忍之閻魔帳

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【訃報】谷村新司、74歳

2023年10月16日 | 忍之日記


▼【訃報】谷村新司、74歳


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「昴」「いい日旅立ち」「三都物語」など、日本の音楽史に残る名曲を
いくつも生み出してきた谷村新司が亡くなった。74歳。

ここ数年、単なる老化では説明がつかないほど
見かける度に痩せて小さくなっていたので
健康面に何かあるのではと思っていた矢先に腸炎で休養に入り、
休養期間の延長を発表した後に放送された今年の24時間テレビには
肉声のない文字だけのコメントを寄せていて、相当悪いのではと心配していた。
ただ、復活を目指して闘病しているとのコメントを信じていたし
何より74歳という若さから、来年にはきっとアリスの活動再開があると信じていた。
残念でならない。



私と谷村新司の関係は年齢と共に変化していった。
まず姉がアリスにハマり、その影響で曲を聴くようになった。
アリスの人気曲は「チャンピオン」や「冬の稲妻」のようなハード系の楽曲に偏っていたが
私は「秋止符」や「遠くで汽笛を聞きながら」が大好きで
今でもカラオケの十八番だったりする。



その後、深夜ラジオを楽しむ年頃になると
MBS「ヤングタウン」で嬉々としてエロトークを披露する様子に衝撃を受けつつ
中島みゆきの「オールナイトニッポン」と並ぶ二大お気に入り番組として
毎週放送を楽しみにしていた。
松山千春・さだまさしとの3人で誰か一番最初に坊主になるかを予想したり
自虐ネタもお構いなしの気さくさで、関西圏ではパーソナリティとしての人気も爆発していた。
そんな「ヤングタウン」で、歌手としてもまたベストテンヒットを出したいとの企画が立ち上がり、
リスナーの力でベストテンに入れようと頑張ったのが、1983年発売のシングル「22歳」。
谷村のソロアーティストとしての最高位は、1980年に発売された「昴」の2位で売上は67.6万枚。
ソロ2枚目のシングルにしてアジア全土で愛される代表曲を出したが
以降はオリコンのベスト10に入るヒットは生まれていなかった。
私もシングルを買い、せっせと「ザ・ベストテン」にハガキを書いたり
有線にリクエスト電話をかけたりしたのだが、「22歳」のオリコン最高位は14位止まりだった。
しかし、「昴」に次ぐ34週ものオリコンチャートインを重ね、累計売上は27.6万枚と
ソロで発表したシングルでは歴代2位の好成績を収めた。
翌年には小川知子とのデュエット「忘れていいの」もヒットし
「ヤングタウン」で確立した「エッチな話もどんどんするシンガーソングライター」の
イメージをうまく生かしつつの歌手活動も安定した人気を得ていった。

そしてこの頃、今度は私が買ったアルバム「抱擁」に母がハマり
「忘れていいの」をカラオケで熱唱するようになった。
姉・私・母と人気が広がっていき、そのきっかけもバンド・ラジオ・ソロと
皆が違う入り口からファンになっているのが、谷村新司という人を象徴している。
山口百恵の「いい日旅立ち」から知った人もいただろうし、
やしきたかじんが歌った映画「機動戦士ガンダム」の主題歌「砂の十字架」が
最初に聴いた谷村メロディだったというアニメファンもいるかも知れない。
他にも柏原芳恵や中森明菜などに楽曲提供している谷村だが
山口百恵に関しては力の入れようが明らかに違っていて
アルバム収録の名曲と言われ、引退コンサートでも披露された「This is my trial」や
引退後にリリースされたアンコールシングル「一恵」など、どれも名曲揃いである。

谷村は同業のミュージシャンに対しても冷静な分析力を持っていた。
何の番組だったかは失念してしまったが、1980年代後半から1990年代前半のバンドブーム全盛期に
「20年後も活躍していそうな若手バンドはあるか」と聞かれ
「スピッツとMr.Childrenかな」と即答したのを今でも良く覚えている。

リアルタイムに聴いてきたアーティストの訃報はやはり寂しい。
同時に、自分の人生が折り返し点を過ぎたことを否応なく自覚させられる。
好きな人、好きなもの、好きなことをちゃんと楽しんで生きていかなくてはと改めて思う。

謹んでご冥福をお祈りいたします。



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4 コメント

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谷村新司さん (K)
2023-10-20 18:56:11
こんばんは。
訃報にばかり反応しているようで恐縮ですが、この方も大きな存在感のある方でした。
小学校低学年の頃に「冬の稲妻」や「君の瞳は10000ボルト」がヒットし、テレビの歌番組に出ないニューミュージックという人たちがいることを初めて知りました。
中学生になると、天才秀才バカと、中島みゆきのオールナイトニッポンがラジオの双璧でした。

その頃、日本で一番上手い歌手は男性:谷村新司、女性:岩崎宏美と確信していました。
なめらかで艶があり同時に張りと深みがあって、華やかに音色が広がってエッジも効いて。
弦楽器のように響く声でバラードもアップテンポもダイナミックに歌いこなす様はポップスの王道でした。

気さくで分け隔てなく愛想よく、自由闊達で洗練されていて、知性があって。
大げさかもしれないけど、日本の戦後文化の一番の良さを万遍なく体現されていた一人のように思います。
歌はもちろんですが、人柄からにじみ出る空気感がどこかに引き継がれてゆくことを望みます。
返信する
Kさん ()
2023-11-02 16:23:47
こんにちは。

大変失礼しました。
せっかくいただいたコメントを承認だけして
返信を忘れておりました。

私もKさんと全く同じ青春を通り抜けてきましたので
コメントいちいち深く頷きながら読ませていただきました。
今ってよく「一番歌の上手いシンガー」っていう括りの
アンケートが素人玄人問わず様々な形で行われていますが
つくづく声量や音域が判断基準なんだなって思わされますよね。
表現力の突き抜けた人は絶対にトップにはならないし
完璧すぎてもやはり上位には来ない。
カラオケの採点気が加点要素とするしゃくりやビブラートを
多様する歌い方が、世間でも「うまい」とされていることに
少なからず失望したりします。

谷村さんや岩崎宏美さんは、「その辺は最低条件」とした上で
さらに細やかな心情を乗せる歌唱ができる人たちですから
Kさんと同じく日本でもトップレベルだと私も思います。

谷村さん、ラジオを聞くと驚くほど気さくなおじさんで
そこも大好きだったんです。
70代でお亡くなりになるのは残念でなりません。
返信する
Unknown (K)
2023-11-07 07:08:26
忍さん、返信とお気遣いありがとうございます。

24時間テレビなどを通じて気さくな人柄が幅広く親しまれていたという点でも稀有なアーチストですね。
場所を問わず構えることなくトークできる力量は広い芸能界でも屈指の存在だったと思います。

歌の上手い方といえば、先日ラジオで小坂忠さんのライブ録音の曲を聴いて驚きました(今さらですが)。
Many rivers to crossでしたが、こんなに上手かったんだと驚きました(二回目)。
このボーカルを味わうのは若いころの自分では難しかったかもとも思いました。
返信する
Kさん ()
2023-11-07 14:06:30
こんにちは。

谷村さんもですが、あの当時に活躍していた
有名人ってウィットのセンスがありますよね。
今のような老害的なことではなくて
井上順さんとか、さだまさしさんとか、女性では研ナオコなんとか森山良子さんとか
みんなお話が軽妙で、ちょっとシャレていたりして。
素敵な時代だったなあと思います。

小坂さん、残念ながらお亡くなりになってしまいましたが
私はもうずっと大好きなシンガーでした。
(周年ライブの感想も過去に書いてますのでよろしければ・笑)
ソウル&ゴスペルシンガーとしては日本を代表するお一人だったと思っています。
小坂さんのような、功績が正当に評価されていないアーティストって
日本にたくさんいるんですよね。
返信する

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