■PS2:「鉄拳5」
誰がどう見ても「バーチャファイター」の後追いであった
「鉄拳」シリーズがここまでビッグネームに育ったのは、
コンシューマー版の大ヒットが原因であることは間違いない。
PS1:「鉄拳1」100万本
PS1:「鉄拳2」110万本
PS1:「鉄拳3」120万本
と、「バーチャファイター」シリーズと比べても全く遜色ない。
どころか、「2」より「3」が伸びている辺りは超えているとさえ言えよう。
しかし、ハードをPS2に移してからの「鉄拳」は衰退の一途を辿っている。
PS2:「鉄拳TT」45万本
PS2:「鉄拳4」 35万本
これについては、「バーチャ」の斜陽ぶりを見ても分かる通り、
3D格闘というジャンルそのものの衰退が最も大きな原因と思われる。
より複雑化していく操作方法と、覚え切れない程の技の数、
進化の過程で(私を含む)初心者を切り捨てた以上、今日の状況は想像通りとも言える。
今回、ナムコが最新作「5」をリリースするにあたり
掲げたお題目は「原点回帰」だったそうだ。
戦略性を追求し過ぎた「4」が評判的にもセールス的にも苦戦したことを反省し、
今回は何よりもまず壮快感を重視したバランス取りがされているらしい。
私は「鉄拳」はPS版の「3」までしかプレイしていないので比較は出来ないのだが、
アーケードのインカムが前作の約3倍のペースで推移しているところを見ると、
今回の選択はユーザーには好意的に受け止められていると言えそうだ。
また、ナムコは今回の「鉄拳5」で最近流行りのICカードを導入した。
会員登録数も、アーケード版のリリースから3ヶ月間で
5万人突破(カードの販売数は10万枚以上)とまずは好調の様子。
ちなみにICカードとは、アーケードゲームにおける個人データを保存出来るカードで、
「鉄拳」の場合であれば、プレーヤーの強さを表す「段位」や、
プレイするたびに貯まる「ファイトマネー」でアクセサリやコスチュームを購入し、
キャラクターを自由にカスタマイズすること等が出来る。
コンシューマーへの移植は、前作「4」までは
アーケード版のリリースから約8ヶ月が経過してからの移植だったが、
今回はリリースから3ヶ月という急ピッチでの移植が実現した。
また、アーケード版との連動をより効果的なものとするために、
初回納品数の30%には
特製データ(オリジナルの「段」など)の入ったICカードを同梱するらしい。
と、聞き齧りのデータを書いてはみたが、
正直、これだけではもうひとつパンチが弱いように思う。
しかし、ナムコはこれだけでは終わらせなかった。
今回は「鉄拳」シリーズ生誕10周年ということで、
モード数もやたらに豊富なのだ。
★アーケードバトル・モード・・AC版を家庭用にアレンジしたモード。
★ストーリーバトル・モード・・各キャラ毎に異なるストーリーを用意。
★タイムアタック・モード・・・クリアタイムを競うモード。
★バーサスバトル・モード・・・2P対戦用モード。
★チームバトル・モード・・・・複数のキャラを選択する対戦モード。
★プラクティス・モード・・・・技の練習が出来るモード。
★カスタマイズ・モード・・・・アイテムを購入してカスタマイズするモード。
★鉄拳ADVモード(仮)・・・・風間仁にまつわるストーリーをベースにしたアクション。
★シアター・モード・・・・・・クリアした映像を見るモード。
と、これだけでも凄いボリュームなのだが、
私が最も注目したのは「アーケードヒストリー・モード」だ。
業務用の「鉄拳」をPS2用に完全移植した物が丸々1本入っているらしい。
さらに、現在「鉄拳2」「鉄拳3」も同時収録の予定で開発中という。
これには驚いた。
実現すればこの1本で「鉄拳」の黄金期が全て揃うことになるのだ。
「2」「3」に関しては、発売日までの進行状況を見て
最終的な決定がされるらしいが、ぜひとも実現して欲しい。
テレホンショッピング風に言えば
「え?これだけ全部入って7140円?(おばちゃん達拍手)」という感じだ。
もう手を出すまいと思っていた3D格闘だが、
久々に心動かされたソフトだった。
「1」「2」「3」が揃うなら、久々に買ってみようかと思う。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
タイトル:鉄拳5
機種:PS2
メーカー:ナムコ
発売日:2005年3月31日
価格:7140円(税込み)
公式サイト:http://namco-ch.net/tekken5/index.php
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
自分も「2」の頃まではかなり熱心にプレイしていたクチでしたので、往年の作品を同時収録しているとなると、ものすごく購入意欲をそそられます。もちろん本編もかなり面白そうで、久しくゲーセンに足を運ばなかった自分も、行ってプレイしたくなりました。
最近「グラディウス」の新作をプレイして久々にシューティングに回帰した自分ではありますが、ここらで格闘ゲームに回帰するのも良いかもしれません。「鉄拳5」、購入を前向きに考えようかと思います。
ソウルエッジやキャリバー系は、適当に技ボタンを押しているだけで勝てて楽しかったのですが、今回の鉄拳5は本道の方で挫折しても、他で熱中できそうで惹かれます。
鉄拳2、3も収録となると正に一粒で2度おいしいどころか300メートル走れそうな勢いです。
色々とモードがあっても結局面倒になってやらなくなる。
ユーザーをたのしませようというのはわかるんだけどね。
早期移植だけにオペレーターの人は納得いかないだろうな。
共存は簡単な話ではないと思うが
もう一度、アーケードにユーザーを引っ張り込むことが出来るか注目。
「4」ほど外してはいないもののどうにも微妙な仕上がりで
個人的にはあまり好意的に受け止められないんですが…
(8号でメシ食ってたせいか、早期移植自体に不快感が拭えないというのもありますが)
>アーケードのインカムが前作の約3倍のペースで推移している
アーケード版「4」がほとんど受け入れられなかった事と
「5」の出荷台数を意図的に絞っている事は踏まえる必要があります。
「バーチャロンフォース」等と同様、限られた聖地系店舗にマニアが集中するので
1店あたりのインカムは向上するという構図になっているんですね。
で、家庭用ですが、仮に1,2,3全てを収録して
さらにバーチャ4並に充実したトレーニングモードが付いていても
PS2版TTや4と同程度に留まるのでは、と見ています。
PS1時代より続編3D格闘の需要が落ち込んでいるのと、
ジャパネットたかたの如く大量のオマケで飾り立てても
鉄拳5本来の商品力を越える事は難しいと思うんですよね。
でも、オンライン対戦付けたら本当にアーケードの方がピンチになりそうだから無理か。ZガンダムはPS2版発売後にアーケードに人が来たらしいけど。
カラテカvsテコンドーでもいいけど。
鉄拳5はネット対戦には対応しないのでしょうか?
個人的には初代の完全移植は「無いよりはシ」程度に考えています。
PS2に昔の鉄拳を完全移植するなら鉄拳3にしてほしいですね。
初代と2はPSと互換性のある業務用基板ということもあり、PSに忠実に移植済みですから。
それに対し、鉄拳3はPSに移植する際、背景を2D化するなど劣化が激しかったので(当時はそれでも十分遊べましたが)。
>>個人的には初代の完全移植は「無いよりはシ」程度に考えています。
正しくは「無いよりはマシ」です。すいません。
それと、PSの鉄拳1って100万本も売り上げましたっけ?
私は初代鉄拳は50万本、鉄拳2がPS初のミリオンヒットだと記憶しているのですが・・・。