哲学・後悔日誌

現代英米圏の分析的政治哲学を研究し、自らもその一翼を担うべく日々研鑽を重ねる研究者による研究日誌

解釈的概念としての真理-ドゥオーキンの近著をめぐって(2)

2012-03-25 04:53:40 | Weblog
ドゥオーキンの(価値の)ホーリズムと「よりよき解釈→唯一の正答」を両立させる鍵となる概念が、真理である。ドゥオーキンは、クリスピン・ライトが「決まり文句」とする、かの「雪は白いは雪が白いかつその場合に限り真である」で例示される真理のデフレ説the deflationary theory of truthを批判する。なぜならそれは、基準的概念として真理を扱う(すなわち、それに訴えれば文が真であると言 . . . 本文を読む

価値・概念・解釈-ドゥオーキンの近著をめぐって(1)

2012-03-22 01:23:14 | Weblog
単著に織り込む予定のドゥオーキンの平等論に関する議論(「ドゥオーキンは平等主義者か?」宇佐美誠・濱振一郎編著『ドゥオーキン』勁草書房、2011年所収)を、根本的な部分で変える必要はないと考えているのだが、それでも自らの哲学的基礎にまで踏み込んで法・政治哲学を展開するドゥオーキンの近著Justice for Hedgehogsを扱わなければならないとは思っている。精読を進めて行くに連れてストレスが溜 . . . 本文を読む