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日々の出来事・雑感・備忘録

医療鎖国

2011-05-29 09:02:01 | 雑感

医療鎖国-なぜ日本ではがん新薬が使えないのか-

中田敏博

 

日本の医療制度は国民皆保険であり、原則的にどの国民も自分の選んだ医療機関で、加入している保険制度にかかわらず差別のない同じ内容の医療を受けられる。しかも、他国に比べ日本の保険医療支出は小さい。

これが日本の医療制度の優れている点である一方、様々な問題も存在する。

著者の指摘する問題点は様々あるが

・日本の医療制度の持続可能性。

・先端医療技術へのアクセスの悪さ。

これが個人的に感じる問題点。

 

日本の医療費は現在年約35兆円であり、最近は年平均6000億円程度で上昇している。

医療費のうち公費によって13兆円、事業者と被保険者が負担する保険料によって17兆円、患者負担が5兆円となっている。

基本的には社会保険で賄うが、税金も投入する混合型保険となっており、

国と企業と国民三者が負担する構造となっているらしい。

ここで問題は、国の財政が危機的状況である一方、医療保険の収入も厳しくなっている点。

特に国民健康保険においては加入世帯のうちの半数が無職であり、保険料滞納世帯が加入者の2割以上という状況だそうだ。

さらに後期高齢者医療制度では、各保険者が財源支援をする仕組みとなっており、財政状況の良かった大企業などの健保組合が解散する事態にまでなっているということだ。

これが医療制度の持続性に対する懸念。膨張していく医療費を賄うためには、どこかで負担を大きくしなければならない。

 


デフレの正体

2011-05-28 09:50:28 | 雑感

デフレの正体 藻谷浩介著

デフレの正体は生産年齢人口の減少が原因だった。

主張が分かりやすくて、根拠も説得力があり、 自分の中にある疑問が解消されていくのが気持よくてあっとゆう間に読み終えてしまった。

金融緩和を行ってもデフレが解決しないのはなぜって思ってたけど、 なんかはじめて一番説得力のあるストーリーを聞いたきがする・・・。

特に著者の数字の絶対数にこだわる姿勢には共感した。 率とか微分係数のプロットってなんだかごまかされた気になる。

全体を把握するには、まず絶対数の確認をするのが基本だなぁと納得した。

あと経済学に対する批判的な思いも感じた。 個人的にも経済理論からの演繹ってなんだか頼りないなぁって感じる。

経済って物理とは違って、人間という対象に使用するものだから 理論の前提が時代によって移り変わっていくんじゃないのかなぁってよく思う。

人間って、物とはちがって学習するし、合理的に行動するかと思えば気分で動いたり。 よくわかんないもんね。

 

そんで、本当に生産年齢人口とデフレが関係あるのか確かめようと思って消費者物価指数と生産年齢人口の変化をプロットしたのが上の図。

相関係数出そうと思って作ったのが下の図。相関係数の使い方ってあってんのかな・・・。てか、この図意味あるんやろか・・・。まあいいや。

で、上の図を見ると物価上昇と生産年齢人口の増加は綺麗に一致していて相関関係があるみたいだ。

生産年齢人口が減少すると消費者物価指数の減少がみられるが、その相関というのは物価の上昇の時ほどは大きくない。

相関係数は0.92だった。まあ、2000年以降をデフレと考えて、デフレと生産年齢人口の関係はってなると、その相関はもっと小さくなるハズ。

これは1999年から始まったゼロ金利という金融緩和政策が影響しているんじゃないかな。

そのおかげでデフレは小さくすんでいると。生産年齢人口が減るスピードほど価格は下がらない。

さらに価格には下方硬直性ってゆーのがあるらしいから、値段が上がるほどには値段はさがらないのかな。

今後を予測するとさらに生産年齢人口は小さくなっていく。

いくら世界的に景気がよくなっても国内市場は小さくなり、モノは売れず、不景気は続くと。

生産年齢人口の増加と物価の上昇って相関強そうだから(因果関係かどうかわかんないけど)

デフレ解消には生産年齢人口の増加というのも処方箋だと確かに感じるけどなぁ。

 

 

 

 


35歳までに読むキャリアの教科書

2011-05-22 18:58:43 | 日記
この本からは勇気をもらった。

会社に入って2ヶ月弱。

会社の悪いところばかりに目がついてしまい、

また個人的な事情から転職を考えることが度々あった。

まだ入ったばかりなのに笑

そんな中、この本を読んだ。

自身のやりたいことである「動機」と

自身の先天的な才能・資質である「能力」。

この二つが重なる部分に幸せなキャリアがあると本書は説いている。

本書のおかげで自分が今の会社を選んだ動機を思い起こすことができた。

理系を選んだのは、世の中に大きな影響を与えて社会を前に進める原動力となるのはテクノロジーだという思いがあったから。

今の会社を選んだのは、この会社の製品がたくさんの人の命を救っていたから。

動機の部分では、自分の選択はマッチしているはず。

しかし、最近自分の中で思うのは、今の会社にいて自身が成長できるかということ。

この懸念が大きくなってきている。

そして自身の能力。

この考え方は新しい発見だった。

自分に才能なんてあるのだろうか。

理系だが数学は苦手、物づくりもそんなに楽しいとは思わない・・・。

物理や経済は好きだ。

研究室では、解析や知識や考え方の部分は評価されていたかな。

けれど文章作成や細かい注意力ではよく先生から直すように言われていたなぁ笑

ただ、能力の部分は自分の仕事をある程度進めて周りから評価をうけないとわからないと思う。

本書でいう動機の部分ではある程度マッチしているかもしれないけれど、

能力の部分ではまだまだ不確定要素が大きい。

こんなふうに本書を読んで、キャリア形成の指針となる基準を知ることができたのは大きかった。

自分の迷いというのは、自分が今進んでいる方向が正しいのか正しくないのか、

客観的に評価できる指針がなかったのが大きいと思う。

30歳までに自身の動機と能力をはっきりさせる。これが今後の宿題。

20代ならまだまだリセットのチャンスはある。

それにしばらく働いてみないと自分について知ることもできないと思う。

というわけで、転職について考えるのはしばらくおあずけ。少なくとも三年間は。

思考をクリアにし、指針を与えてくれた。そして、自分の思いを再確認できたこと。

これが冒頭部の勇気の意味。

イノベーションのジレンマ

2011-05-21 21:22:33 | 雑感
新入社員研修の時の社長の推薦図書という事で読んだ。

予測可能でコントロール可能な持続的技術

持続的イノベーションの中では、綿密に計画し、努力し、長期的視点に立つすぐれた企業は成功するが、

破壊的イノベーションにおいては、失敗するという。

新技術のほとんどは製品の性能を高める持続的イノベーションであるが、

しかし、時としてこれまでとはまったくことなる価値基準をもたらす破壊的イノベーションが市場にもたらさえることがある。

企業が優れていればいるほど、この破壊的イノベーションを引き起こすことは難しい。

・・・。

自分はこれからエンジニアとして新しい製品の開発にかかわるわけだけれども、

この本は「売れる」製品を作る上で今後の指針になるかもしれない。

当社の製品は本書の中では破壊的技術に分類されている。

たしかに破壊的技術であると感じるが、すでに社内の開発では製品の性能強化という持続的イノベーションの流れのなかにある。

本書でとりあげられている製品進化モデルでは、機能・信頼性・利便性・価格の四段階とされている。

自分が感じるのは、当社の製品に限ればこのサイクルを一つづつ段階的に進捗していくのではなく、

すべてのサイクルが進んでいくが、上の段階に行けば行くほど、その歩みは遅くなっている。

しかし、いずれは価格の競争にいたる。

だからこそ利益のあげられる新製品の開発が望まれるわけだ。

うちの会社は中小企業であるけれども、本書で取り上げられた例にもれず、より利益率の高い上位の市場に食い込むために新製品の開発を行っている。

ただこの新製品も結局は持続的イノベーションの流れの中の話になっている。

当社の成長の原動力となっている新製品は破壊的技術であった。

それはこれまでとは異なるどこにでもある安い素材で、より効果があり、信頼性の高い商品を開発できたことが破壊的技術と考えてもよい理由である。

これも別の産業用途で製造していたが、その利点が現在収益を上げていてる業界で破壊的イノベーションとなり、日本ではトップシェアを誇っている。

会社としては、現在より利益率の高い別の製品の開発に力を注いでいるが、

自分が感じるのは、まだ利便性というサイクルがのこっているのではないかなと思う。

この利便性というサイクルで市場において優位となるアイディアを考えなければならないのではないか。

いくつかアイディアはあるけれども、まだまだ知識もないし経験もない。

いろいろと検討してみよう。