ドゥオーキンの(価値の)ホーリズムと「よりよき解釈→唯一の正答」を両立させる鍵となる概念が、真理である。ドゥオーキンは、クリスピン・ライトが「決まり文句」とする、かの「雪は白いは雪が白いかつその場合に限り真である」で例示される真理のデフレ説the deflationary theory of truthを批判する。なぜならそれは、基準的概念として真理を扱う(すなわち、それに訴えれば文が真であると言 . . . 本文を読む
単著に織り込む予定のドゥオーキンの平等論に関する議論(「ドゥオーキンは平等主義者か?」宇佐美誠・濱振一郎編著『ドゥオーキン』勁草書房、2011年所収)を、根本的な部分で変える必要はないと考えているのだが、それでも自らの哲学的基礎にまで踏み込んで法・政治哲学を展開するドゥオーキンの近著Justice for Hedgehogsを扱わなければならないとは思っている。精読を進めて行くに連れてストレスが溜 . . . 本文を読む