「テロリストのパラソル」、本日読了しました。
やはり藤原伊織はいいです。今回は泣きはしませんでしたが、最後の一文を読み終えた後、物悲しさがこみ上げてきました。
事件が起き、主人公がその謎を追うという点でこれも分類上ミステリー小説のひとつでしょうか。実際私はミステリーファンの友人からこの本を薦められました。
しかし、真相への手掛かりがパズルのピースのように徐々に集まって、最後にひとつの大きな絵を映し出した時、胸に訪れるのは謎が解けた爽快感というよりは、むしろ人の思いの絡み合った人間模様への哀しさでした。
私が小説を読む上で登場人物に魅力を感じると言うのは重要なポイントなのですが、藤原氏の作品も、その人間模様を描き出している登場人物達が非常に魅力的です。
主人公に限らず、関わる人々のすべてに人間的な厚みが感じられると言うのは、流石だなと思います。
私は単行本で読んだので、関口苑生氏の解説も収録されているんですが、そこでも取り上げられている作中の主人公の台詞、
「私達は世代で生きてきたんじゃない。個人で生きてきたんだ。」
というのが印象深いです。
本書の主人公が生きてきた全共闘の時代を、私はまったく知らない世代ですが、それでもこの台詞には、何かしら感じるところがあるように思います。
そう言えば、本書の感想とは直接関係はないんですが、解説部分でニーチェの言葉と作中の人物を繋げていまして…
「怪物と戦うものは誰であれその過程において、自分が怪物とならぬように気をつけねばならぬ。そして、深淵を覗きこむとき、その深淵も逆にみつめ返しているのだ」(ニーチェ)
この言葉を聞いて一瞬なんとなく、浦澤直樹の「MONSTER」を思い出した、というのは私が毎週毎週放映中のアニメ「MONSTER」を観てるからとしても。
「クロノクロス」というゲームに「炎がお前を見つめるとき、炎もまたお前を見つめている」というような言葉が出てきたのを思い出しました。
多分これもニーチェの言葉が元だったのではないかと思うんですが(当時はそんなこと考えもしませんでしたけど)、このフレーズは結構よく使われているのを聞きますね。
うーん、哲学って奥深い。
やはり藤原伊織はいいです。今回は泣きはしませんでしたが、最後の一文を読み終えた後、物悲しさがこみ上げてきました。
事件が起き、主人公がその謎を追うという点でこれも分類上ミステリー小説のひとつでしょうか。実際私はミステリーファンの友人からこの本を薦められました。
しかし、真相への手掛かりがパズルのピースのように徐々に集まって、最後にひとつの大きな絵を映し出した時、胸に訪れるのは謎が解けた爽快感というよりは、むしろ人の思いの絡み合った人間模様への哀しさでした。
私が小説を読む上で登場人物に魅力を感じると言うのは重要なポイントなのですが、藤原氏の作品も、その人間模様を描き出している登場人物達が非常に魅力的です。
主人公に限らず、関わる人々のすべてに人間的な厚みが感じられると言うのは、流石だなと思います。
私は単行本で読んだので、関口苑生氏の解説も収録されているんですが、そこでも取り上げられている作中の主人公の台詞、
「私達は世代で生きてきたんじゃない。個人で生きてきたんだ。」
というのが印象深いです。
本書の主人公が生きてきた全共闘の時代を、私はまったく知らない世代ですが、それでもこの台詞には、何かしら感じるところがあるように思います。
そう言えば、本書の感想とは直接関係はないんですが、解説部分でニーチェの言葉と作中の人物を繋げていまして…
「怪物と戦うものは誰であれその過程において、自分が怪物とならぬように気をつけねばならぬ。そして、深淵を覗きこむとき、その深淵も逆にみつめ返しているのだ」(ニーチェ)
この言葉を聞いて一瞬なんとなく、浦澤直樹の「MONSTER」を思い出した、というのは私が毎週毎週放映中のアニメ「MONSTER」を観てるからとしても。
「クロノクロス」というゲームに「炎がお前を見つめるとき、炎もまたお前を見つめている」というような言葉が出てきたのを思い出しました。
多分これもニーチェの言葉が元だったのではないかと思うんですが(当時はそんなこと考えもしませんでしたけど)、このフレーズは結構よく使われているのを聞きますね。
うーん、哲学って奥深い。
ぜひ遊びに来てください☆
http://vs1.f-t-s.com/~wagamama/
とっても面白い本だったので、トラックバックさせていただきました。
これから、ときどきおじゃまします。
どうぞよろしくお願いいたします。