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閑雲孤鶴の日々  - Fire生活者の呟き -

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辞書を語る

2013年10月02日 | 書評 辞書
辞書を語る/岩波新書編集部/岩波新書/1992

内容が気にる内容なので購入し、しばらくつん読にしておいた本である。
その間、しだいに岩波書店の広辞苑の味気なさに辟易するようになり、この本を読まずに捨てるかどうか判断するために、斜め読みしてみた。

最初は、最近、話題の辞書を刊行できない岩波のこの本は懐古主義の本でしかないと、馬鹿にしていたのだが、実は、辞書の国家的意義について書いてある箇所を見つけ、その内容に驚いた。

それは、あの「大言海」の著者、大槻文彦が「広日本文典」という本の序論にて国語辞書の国家的意義に関する私見を述べたものだった。

その内容は、現代語に直して要約すると

一国の国語とは、外国に対する民族の証であり、国内的には日本人の公的感覚を一致団結させるものであり、国語を統一することは国家独立の基礎であり、標識である。従って、国語の趨勢は、国家の国家の盛衰に直結する重要な問題である。

となる。
また、彼は、政府の仕事として辞書編纂作業をしたのではなく、一個人として17年間かけ、「大言海」だけでなく、「広日本文典」という日本語文法書の執筆も行ったとのことであった。

ほかの箇所の評価はともかく、この箇所だけでも読む価値がある本だと私は思う。

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