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アップルを創った怪物

2012-01-22 20:44:01 | 

アップルを創った怪物

もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝

スティーブ・ウォズニアック

 

アップルを創業した二人のスティーブのうちのひとり、

ウォズニアックさんの自伝。

自分も一応エンジニアではあるけれども、彼のようにはなれないなぁと思った。

これほどまでにエレクトロニクスに情熱をささげられて、そしてそういった環境

も手にすることが出来た。仕事を楽しんでいることがものすごく伝わってくる。

うーん、うらましい。笑

気に入った一節

「エンジニアなら世界を変えられる、多くの、本当に多くの人々の生活を変えられる」

「技術は進歩の原動力なんだ」

これは自分も思っていることで、誤解を恐れずに言えば世の中には2種類の仕事が

あると思っている。

・ルールを発見、創造、変えて世の中を前に進める仕事

・ルールを維持、管理、ルールにしたがって進める仕事

単純化しすぎだなぁ笑

一見するとエンジニアの仕事って前者にあてはまりそうだけれど、

実はそーではないんじゃないかと最近思いつつある・・・。

もうひとつこの本を読んでいて思ったのが、マーケターの重要性。

エンジニアなら世界を変えられるという言葉に矛盾するかもしれないけれど、

いいマーケターがいるからこそ世界を変えることができるという面も確実に存在すると思う。

HPに勤めていたウォズはアップルIのプロトタイプを同社のデスクトップコンピュータの責任者に見せる。

けれども責任者はその提案を却下する。

これは責任者に慧眼がない、というわけではないと思う。

その後100台の受注があり、再びウォズはHP社にて興味を持つ部門はないか打診をした。

けれども興味をもつ部署はなく、法務も権利を主張しないとメモを送る。

これはイノベーションのジレンマの一例だと感じる。

ジョブズとウォズの二人にとって100台の受注は大成功でも、

HPという会社にとっては取るに足らない利益。

さらにパーソナルコンピュータなどという市場は存在しない。

利益が見通せない(=市場がない)ものには手を出さない。それが企業という組織。

けれど、パーソナルコンピュータの潜在的な需要を見越していたマイク・マークラさんは

出資を行いアップルの拡大に寄与する。

アップルという会社はジョブズ復帰後、次々と新しい製品を創造し、

新しいマーケットを創出していってる。

いったい、どんな仕組みで社内は回っているのだろう??

ジョブズさんのマーケターとしての才能が大きく、彼の裁量が大きかったのが理由なのかな。

つらつらと書いてきたけれども、見習いエンジニアとしてはウォズニアックのような生き方には

憧れるし、ウォズの哲学にも共感するけれども、それらは一部の天才に許されたものなんだと思う。

真似できないっス!!!

最後にもうひとつ、気に入った一節を

「最高の発明家とかエンジニアっていうのは、じつはアーティストなんだ」


最新行動経済学入門

2012-01-22 18:01:00 | 

最新 行動経済学入門

「心」で読み解く景気とビジネス

真壁昭夫

 

行動経済学系の新書は何冊か買ったけれど、

この本が一番簡単で読みやすくて理解しやすい。

行動経済学の研究から得られた知見がまとめられている。

例を挙げると、

☆プロスペクト理論

価値関数と意思決定において確率をどう評価するかを示す関数(確率加重関数)からなり、

人々の意思決定に関する理論。

・価値関数は「喜びや悲しみがどれくらいの大きさになるかを曲線で示したもの」だそうです。

価値関数によれば損失と利益では非対称であり、人間は儲かったときより損したときの

悲しみの方が大きく感じてしまうようです。

すると、景気があがりもせず下がりもしない状況だと、日本人の価値関数の総和はマイナス

になりそーだから、悲しみが大きい→不況って判断しちゃうのかもね。

・意思決定において確率をどう評価するのかを示す関数は、線形ではなく非線形のS字

を示すそうです。どうゆうことかといえば、人間はあまり起こらないことを過大評価し、

よく起こることを過小評価するという傾向があるということです。

☆双曲割引モデル

割引率という考え方がある。

「割引率とは、将来のお金の価値が今いくらなのか、将来の価値を現在に換算するときに用いるレート」

もし今、100万円がもらえるとして、すぐに100万円をもらうか、

だいぶ時間がたってから100万円をもらうか(このときの割引率2とする)で比較すると・・・。

将来の100万円の現在価値は100万円÷2で50万円ってことかな。

だから、今もらったほうが良いってことになる。

で、人の中の割引率は、行動経済学では近い将来ほど割引率が高く、時間がたつと

遁減していきある一定値に定まるそうです。

だから、今100万もらえるのと、三日後に110万もらえる時の割引率が2なら

今をもらうし、今100万もらえるか、30年後に110万円もらえるかを比較して、

このときの割引率が1.05ならば30年後にもらうってことかな。

なんか釈然としないっす。

 

行動経済学は人間に迫るという経済学ということで非常に興味深いです。

行動経済学の知見でもっともっとマクロの現象を説明できるようになったら、

より経済が予測可能になるかもしれません。

いかに統計的手段を導入して理論化するのかが鍵になってくるんじゃないかなぁ

と感じています。

これからの進展が楽しみです。