これでもイギリスが好きですか/林信吾/平凡社/2003
イギリスに関する多方面のネタが詰まっているため、ネタ本としては面白い。
しかし、何から何まで断定調。
朝日新聞など、左翼系の権威主義の社説を読まされているような気分になる。
論文作法的には、事実なら出所ないし根拠を示すこと、推論・予想なら○○だろうと書くことになる。意見なら、と思いますとか、と考えますと書くことは常識。
著者は、雑誌編集者の経験から、断定調で書く流儀が絶対に正しい考えたかもしれない。
文章作法の世界では、取説感覚の文章力が必要との指摘がある。
https://yata-calas.sakura.ne.jp/fkdb/2024/06/07/%e5%bf%85%e8%a6%81%e3%81%aa%e3%81%ae%e3%81%af%e5%8f%96%e6%89%b1%e8%aa%ac%e6%98%8e%e6%9b%b8%e3%81%8c%e8%aa%ad%e3%82%81%e3%82%8b%e5%9b%bd%e8%aa%9e%e5%8a%9b/
バイオやプログラミングになると言葉と実体が1対1に対応しており、言葉の作業は実体を組み立てることになります。そのため先ずは実体を把握し、それを正確に表す言葉にし、言葉を組み合わせまたは組み立てていくことになります。これは部品を組み立てていくモノづくりと同じ作業です。こういう訓練をずっとしてきている理系出身者が取扱説明書に強いのは当たり前と言えます。
他人に情報を伝える行為についても、経歴、経験、住む世界が異なるため、同様の作法が必要となるはずである。
最後の方に、別の著者の本を推奨しているが、この方の文章もやや断定調。それも、一人のイギリス人の話からイギリスはこうである、日本よりも優れている、日本はダメな国と受け取られかねない表現が続出状態。
中立的かつ客観的に書くということは、事実は実体を正確に表す言葉を選び組み合わせること、推論・予想、意見はわかるように区別して表現することを習慣としたいものである。古今東西、専門家なら当たり前の作法のはずである。
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