忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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【4K修復版発売】映画「オールドボーイ」が繋ぐ、日本と韓国の新たな関係

2022年11月16日 | 作品紹介(映画・ドラマ)


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本記事は【紹介記事】映画「オールドボーイ」が繋ぐ、日本と韓国の新たな関係に一部加筆したものです。

今年(*2004年)の韓国映画は本当に凄かった。
インド、イギリス、台湾など、特定の国の映画が一時的にブームになることは過去に何度かあったが、
今回ほど規模が大きく、かつ粒の揃ったブームは過去に類を見ない。

今回紹介する映画「オールドボーイ」は、昔ながらの韓国映画のテイストと、
ここ数年で急激に垢抜けた韓国映画のセンスの両方を兼ね備えた映画だ。
原作は96~98年にかけて漫画アクションで連載された土屋ガロン×嶺岸信明の同名コミック。
そう、原作は日本生まれなのだ。
この原作にいち早く目をつけ、本作の監督であるパク・チャヌクに映画化を勧めたのが
ポン・ジュノ(「殺人の追憶」の監督)であり、この二人と情報交換し合うほど仲が良いのが
キム・ジウン(「箪笥」の監督)であるという。
「殺人の追憶」も「箪笥」も、私的には今年公開された映画の中で
ベストテンに入るほど好きな作品だけにこの交友録には非常に納得させられた。
三人とも日本のホラー映画やゲーム、コミックに造詣が深いこともあり、
彼等の手掛けた作品は皆どこか日本的であり、
しかし日本では絶対に出来ないテイストを含んだ仕上がりになっている。

ネタバレに抵触するので詳しくは書けないが、倫理や法律では絶対に許されない
愛が生んだ悲劇と、純粋過ぎた故の狂気を見事に描いた傑作になっている。
復讐する側の執念と復讐される側の鈍感さのコントラストは、日本でもしばしば問題になるいじめに似ている。
いじめた側は学校を卒業すると同時にそのことを忘れるが、いじめられた側は一生忘れない。
加害者の最大の罪は、犯した罪を忘れてしまうことであり、
被害者の最大の屈辱は、加害者が自分の犯した罪を忘れてしまうことなのだ。

映像表現はこの上なくストレートで、目を背けてしまうような残虐シーンも多々登場する。
テーマといい映像といい、この映画が日本で製作されていたら、
セクシー女優上がりを使って露出を売りにするようなVシネマか、
残虐シーンを全て修正(またはカット)し、肝心のテーマもぼやかした
「デビルマン」のような生ぬるい作品になっていたことは間違いない。
日本はコミックやアニメの世界は割と規制が緩いが、実写の邦画はまだまだ厳しい。
「バトルロワイヤル」程度で公開中止だの何だのと騒ぎ立てるレベルでは
ここまでストレートな映像化は出来なかったと思う。

日本生まれながら日本では映画化不可能、
今後はこういうパターンが増えるのかも知れない。
日本人としては残念なことではあるが、原作のイメージを粉々にされるよりは100倍マシだ。
軟派な韓流ブームに乗っかった奥様方には到底お勧め出来る代物ではないし、
「GANTZ」のような小綺麗な残虐さで喜んでいる中高生にも刺激が強すぎる。
観る人をかなり選ぶ映画ではあるが、ピンと来た人なら迷わずお勧めだ。



紹介記事の日付をチェックすると2004年10月26日だった。
何ともう18年も前になるのか。最近こればかり書いている気がする。

その後、韓国映画は破竹の勢いで良作を連発し、
ポン・ジュノは2019年の「パラサイト 半地下の家族」で
韓国映画史上初のアカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞を受賞。
今やハリウッドでも新作が待たれる人気監督の仲間入りを果たした。
記事中でも紹介しているキム・ジウンは「ラストスタンド」で
パク・チャヌクも「イノセント・ガーデン」でそれぞれハリウッド進出を果たし
韓国系の移民二世であるリー・アイザック・チョン監督も
2020年の「ミナリ」で監督賞にノミネートされた。
配信関連でも「イカゲーム」の世界的なヒットは記憶に新しく
韓国発の映画やドラマは今世界を席巻している。
ポン・ジュノが「殺人の追憶」を発表した時に
「これは今後すごいことになるのでは」とうっすら感じてはいたが
2022年の現在の韓国コンテンツの世界進出は、私の予想を大きく上回っている。

ただ、日本の映画ドラマ業界もNetflixやAmazonプライムなど
外資系サブスクの後ろ盾を得て「全裸監督」のような攻めた作品も登場し始めており、
地上波の縛りが解けないならと、配信に活路を見出した監督や俳優は増加しつつある。
とはいえ、「オールドボーイ」を日本のキャストで映画化するのはまだしばらくは無理だろう。
「愚行録」のようなアプローチならあるいはとも思うが、
このストーリーと演出で引き受ける覚悟のある俳優がどのぐらいいるだろうか。
批判が出るであろうことも十分予想がついたにも関わらず
「新聞記者」への出演を決めた松坂桃李のような俳優と、
その選択をバックアップする事務所がもっと増えて欲しい。


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2023年2月10日はなぜか4K再発映画が多い。
「単館系の作品を観に行く」ことが生活におけるファッションの一部になっていた頃の
ウォン・カーウァイ作品が4Kレストア版になって2月10日より順次発売。
「恋する惑星」と「天使の涙」、「花様年華」と「2046」を同日にリリースするあたり気が利いている。
「ブエノスアイレス」だけ2ヶ月間が空いてしまうが、一番人気はこれではないかと思う。



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15日まではバトル・アクション編。


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