忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
*当サイトは商品やサービスへのリンクにアフィリエイトを使用しています。

オールドファンも安心「蒼炎の軌跡」

2005年04月12日 | 作品紹介(ゲーム)


■GC:「ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡」


次のうち正しいのはどれでしょう。
レディゴー。

1:「ファイアーエムブレム」
2:「ファイヤーエムブレム」
3:「ファイアーエンブレム」
4:「ファイヤーエンブレム」

カンカンカン。

ということで今回のお題は「蒼炎の軌跡」である。
据え置き機用としてはSFCの「トラキア776」以来、
5年振りのリリースとなる。
シリーズ元祖の「暗黒竜と光の剣」が1990年発売なので、
かれこれ15年も続いている人気シリーズだ。

四半世紀に及ぶ私のゲームライフにおいて
おそらく最も時間を費やしたのが「暗黒竜と光の剣」である。
(オンライン関連はチャットなどの時間も含まれるので除外)
エンドロールで総プレイ時間が出るのだが、
確か200時間以上だったように記憶している。
キャラが死んでしまった時は、例えそれまでに何時間かかっていようと
リセットしていたので、300時間以上はプレイしたと思う。
クリア後も何度か再プレイした。

発売直前のファミ通のクロスレビューは
「7・7・7・5」とあまり芳しいものではなかったが、
「シミュレーションロールプレイングの幕開け」という
キャッチコピーに新時代の到来を感じ発売日に購入、
その日から文字通り、明けても暮れてもプレイしていた。
隠しショップの位置から増援部隊の来るタイミング、
ユニットの強弱のバランスまで全てを把握し、
雑誌や攻略本の記事に対し
「こいつ何もわかっちゃいないな」と憤慨したりしていた。
ペガサスナイトのように長距離移動出来るチキや
弓矢で撃たれてもダメージを受けないペガサス三姉妹を作り上げ
「ここまでプレイしたのは世界でも俺ぐらいだろう」
と、井の中の蛙状態で悦に入っていたのを思い出す。

その後も「外伝」「紋章の謎」とプレイしたが、
「聖戦の系譜」あたりから急激に難易度が上がっていき、
「トラキア776」はついに途中で断念してしまい現在に至る。

シミュレーションRPGについては
ストーリーやバランスなど時間をかけなければ分からないことが
多過ぎるため触った感触だけを述べるが、
インテリジェントシステムらしい、
非常にきっちりとした仕事がされており、
ユーザーインターフェイスにおいては何の不満もない。
ユニットの選択、移動先の指定、武器選択など、
「ゲームボーイウォーズアドバンス1+2」の快適さを引き継ぎ、
かつGCならではの演出をプラスした王道の作りだ。
元のイメージを壊さない程度にショーアップされた
戦闘シーンもかなり良い感じに仕上がっている。
私は「エムブレム」のシステムは既に完成されており、
今以上の大きな変化は必要ないと思っているので充分楽しめたが、
システム面での変化を望むファンには刺激が足らないかも知れない。
シリーズの売り上げがどれも安定していることから推察するに、
そういうファンは少ないと思っているのだが・・・

ちなみに任天堂の販売目標は15万本。
GBA版はどれも20~30万本を売り上げているが、
普及台数の差とGCのユーザー層を考えれば妥当な線であろう。
「ミリオン!ミリオン!ミリオン!」よりずっと現実的だ。
14日に発売される大作RPGの出来にはNAMIDAした私だが、
こちらはオールドファンにも安心してお勧め出来る。
唯一の問題は、私に当時ほどの情熱も時間もないことだ。
カンフル剤を打って頑張ることにしよう。

発売日の4月20日は水曜日なのだが、
これは1990年4月20日が「暗黒竜と光の剣」の発売日のため、
15周年記念日ということで決定したそうだ。
こういうのは、ジジィ心をくすぐる。

*当BLOGでの新作紹介は、
1:あくまでも開発途中のROMを使ってのプレイであること。
2:数分のプレイによる第一印象に過ぎないこと。
3:発売までに内容変更の可能性もあること。
を予めお断りしておく。
簡単に言えば、「あまりあてにしないでくれ」ということだ。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 タイトル:ファイアーエムブレム・蒼炎の軌跡
   機種:GC
 メーカー:任天堂
  発売日:2005年4月20日
   価格:6800円(税込み)
公式サイト:http://www.nintendo.co.jp/ngc/gfej/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント (64)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子供達の展覧会

2005年04月10日 | 忍之日記

さる筋から招待券をいただいたので、
小児癌の子供達が描いた絵の展覧会に行って来た。
それぞれの絵の下には、
小児癌を克服した本人が当時を思い返してコメントを寄せたり、
残念ながら亡くなった我が子への思いが、
両親からの手紙という形式で綴られていたりした。

私がふと足をとめて思わず見入ったのが、
「ピカチュウの花火大会」という絵だ。
9歳にしてこの世を去った少年が描いた絵らしい。
夜空を覆い尽くさんばかりの花火と、
首を痛くするほどに見上げるピカチュウが可愛い。
2度目の手術で右手と足が不自由になり、
リハビリを兼ねて左手で描いた絵だそうだ。
コメントは「私達の自慢の●●でした」と結んであった。
胸が詰まった。

ひまわりや自動車やアンパンマンの絵と並んで
そこにピカチュウがいたことが、私はとても嬉しかった。
ゲームもまだまだ捨てたものではない。
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初恋のあの子が…「天外魔境III NAMIDA」

2005年04月10日 | 作品紹介(ゲーム)


■PS2:「天外魔境III NAMIDA」


「一年戦争」ショックが効いているのか、
来週発売の「天外魔境」に不安が広がっているようだ。
ちなみに「一年戦争」だが、
二次問屋の掛け率が早くも50%を割り込んだ。
ここまでくるとほとんど新種のウィルスである。
誰かCTUのジャック・バウアーに連絡しろ。
この際シェリー・パーマーでも構わない。

私は「III」に関しては、制作がストップして十数年、
ひたすら発売を待ち続けてきたコアなファンの一人であるが、
桝田氏のシナリオがお蔵入りになった時点で
「天外魔境、に似た何か」になるのではと懸念していた。
開発途中の「III」を何度かプレイする機会があったが、
「やはり」というか、これがかつて百時間以上を費やし、
13年も待たされてようやく登場したあの「天外魔境」かと思うと哀しくなった。
シナリオどうこう以前に、基本部分があまりにもおざなり過ぎる。

知り合いの営業から「どうなの?」と聞かれる度に
「名のあるシリーズの新作とは思わない方が良い」
と答え続けてきた私だが、
市場(ユーザー)がどのように受け止めるのかは
来週末には明らかになるだろう。

少なくとも、広井氏の言動に振り回されて
アーケードカードやPC-FXを買い、
その都度裏切られてきたジジィが納得するような代物ではない。

十数年ぶりの同窓会に出かけたら、
初恋のあの子がすっかり変わり果てていて
「来なければ良かった」と後悔したような心境だ。

「天外」シリーズに特別な思い入れのない
ただのRPGファンなら、か。

*当BLOGでの新作紹介は、
 1:あくまでも開発途中のROMを使ってのプレイであること。
 2:数分のプレイによる第一印象に過ぎないこと。
 3:発売までに内容変更の可能性もあること。
 を予めお断りしておく。
 簡単に言えば、「あまりあてにしないでくれ」ということだ。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:天外魔境III NAMIDA
  メーカー:ハドソン
   発売日:2005年4月14日
    価格:7800円(税別)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最初から守りに入ったか「GENJI」

2005年04月08日 | 作品紹介(ゲーム)


■PS2:「GENJI PlayStation 2 the Best」


少し気が早いのだが、SCEが今夏の大作に位置づけているのが
「サルゲッチュ3」と「GENJI」である。
「サルゲッチュ3」は50万本、
「GENJI」は30万本~50万本以上を販売目標として掲げている。
「サルゲッチュ」に関しては今回は流すとして、
私が気になるのは新規タイトルの「GENJI」。
SCEとしては久々のオリジナル大作であり、
元カプコンの岡本吉起氏が代表を務めるゲームリパブリックの
第1弾ソフトとしても注目を集めている話題作なのだが・・・

「GENJI」は、平安時代を舞台に、
源九郎義経と武蔵坊弁慶が打倒平氏の為に戦う和風アクションである。
静御前や平清盛、藤原秀衡などお馴染みの面々も登場する。
既に飽和状態にあるジャンルだけに、
後発の新規タイトルともなれば余程のインパクトがなければ
頭ひとつ抜き出ることも困難になってきていると思うのだが、
「GENJI」は新機軸を打ち出すことよりも
同ジャンルの既発ソフトを研究し、
それらの難点を潰していくことに比重を置いて仕上げたような
極めて日本人的な作りのソフトになっていた。
美味しいトコ取りと言えばそうなのだが、
私の率直な感想は「普通に良く出来てる、けど」であった。

「誰でもエンディングに到達出来る作品を目指した」(岡本氏)
というだけあり、操作方法はとてもシンプルで
「鬼武者」や「真・三國無双」をプレイしたことのあるユーザーなら
マニュアルを読まなくてもプレイ出来ると思う。
変わった点と言えば、L1ボタンを使った「神威」の発動ぐらいか。

「神威」とは、雑魚を倒すことでたまっていくゲージが
満タンになると発動出来るモードで、
L1ボタンを押すと敵の動きがスローモーションになる。
いわゆる「マトリックスモード」のような感じだ。
発動中に敵が飛び込んでくるタイミングを見切って
返り討ちにすることで、経験値や特殊アイテムを取得することが出来る。

また、ステージ内に落ちていたり敵が落としたりする
「雛石」と呼ばれる結晶をためれば、
体力・攻撃力・防御力のいずれかを
プレーヤーの好みによって上げることが出来る。
腕に自信が無ければ防御力、攻めに徹したければ攻撃力を上げるなど、
短所を補うも長所を伸ばすもプレーヤーの自由だ。

・・・と、つらつらと書いてはみたものの、
どうだろう、目新しさを感じないのは私だけか。

昔、「ウルトラマンタロウ」にタイラントという怪獣が出てきた。
頭部はシーゴラス、耳はイカルス星人、
胴体はベムスター、脚部はレッドキングなどなど、
過去の「ウルトラマン」シリーズに登場した怪獣の
強い部分だけを集めて生まれた最強の怪獣だったのだが、
結局はタロウにあっさり倒されてしまった。
当時の私は
「そうか、いい所だけ集めたからといって強くなるわけじゃないんだな」
と子供心に学習したわけだが、
「GENJI」はこのタイラントと似ているような気がする。
ダイナミックな言動の多い岡本氏も、
自社の初プロジェクトということで安全パイに逃げてしまったのか。
もっと破天荒な作品を期待していたのだが・・・

「真・三國無双4」が90万本近くを販売し、
シリーズを重ねるごとに売り上げが下落しているとはいえ、
「鬼武者」や「デビルメイクライ」も
数十万本を販売している現状を考えると、
これぐらいオーソドックスな方が
博打を好まない現在のユーザーには向いているのかも知れない。
しかし、立ち上げたばかりの若い会社がそれではいかんと私は思う。
ゲームリパブリックが掲げる「ユーザー第一主義」とは、
「マーケティング>アイディア」ではないはずだ。
SCEという巨大なバックをつけての初陣なら
もっと好き勝手にやって欲しかった。

*当BLOGでの新作紹介は、
1:あくまでも開発途中のROMを使ってのプレイであること。
2:数分のプレイによる第一印象に過ぎないこと。
3:発売までに内容変更の可能性もあること。
を予めお断りしておく。
簡単に言えば、「あまりあてにしないでくれ」ということだ。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 タイトル:GENJI
   機種:PS2
 メーカー:SCE
  発売日:2005年6月30日
   価格:7140円(税込み)
公式サイト:http://www.playstation.jp/scej/title/genji/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント (24)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「一年戦争」が半額になる日

2005年04月08日 | 瓦版


■PS2:「機動戦士ガンダム 一年戦争」


そう遠くないと思う。
昨日午後の時点で60%の案内も来ていた。
某二次問屋は早速「買い取り不可商品」に指定している。
何故これほどまでに受注が集まってしまったのだろう。

少し前に本館にも書いたと思うが、
「連邦vsジオン」から数えて既に4作目、
昨年末の「ガンダムvsZガンダム」から
4ヶ月しか経過していないというリリースサイクルは
いくらなんでも短過ぎであろう。
バンダイとしては「前のはカプコン、今度はナムコ」
という所に違いを見出したのかも知れないが、
開発元まで気にしない大半のユーザーにとっては、
どこが作ろうと「また似たようなガンダムゲームか」
という印象しか与えない。

今回の「一年戦争」の値崩れは、
「Gジェネ」や「ジオニックフロント」などの
亜流が値崩れするのとは意味合いが違う。
「ファーストガンダム」+「アクション」という、
ガンダム物の中でも最も盤石と言われてきた
「本丸」にヒビが入ったことを意味するのだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

丸みを帯びた箱庭世界「ポンコツ浪漫大活劇・バンピートロット」

2005年04月06日 | 作品紹介(ゲーム)


■PS2:「ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット(廉価版)」


「スクーン」「スペランカー」などの
発光ダイオード付きカセットの時代から続く
私のアイレム好きは現在も続いている。
「R・TYPE」「イメージファイト」「Mr.HELIの大冒険」
「レジェンド・オブ・ヒーロー・トンマ」「迷宮島」
「ぐっすんおよよ」「海底大戦争」「最後の忍道」
「ビジランテ」「激写ボーイ」「カートンくん」・・・
いずれ劣らぬ佳作揃いだ。
バランス取りや間口の狭さなどから
傑作、名作と呼べる物は意外と少ないが、
私はそんな職人気質なところも含めてアイレムが好きだ。

アイレムには長い沈黙の期間がある。
1994年に発売された「ソル・モナージュ」というPCエンジンのソフトは
エンジンファンには知名度の高いタイトルだと思うが、
当時の在籍スタッフも思い入れが強いらしく、
「何とか手に入れたい」と依頼されたことを今ふいに思い出した。

その後、FC時代に生み出した「大工の源さん」をキャラクターに据えた
パチンコ台が大ブレークし、見事復活と相成るわけだが、
復活後も守りに入ることなく
「三洋パチンコ」「R・TYPE」などのシリーズ物と同等以上に
「絶体絶命都市」「U-underwater unit-」「桜坂消防隊」などの
オリジナル作品も精力的に制作されている。
そんなアイレムから発売されるのが、
「ポンコツ浪漫大活劇・バンピートロット」である。

二足歩行の「トロット・ビークル」というロボットは
農業・土木・輸送等、人間の生活をサポートするため、
様々な場面で活用されていた。
ある朝、何故か浜辺で目覚めた主人公は
名も知らぬ少女と出会い、取り敢えず行動を共にするのだが・・・
というのが導入部分だ。

バンピートロットの操作方法は決して簡単ではないが、
序盤のイベントでトレーニングが組み込まれているので
そこでしっかり鍛えておけば後はすんなり馴染めると思う。
ビークルのカスタマイズも改造ゴコロを刺激する。
舞台となる世界は撮影用の大掛かりなセットというか、
ユニバーサルスタジオのような箱庭世界を再現しており、
リアル指向とはまた違う暖かみを持っている。
「ゼルダの伝説・風のタクト」より、
「ダーククロニクル」に近い感じだ。
(ただし、グラフィックで言えば「クロニクル」に負けている)

一応頂いた体験版の最後まではプレイしたのだが、
大きな問題がひとつ。
声優を変更出来ないならせめて音声オフ+字幕のモードを
用意してくれというほどに掛け合いが下手なのだ。
特に主人公と行動を共にする少女役、
私は現在活躍中の声優には疎いので
彼女が本職の声優なのかどうかも知らないのだが、
正直「聞いちゃおれんな」というレベルであった。
制作費等々の問題もあるかとは思うが、
下手な音声をつけるぐらいなら無しの方が私は有り難い。

初回特典はゲーム中で主人公が吹いている
ハーモニカをミニチュア化したキーチェーンなのだが、
入荷数の100%に付属するとのこと。
数十万本を見込める「ドラゴンボール」ですら
初回の何割だのと狡っ辛い商売をするバンダイあたりは
是非見習っていただきたい。

出来に不満がないわけではないが、
このご時世にオリジナル作品を発売し続ける
アイレムに敬意を表して紹介してみた。

*当BLOGでの新作紹介は、
1:あくまでも開発途中のROMを使ってのプレイであること。
2:数分のプレイによる第一印象に過ぎないこと。
3:発売までに内容変更の可能性もあること。
を予めお断りしておく。
簡単に言えば、「あまりあてにしないでくれ」ということだ。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 タイトル:ポンコツ浪漫大活劇・バンピートロット
   機種:PS2
 メーカー:アイレム
  発売日:2005年5月19日
   価格:7140円(税込み)
公式サイト:http://www.bumpytrot.com/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント (34)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

携帯用機との相性抜群「The Tower SP」

2005年04月04日 | 作品紹介(ゲーム)


■GBA:「The Tower SP」


1991年にSFC版「シムシティ」が発売されてから
もう14年も経ってしまった。
死ぬまで遊べるのではないかと思うほどハマったPC版は
演出面においては割と地味だったのだが、
サポートキャラクターによる親切丁寧なアドバイスや
明確な目標の無かった「シムシティ」に
何万人達成ごとに新たな施設のプレゼントというご褒美を設定するなど、
間口を広げるための仕掛けが多数施され、
PC版をやり込んだ私を再び徹夜へと導いた。
(ただ1点、処理速度の異常な遅さには泣いた)

その後、「2000」「3000」とシリーズを重ね、
現在も続いている長寿シリーズになったが、
残念ながら私は「2000」以降の「シムシティ」には
あまりハマらなかった。
広く浅くが信条の私には、「2000」以降の進化は
装飾過多に思える部分が多かったためだ。
「シムシティ」に見切りを付けた私は身代わりを探し続けた。
当時は環境SLGの花盛りであり、
「ポピュラス」や「A列車で行こう3」など、
同タイプのSLGがいくつも発売されていたが、
残念ながら私にはどれもしっくりこなかった。
(と言いつつ「ポピュラス」も「A列車」も相当遊んだが)

1995年、3DOに「テーマパーク」が移植されたことで
私の渇きは一気に癒されたのだが、
さらに追い打ちをかけるように1996年、
今度は「Tower」が移植された。
ちなみに「ポリスノーツ」が一番最初に移植されたのも3DOである。
巷では失笑を買っている3DOだが、
我が家ではけっこう稼働率の高いマシンであった。

「テーマパーク」も「Tower」も、
その後SSやPSに移植されたのでご存知の方も多いと思う。
「テーマパーク」は海外産だが、「Tower」のゲームデザインは、
あの「シーマン」の産みの親でもある斎藤由多加氏。
一見洋ゲーに見える「Tower」だが、実は日本生まれなのだ。

「Tower SP」は高層ビルを経営するSLGだ。
経営と聞くと小難しそうに思えるかも知れないが、
基本的にはテナントやオフィスなどのパーツを組み合わせて
自分なりのビルをデザインし、
そこに集まる客の不満を取り除きながらどんどん高層化していくだけである。
「シムシティ」の「1」をプレイしたことのあるユーザーなら
ものの数分で入っていけると思う。
ジャンクフードのテナントはやはり1階にするべきか・・
ゴミ捨て場は景観を損なうのでなるべく見えない所にしよう・・
社長室を最上階に置いてみるか・・
そろそろ建て増しをしてみよう・・
となると夜間の見回りも増員しなくては・・
エレベーターがいつも満杯で客が怒っている、1基増やすか・・
ちょこまかと動き回る人を眺めながら
ビルに手を加えていく作業は相変わらず楽しい。
元の「Tower」からけっこう間口が広かったためか、
SFC版の「シムシティ」ほどショーアップされた感はしないが、
この手のジャンルが久々ということもあり、
けっこうハマってプレイしてしまった。
画面のレイアウトもすっきりして見やすく、
SFC並かと思われた処理速度も思ったより快適で一安心。

スクロールに多少の難はあるが、
4月の購入ソフトが取り敢えず1本決まった。

*当BLOGでの新作紹介は、
1:あくまでも開発途中のROMを使ってのプレイであること。
2:数分のプレイによる第一印象に過ぎないこと。
3:発売までに内容変更の可能性もあること。
を予めお断りしておく。
簡単に言えば、「あまりあてにしないでくれ」ということだ。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 タイトル:The Tower SP
   機種:GBA
 メーカー:任天堂
  発売日:2005年4月28日
   価格:4800円(税込み)
公式サイト:http://www.nintendo.co.jp/n08/btrj/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント (29)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

頑張る子供「カナリア」

2005年04月02日 | 作品紹介(映画・ドラマ)


■DVD:「カナリア」


劇中では団体名を「ニルヴァーナ」と変えているが、
今回紹介する「カナリア」は、
地下鉄サリン事件で日本中を震撼させたオウム真理教と、
自分の意志と関係なく入信させられた子供達の
「その後」を監督のフィクションで補完した作品である。

今回は導入部分だけを少し説明しておこう。

主人公の光一は、事件の主犯格とされる教団員の息子であり、
強制捜査により保護され、関西の児童相談所へと収容される。
係員との生活の中で多くの子供達が日常を取り戻していく中、
12歳に成長していた光一は頑として心を開かず、説得にも反抗を続けた。
光一の態度に母親の面影を見た祖父は、
共に保護された妹だけを引き取り、光一の引き取りを拒否、
光一は一人施設に残される。
妹を取り返す為、光一は施設を脱走、
道中に出会った少女、由希と共に東京を目指す。

「誰も知らない」の是枝監督も
カルト信者の遺族をドキュメンタリータッチで描いた
「ディスタンス」という映画を撮っているのだが、
「ディスタンス」の登場人物達は年齢で言えば青年であり、
自分達は加害者の遺族であるという自覚をちゃんと持っているのに対し、
「カナリア」の光一は、
真っ白なハンカチをニルヴァーナ色に染め上げられた
若干12歳の少年であるというのが大きな違いだ。

頭に触られると霊的エネルギーが減ると本気で怒り、
食事の前には必ずマントラを唱え、
仕込まれた教義を迷いなく実行する光一と共に旅をする由希は
それまで光一の周りにいた人間と全く違う言葉を投げかける。

光一「人を騙すと地獄に堕ちるぞ」
由希「あんたらの団体はぎょうさん人を殺したやないか!
   人を騙したら地獄で、人を殺したら天国か!わけわからんわ!」

由希の投げる豪速球は、
自分で考えることを封じ込まれた光一の胸に深く突き刺さり、
ニルヴァーナへの疑念を喚起していく。
そして由希も、光一と旅をする中で人の優しさに触れ、
大人への絶望感を少しずつ薄めていく。
これは光一と由希のロードムービーでもあるのだ。

母親が子供二人を連れて出家する際、
教団員の前で誓約書を書くシーンがあるのだが、
母親は光一と妹の名前も代わりに記入し、
子供達はただじっとそれを見つめている。
この年では、まだ「子供は親の所有物」であり、
一個の人間としての権利を与えられていないということだ。
親から離れては生活出来ない間は、
自分の意志がどうであれ、「Yes、No」を自分では決められない。
監督が保護された子供達にスポットを当てたのも、
こうした非力さへ手を差し伸べたかったのかも知れない。

東京まで辿り着いた光一が、施設内で子供達の教育係をしていた
伊沢と再会するシーンは印象的だった。
厳しかった伊沢に反抗心を抱いていたはずの光一が
伊沢の顔を見て安堵の表情を見せるのは、
事件後のニュースや由希との旅の中で
徐々に揺らいでいた光一のアイデンティティーを
支えてくれたような気持ちになったのだろうか。
それとも、憎んでいたはずの伊沢にも
共に暮らすうちに肉親に近い情を抱いていたのだろうか。
私はどちらもあるように思えたが・・・

光一を演じた石田法嗣も由希を演じた谷村美月も
ほぼ文句なし、パーフェクトな演技だったと思う。
石田法嗣は、柳楽優弥が「誰も知らない」で主演した時と同じ
14歳で光一を演じているが、眼光の鋭さは柳楽に一歩譲るものの
寡黙な性格の奥にいくつもの表情を浮かべる光一を見事に演じている。

文句があるとすれば、
りょうとつぐみが演じた二人組に今ひとつ存在意義が薄いことと、
最後の台詞を聞いてすぐに席を立った方がマシというほど、
エンディング曲が全てをぶち壊しにしてしまっていることだ。

決して万人向けの題材ではないが、
年間何本も観られる映画ではないのも確かだ。
お近くの地域で上映しているなら是非劇場でご覧いただきたい。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:カナリア
    配給:シネカノン
   公開日:2005年3月12日
    監督:塩田明彦(「害虫」「黄泉がえり」)
    出演:石田法嗣(「バーバー吉野)」谷村美月
 公式サイト:http://www.shirous.com/canary/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最後の最後で…「インファナルアフェア・終極無間」

2005年04月01日 | 作品紹介(映画・ドラマ)


■DVD:「インファナルアフェア・終極無間」


アンディ・ラウとトニー・レオンという
アジア映画のスターを揃えただけでなく、
緻密に組み立てられたシナリオと大胆な演出で大ヒットを飛ばし、
香港映画の名を世界中に知らしめた「インファナルアフェア」。
ブラッド・ピット製作、マット・ディモン×レオナルド・ディカプリオの共演で
ハリウッドリメイクも決定した「1」が
非の打ち所のない傑作であることは誰もが異論のないところであろう。
続く「無間序曲」が思いの外良く出来ていたことも嬉しい誤算であった。
何の予備知識もなしに本作を観ることは自殺行為にも等しいので
もしご覧になる予定があるなら、前2作を復習(未体験者は予習)してから
劇場に足を運ぶことを強くお勧めしておこう。
私も念のため前2作を復習してから試写を観たのだが・・・

待ちに待った最終章がこれとは、
シリーズファンとしてはどうしても納得がいかない。
映画のジャンルそのものがまるで変わってしまっているのだ。
私は「インファナルアフェア」は人間を描いたドラマだと思っていた。
「踊る大捜査線」のような軽薄な警察モノではなく、
男が痺れる男のドラマだと思っていたのだ。
が、本作は出来の悪いサイコサスペンスのような映画になってしまっている。

停滞を続けていた香港映画が生んだ久々のメガヒット作だけに、
ヒット直後に続編製作が決まったのは当たり前の話かも知れない。
だが、続編を作ると決めたならシリーズの名に恥じない物にするべきだ。
アンディ・ラウもトニー・レオンも出演しなかった
「無間序曲」は、ラウとヤンの若かりし頃を描くことで、
何故潜入捜査官としてマフィア(警察)に身を置くことになったのかが
分かるように作られており、
ウォン警視とヤンの師弟関係を超えた繋がりや
サムの妻に想いを寄せるラウの心情など、
「1」のファンが知りたかった部分にきちんとスポットが当たっていたように思う。

しかし「終極無間」は、
別に知りたくもなかったエピソード無駄に膨らまし、
話の繋がらない部分を新たに用意したキャラクターで補完するという
かなり強引なやり方で辻褄を合わせようとしている。
いただいたプレスシートの中でアンドリュー・ラウ監督は
「『1』のヒット後『2』『3』のプロットが同時に立ち上がった」と語っており、
脚本も担当したアラン・マック監督は
「『インファナル』は当初から『1』と『3』の企画があり、
 『2』の企画は『1』の撮影中に生まれた」と語っている。

ここからはあくまでも予想なのだが、
「1」がヒットしたことで続編制作にGOサインが出たが、
どうせなら三部作にしたらどうだということで「2」を急に作ったのではないか。
「2」で過去の部分を随分と描いてしまったため、
残りのエピソードだけで「3」を作るにはボリューム不足になり、
不要な部分にまで手を出すことになってしまったのではないか。

最大の疑問は、今作で登場するヨンとシェンの二人が
ストーリーの根底を揺るがすほどの重要なポジションにも関わらず
「1」や「2」で描かれていないのことだ。
初めから続編を想定して作られたというのなら、
少しでも顔を出して伏線を引いておいてくれなければ
「実はこういうことでした」と言われても
「そんなのアリかよ」ということになってしまう。
「なるほど、そういうことだったのか」ではなく、
「いかにも取って付けたな」と思わせては失敗だと思う。

「2」で過去を描いたからもう過去に関してのエピソードが残っておらず、
完結編というからにはトニー・レオンを出さないわけにもいかず、
現代の話をアンディ・ラウだけで転がすにはキャラクターの数が足らず、
結果としてヤンが射殺された2002年11月27日を境に
アンディ・ラウとトニー・レオンのバランスを壊さないように
ストーリーが過去へ現代へと無意味に行き来する。
これでは、付き合わされた観客は(悪い意味で)たまらないと思う。

最後の最後でコレとは、もったいな過ぎてお化けが出そうだ。
もったいないお・・・止めた。



■DVD:「インファナルアフェアトリロジーBOX」


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:インファナルアフェアIII 終極無間
    配給:コムストック
   公開日:2005年4月16日
    監督:アンドリュー・ラウ×アラン・マック
    出演:アンディ・ラウ、トニー・レオン、ケリー・チャン、他
 公式サイト:http://www.infernal.jp/index_top.shtml
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

頑張る親父「大統領の理髪師」

2005年04月01日 | 作品紹介(映画・ドラマ)


■DVD:「大統領の理髪師」


相変わらずもの凄い勢いで流れ込んでくる韓国映画だが、
ハリウッド映画ほどバイヤーの目が鍛えられていないのか、
日本で公開される作品の質にかなりムラがあるのが気になる。
どの国のどのジャンルであれ、アタリハズレは当然あるのだが、
韓国映画はハズレが多い一方、アタリを引いた時は
年間でも5本の指に入るほどの傑作だったりするため
「次こそは」という思いから止められなくなってしまう。

今回紹介する「大統領の理髪師」は「アタリ」だ。
1960年3月の李承晩大統領の不正選挙から
1979年10月の朴正煕大統領暗殺までの約20年間にスポットを当て、
大統領付きの理髪師という、一庶民であると同時に国の心臓部を
覗き見ることの出来る特権的なポジションの男の目線から
圧政により支配されていた当時の韓国を
少しの毒気と独特のユーモアを交えて描いている。

本作では、韓国軍事独裁政権下という時代の「空気」は再現されているものの、
そこで繰り広げられる悲喜交々のエピソードの大半はフィクションである。
映画の重要なウェイトを占めている下痢事件に関しても
実は監督の創作であると後で知った。
エピソードに笑いを誘うものが多いのは、
声高に非難するよりおちょくってやった方が面白いという
イム・チャンサン監督ならではのアプローチなのだろう。
韓国映画でこの手の題材を扱うとどうしても重く、
泥臭くなってしまうのだが、視点をぼやかすことなく、
ここまで軽い味に仕上げたのは素晴らしい。
聞き慣れない名前の監督だったので
過去に何を撮った人なのかと調べてみたところ、何とこれがデビュー作とのこと。
映画の振興に政府が強力な支援を行っている現在の韓国映画事情が
こういった若い監督を続々と生み出しているのだろう。
羨ましい話だ。
「箪笥」「殺人の追憶」「大統領の理髪師」
これらが全て若手の作品だということを考えると
日本は大丈夫なのかと不安になってしまう。

それにしてもソン・ガンホは上手い。
一庶民が大統領付きの理髪師という晴れ舞台に
連れて来られたことによる喜びや戸惑い、
周囲に対する少しの優越感や警護室長への畏れなどが
スクリーンから滲み出ている。
逆らうことの出来ない力と、
逆らってでも守るべき者の狭間で揺れる
ただの理髪師の親父の人生がこれほどまでに胸を打つのは、
ソン・ハンモという主人公をソン・ガンホが演じたからに他ならない。

2002年に公開された「バティニョールおじさん」という
フランス映画があるのだが、
あの映画も歴史の陰で活躍(と言ってもささやかなのだが)した
街の肉屋の親父の話であった。
「大統領の理髪師」は「バティニョールおじさん」に似ている。
体制に異を唱えて奮闘する親父というのは、
どこの国でも愛すべき存在なのかも知れない。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:大統領の理髪師
    配給:アルバトロス・フィルム
   公開日:2005年2月11日
    監督:イム・チャンサン
    出演:ソン・ガンホ(「殺人の追憶」)ムン・ソリ(「オアシス」)
 公式サイト:http://www.albatros-film.com/movie/barber/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする