忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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「おこぼれ需要」を当て込んだ作品に「アタリ」無し

2005年11月25日 | 業界四方山話
「ドラゴンクエスト」がヒットしたからこそ、
「桃太郎伝説」や「ファイナルファンタジー」などの
後続作品が生まれたわけで、ジャンルというものは
名作・駄作を含めたフォロワーが多数集まって
徐々に発展していくものだと承知はしているつもりなのだが・・・
それにしても、近頃のフォロワーの志の低さは目に余る。

「脳を鍛える大人のDSトレーニング」のヒット以降、
続々と発表されている右脳鍛錬系ソフトの中で、
どれか1本でも「『脳トレ』を超えるぞ!」という心意気で
制作されたソフトがあるのだろうか。
「脳トレ」は、ゲーム化する際のアイディアが秀逸だっただけであり、
プログラム的にはさほど高度な技術は使われていない(と思う)。
「とっかかり」さえ掴めてしまえば、同系列のソフトを作るのは容易なのだ。
そういう意味では、(今後のリリース予定も含めた)右脳系ソフトの乱発ぶりは
「弟切草」「かまいたちの夜」のヒット後に腐るほどリリースされた
サウンドノベルブームにも通じるものがある。

拝借したアイディアを活かして
元ネタ以上に面白くなっていれば問題ないのだが、
フォロワーのレベルは総じて低い。
グラフィックが粗かったり、操作性が悪かったり、
基本の部分がおざなりになっている物が多過ぎる。
「旬のジャンルに、旬を過ぎないうちに投入する」ことを
最優先しているからとしか思えない。
カプコンの「戦国BASARA」は、決して元ネタは超えていないが、
キャラクター性と演出面の強化で活路を見出した数少ない成功例であろう。
「おこぼれ」にあやかりたいなら、
「戦国BASARA」ぐらいを最低ラインにして欲しい。

ブームに便乗して詰めの甘いソフトをリリースすることは
結局はメーカーの信頼低下に繋がっていることに気付いているのだろうか。
向こう1年間の安定を得るために、
5年後を棒に振るような施策は間違っていると思う。
タイムリーな話題で例えるなら、どこぞの一級建築士と同じだ。

「ポケットモンスター」・・・に似たB級RPG
「真・三國無双」・・・かと見紛うB級アクション
「どうぶつの森」・・・を彷彿させるB級シミュレーション
「脳トレ」・・・の劣化コピーでしかないB級ミニゲーム集



制作者の愛情もプライドを感じられないソフトなど、私は要らない。

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36 コメント

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1ゲットかな?(・・;) (泣き虫)
2005-11-29 17:38:42
うまく表現できませんが、脳トレは革命的な作品でしたよね。

このゲームを超えるのに、なかなか難しいと思います。



ちなみに、既に海外発売決定の脳トレですが、名前が決定されました。

その名は、“DS Training for Adults”です。(大人のDSトレーニング)

ゲームデザイン専門ブログでも大きく取り上げられ、研究されているようです。

http://lostgarden.com/2005/10/game-design-review-ds-training-for.html

川島さんの著作も分析されているようです。(笑)

ゲーム画像:(出元:海外ゲーム誌 Nintendo Power)

http://www.n-philes.com/forums/showthread.php?t=21914
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・・・・ (MORE)
2005-11-29 19:37:23
ども、虫さん「ユニバース」にはお邪魔しました。

しかし、まあ、いつの時代にも類似品はありますなあ。

ガンダムの類似品「ガンガル」とか、新世紀エヴァンゲリオンの類似品「新戦記ヴァンゲイル」とか・・・・。

バーコードバトラーのドラゴンボールのカードを加えた類似品(バ○ダ○製品)とか、

ポケモンの類似品の「げげげの鬼太郎」(鬼太郎には罪は無いが・・・・)

まあ、これらは時効だからいいけどね・・・・。



最近でも・・・・まあ、実名を挙げないところが忍さんの優しさかな。でも、いわずもがなですけどね。
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DSはアイデアで勝負できるハードのはずなのに (cocomuts)
2005-11-30 00:54:13
お久しぶりです。

(nintendogsのとき1度だけお邪魔しました)

模倣品について、DSのみに話題を絞って書かせていただきます。



どこかは忘れたのですが、

「ニンテンドーDSは低予算でもアイデアしだいで面白いものが作れる」

というメリットがあると読んだことがあります。

それなのに結局、アイデア借りパクの類似品が増える…というのは、なんか残念ですね。



MOREさんがおっしゃるように、いつの時代も笑えるB級模倣品はありますね。

ただ、新しいアイデア・新しい経験に出会えるかも…という期待感の中で、作る側のが見覚えのある商品しか提示できないというのは、笑えない状況だなぁ、と思います。

まして、マネッコさえ上手くできてないとなれば。

もとのアイデアに、プラス1でいいから、独自のものが加えられれば、最初のエポックメイキングに続く、ジャンル形成の役割を担ったと見られなくもないんですけどね。
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Unknown (teke)
2005-11-30 09:48:41
こういうモノは、作っているほうも

コバンザメを自覚していて

「アタリ」など狙っていないと思います



ヒット作のあとに似たようなモノが沸くのは

お祭りがあれば屋台が出るのと同じくらい自然なことで

無ければ逆に寂しいような気もします



むしろ「似たような何か」が沸いてきたとき

それでもやっぱり○○(オリジナル)が一番だ!と

思ってもらえて(○○もそれなりに努力をして)

確固たるブランドになっていくのだ、と思いました
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Unknown (SSS)
2005-11-30 13:24:00
今回のお題は安易な二番煎じですか。

確かに時には皮肉の一つも言いたくなる時もありますが、

考えてみれば、ゲームが氾濫してる現在、

オリジナルと優秀なフォロワーやってるだけで

十分以上に時間を潰せるのでそんな目くじら立てる事も無いだろう、という感じですね。
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プライドの問題 (hiroshi)
2005-12-01 01:12:53
「人を楽しませる仕事」はつねに人と違うことをやらなきゃいけないと思っています。

そこがこの業界の一部には欠けてると思います。

作ってる人間はまねしてることに何か感じないのだろうか?
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Unknown (お米券)
2005-12-01 18:35:33
マネはしてもいいとは思いますが、ただ元ネタを作った人たちへの敬意を忘れてはならないと思います。その辺が作品の出来にも関わってくるのではないかと。

俺の好きなシューティングで言えば、雷電シリーズは東亜作品の明らかなパクリですがそこを突っ込ませないほどの完成度を誇ったからこそ一時代を作ったわけで。ウォーオブエアロや1945kIIIでは問題外だというわけで。



最近は自社製品の価値を下げるような方向にもっていく会社も多いですがね。戦国キャノンなんて旧彩京スタッフに対する冒涜以外の何者でもないですし。
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パクりパクられ世界は回る (フリーユーザー)
2005-12-01 23:45:55
 こちらに書き込ませていただくのは久しぶりです。最近は本館の更新が少なくてさびしい限りですが、その分別館の方には毎日のようにお邪魔しております。



 パクリソフトというのは世の常ではありますが、確かに最近「教授」系のゲームが増えておりますね。しかしこれだけフォロワーを生み出す「教授」というソフトのハンパない実力も、同時に垣間見た気がします。「教育ソフト」というジャンルをここまで押し上げた「教授」、やはりタダモノではないですなあ。



 ところでサウンドノベルは今でも好きなジャンルですが、ここもチュンソフトの成功以降、玉石混合のタイトル雨あられ(文が変?)だったですね。アテナの「夜光虫」なんかはわりと好きでしたが、イマジニアの諸作品、「ざくろの味」とか「月面のアヌビス」とかには泣きました。あれに当時1万円近いおカネを払ったのかと思うと…。そういえばパックインビデオのソフトとかもありましたね、赤川次郎がシナリオ書いてた作品(タイトル忘却)。チュンソフトに並んだかと私が思う他社作品は、今は亡きパンドラボックス開発の「学校であった怖い話」と「晦」くらいでしょうか。



 「教授」のようなジャンルがこれからさらに隆盛していくのかは分かりませんが、今後本家並みのクオリティを持つ他社作品が多く出てくるようなら、高齢化社会の現在、ゲーム界の新たな主要ジャンルの1つになる可能性もありそう。各社の奮起に期待したいです。
返信する
む、 ()
2005-12-04 00:57:55
>泣き虫殿



うむ、「脳トレ」は「メイドインワリオ」に続き

任天堂が大きく進化した作品だと思う。



>MORE殿



最近の模造品に関しては、わざわざ名を挙げる間でもないので。



>cocomuts殿



うむ、出発点が模倣であったとしても、

完成品には何らかのオリジナリティが欲しい。

それだけでも印象はかなり違うはずなのだが・・・



>teke殿、SSS殿



うーむ、申し訳ないのだが、

初めから「アタリ」を狙っていないようなソフトは

発売していただかなくても結構というのが私の考えだ。



当て馬があってこそパイオニアの価値が向上するというのも

わからないでもないが、

似て非なるB級品を掴まされたユーザーのことを考えると、

やはりあまりにも程度の低いものは出すべきではないと思う。

目に余るB級品の連発はそのジャンルを潰してしまう。



>hiroshi殿



そう、これは「プライド」の問題なのだ。



>お米券殿



非常に分かり易い。

クロスノーツはすっかり悪名高いメーカーになってしまったな。

まぁ、内部事情を考えればそれも仕方ないのだが。



>フリーユーザー殿



む、「ざくろの味」は私はさほど嫌いではないのだが・・・

むしろ巷では高評価の「学校であった怖い話」は

「外れ」なシナリオが多過ぎて今ひとつに感じてしまった。

「晦」に関しても同様なのだが、「学校」よりは遥かに良かった。













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悪貨は良貨を駆逐する (くるっとパンチ)
2005-12-04 19:55:07
忍さんお久しぶりです

最近はすっかり寒くなりましたが、お元気ですか?

こんなしんしんと寒い冬の夜はおこたに入ってぬくぬくと

ジオン独立戦争記みたいな小難しいSLGゲームを

まったりのんびりプレイするのが一番です。

(寒いと手がかじかんで、ACTはとても無理w)



「ううっ、虎の子のガンダムがまた撃墜された。」

ガンダムがへなちょこで弱いガンダムゲーなんてイラン!

ブーブー言いながらも、ちょこちょこやってます

それはさておき、「脳トレ」はやったことないけれど

「旬のジャンルに、旬を過ぎないうちに投入する」

というメーカーは意外と多いです。

それゆえに完成度が低くなるのも当たり前かも

メーカーに余裕がないので仕方ないかもしれないけど

「このゲームを真似て、とりあえず形にしてくれ。」

とか言われたら社員のやる気が出るわけないし

そんな状態で作られたゲームがおもしろいわけない

"悪貨は良貨を駆逐する"という諺があるけど

そういう意味ではソニーは色んなジャンルのゲームを

大量に発売し、ゲームの垣根を広げた功績はあるけれど

その反面、悪貨も大量にばらまいてしまった。

また廉価版の乱発でユーザーからの信用も失いつつある。

(廉価版も長い目で見ればマイナスにしかならないのに。)



これからは任天堂のようにある程度ソフトを絞り込み

良質のソフトを供給するようにしないと

時間をかけて良作を作るメーカーをつぶしてしまう。

本当におもしろいものを作るというメーカーの心意気と

良質の作品しか買わないというユーザーの強い信念が

大事になると思います
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