて、終わったのは22時過ぎでした。あらすじやポスターを見た印象から、かなり陰鬱でドロドロした芝居なのかと思いましたが、意外にも軽いコメディタッチでとても楽しめました。
舞台演出も面白かったなあ。蜷川さんにしては安っぽくてびっくり(笑) 去年観た「オレステス」なんかは舞台上で雨降らせたり、歌舞伎の「十二夜」とかもすごい綺麗な舞台美術で、いつも金がかかってるなあというイメージだったんですが、板に絵描いた松の木とか、日本橋をロープ2本で表現した時にはどうしようかと(笑) でもそれがなんか逆に面白くて、豪華で綺麗なセットを作って並べるよりも、あの世界にはあっていたと思いました。街の喧騒とか鐘の音、犬の声を役者がそこで表現していくのも良かったですね。全体的に照明も暗いし、あえて質素な作りにしたのも、盲達の世界だからなのかなと。
それから常に役者が舞台上に居て、もうその場で次の役の衣装に着替えたり、セットチェンジも役者や黒子がやったり、あえて見せているのも面白かった。役者は長時間舞台上に居るので大変そうだけど。

ストーリーは主殺し、母殺し、愛人殺し…とにかく検校になる金のために何でもやる盲の男が主人公で、登場早々、エロエロな情事場面だし(笑)最後は28歳の若さで壮絶な極刑で、本当に人間として絶対共感したくないほどの悪役なんだけど、古田さんだとその悪役の中にも凄く愛嬌があって、母親との場面はちょっと泣きそうになったり、悪いことをしていてもなんか許してしまいそうになるような、そんな愛すべきキャラでもありました。悪役ってやっぱり魅力あるんですよね。
古田さんは劇中で「義経記」を早物語で聞かせる場面もあって、それがとても長くて、10分以上はあったんじゃないかな。当然その間、一人でずーっと台詞をリズムに乗せながら語るので、本当に凄かった。早物語が得意で、それによりおひねりをたくさん貰うという大事な場面なので、台詞を噛んだり忘れたりしたら芝居が壊れてしまうし、観ていて緊張してしまったけど、素晴らしかったですね。終わった後は拍手も凄い涌いて盛り上がったし。やっぱり古田さんは凄い役者さんだわ♪
もちろん、古田さん以外にも、今回はもう芸達者でなおかつ濃い役者さんばかりでした(笑) 田中裕子さんの若々しさとエロさにはびっくりしました。
あと、BGMがギターの生演奏でかっこよかったー。ギターでこんなにいろんな表現ができるんだとびっくり! 最近は生BGMの舞台多いですね。

それからパンフレットには、蜷川さんと竜也君の対談が載ってました。今回、竜也君出てないのに、ぎっちり濃い対談が載ってて、なんか得した気分。蜷川さんと仕事以外でほとんど話したり食事に行ったりしないというのが意外でした。留学先でいろいろ苦労も多かったみたいだけど、一回りも二回りも成長してそうで、9月に観に行く「ヴェニスの商人」が今から超楽しみです♪ 

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2 コメント

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古田さん (翔和)
2007-05-17 11:43:36
なんだか、ほんとにすごい舞台だったようですね!
古田さんが、生き生きと舞台を飛び回る姿が、目に浮かぶようです。
特にその早物語!すごく観てみたいです!!観劇に行けない自分が哀しいです。
観劇に行けないと言えば、お話聞いて、「ヴェニスの商人」に誘われたのに、断ってしまった自分を大後悔中です・・・
でも、スマコンと重なったらなあって思ってしまったんですよね(泣)
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早物語 (isako)
2007-05-18 00:44:31
古田さんは時にセクシー、時に可愛らしくて本当に良かったですよ!早物語も「義経記」とはいっても納豆左衛門とかそんな名前のキャラが出てきたりして面白かったです。
スマコンは本当にやるのかやらないのか早くはっきりして欲しいですよね~。去年はそろそろ来てたと思うんですけどね。これでもし夏コンが無かったらヴェニスの恨みで尚のこと悔しいですね(><)
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