インドのチャンディーガルってこんなところ

ル・コルビュジエの計画都市 Chandigarh
コルビュジエ建築物、街&生活情報
 

ピエール・ジャンヌレ邸が博物館へ

2021-11-09 | コルビュジェ関連・建築物 Architectures


新しいニュースではないのですが、
コルビジエの従兄弟でこの都市計画協同者であるピエール・ジャンヌレの邸宅が、2017年に博物館になって公開されているんですね!
場所はSector5でスクナ湖から徒歩圏です。

*1967年に亡くなった彼の遺灰は、その後に遺族によってスクナ湖に散骨されたそうです。


写真は以下のサイトから拝借。

正式ホームページはこちら。


この住居、チャンディーガルで初めて建てられた家で、ジャンヌレが11年間住んでいたそうです。
チャンディーガル都市計画に彼は総監督として勤め、
コルビジエは繰り返し現地に訪れており、その際にはこの家に宿泊されていたそうです。

その後は行政と高等裁判所の官舎になり、博物館として一般公開するにはそれまで反対があったそうです。



こちら↓のサイトでは住宅内部を見ることができます。
エントレンス、リビング、ダイニング、キッチン、ベッドルーム、階段、バルコニー。シンプルで機能的で素敵です。





バルコニーと壁には、インドの強い日差しを遮りながら風通しも考慮された、ブリーズ・ソレイユと呼ばれる赤茶色の格子状の日除け。
コルビジエ建築物にもよく見られますね。





*1階は建築関係者用の宿泊施設になっているそうなので、
建築を勉強されている方なら誰でも宿泊できる可能性があるようです。
また現地の方のお勧めコメントですが、
シェアサイクルがありますので、電動自転車を借りて周辺移動するのがお勧めだとか。
アプリ登録者しか利用できないと思いますが。


57, Uttar Marg, Sukhna Lake, Sector 5
定休日 月曜日 
9時(又は10:00)~17時 入場無料
平均所要時間 1~2時間

 




現地で初めてコルビジエ関係の博物館に訪れ、多くのコルビジエの資料を見た時から、
一体、彼はどこに滞在してこの都市を作ったのだろう、と思っていました。
まだ都市ができていない=宿泊施設はないだろうし、と。

きっと最寄りの村でもてなされてたとしか思えなかったのですが、
当時のインドで、当然インド食しか提供されなかったでしょうし
一体どのような食事をし、エアコンもない暑さの中で滞在していたのだろう??と、
当時、資料を見ながら彼の苦労がどれほどだったのかと思うと同時に
コルビジエに強く同情したのを覚えています。
(ジャンヌレの存在はまだ知りませんでした。)

私たちがそうしたように、沢山の馴染みの食料品を持ち込んで滞在されていたのかな?

ひょっとしたらジャンヌレの方がインドの生活に耐性があったのかな、
とも推測してしまいます。





コルビュジェに関する本/オープンハンド・モニュメントのヒント

2019-04-20 | コルビュジェ関連・建築物 Architectures


初めて行ってみた小さな図書室でこのコルビュジェに関する本を発見😄 
以前からコルビュジェに関する本を読んでみたいと思っていました。

*原書(仏語)は1987年にパリで出版された彼の一番弟子、アンドレ・ヴォジャンスキーがまとめたもので、日本では平成18年に英語訳より和訳として出版。
チャンディーガルの表記はチャンディガールになっていますが、「チャンディーガルとも」と明記。

オープンハンド・モニュメント
一番知りたかったのはこれでした。

過去記事で紹介。
コルビュジェが手掛けた/オープンハンド・モニュメント Open Hand Monument1


なぜ開いた手なのかは記事内に書いているように
平和を込めて、握った拳ではなく開いた手にした事。

でもまだ疑問がありました。
なぜ手をモチーフにしたのでしょうね??

読んでみると、コルビュジェにとって手とは特別な意味があったようです。
またあの手の形は職業柄、直角を意識した形にしたそうです。

手とは、
頭で考える前に、手で触わる→触覚が脳に伝わる。
頭が先ではなく、手で触った感覚が最初である。

手という器具でアウトプット(書く)→働くもの。

与えるのも手、受け取るのも手。
メッセージを受けるのも、与えるのも手。
=開かれていなければ与える事も受け取る事もできない。

コルビュジェ自身が生涯で手。

あのモニュメントに込められたメッセージはその通りの言葉、
Open to give-Open to receive

どこにもpieceなどという平和を意味する言葉はありません。

ただ自分が拘った「手」というモチーフを自分のアイデンティティーとして新都市に残したかったのかもしれません😄 

手はコルビュジェ自身だったのかもしれませんね。





発売!チャンディーガルのコルビュジェ建築物の写真集

2019-04-06 | コルビュジェ関連・建築物 Architectures

 
冒頭の写真は個人的に撮ったもので本とは関係ありません。
 
こんな本が発売されたんですね!
チャンディーガルのコルビュジェ建築物の写真集です。

米国、ロサンジェルスを拠点に活動されている
Yoshihiro Makino氏の写真集「THE OPEN HAND」で、日本でも発売されたそうです。

先月、日本上陸を記念してサイン会が行われたばかりだったそうです!
詳細は以下サイト内で紹介されています。



キャピトル・コンプレックスの危機とコルビュジェの遺志

2019-02-20 | コルビュジェ関連・建築物 Architectures


Sector1のコルビュジェのデザインしたキャピトル・コンプレックスの構想。
昨年の品川のチャンディガールの展示会での写真です。
(絵の線が薄かったので加工したら赤っぽっくなりました)


展覧会へ行かれた方はご存知かと思われますが、建築物だけがコルビュジェの作品ではなく、
あの場所から眺められる
大自然の光景一体がコルビュジェの構想だとよくわかるものでした。

しかし、このコルビュジェの遺志に反するある、とんでもないプロジェクトが持ち上がっていると知り、驚いています!!

以下、情報はchandigarhurbanlab
SIGN PETITION – Save Le Corbusier’s Capitol Complex in Chandigarh!より

コルビュジェの遺志
 コルビュジェは生前にここに景観を壊すものは作らないように、と訴えていたそうです。

 当時、ここに軍用地が出来る案にも彼は直筆の手紙で当時の首相に訴えて中止させています。
(サイト内にその手紙が載っています)

そんな経緯があるのを知ってか知らないのか??

インド大手財閥のTATA不動産グループのプロジェクト。
世界遺産・キャピトル・コンプレックスの真北に12~36階建て高層ビル群(複合施設)を建てるというプロジェクト

こんな位置に
恐らく高層マンション、オフィス(商業施設も入るかもしれませんが)などの複合施設だと思います。



この無神経なプロジェクトに対してここ数年、揉めているのだそうです
多くの人達、海外からも怒りの声が署名と共に集まって来ています。

ちょうど真北、ドンピシャの場所、狙ったかのようになぜわざわざここに!?

グループ側は、ビル群の色を緑色にするから!と反論したそうですが、
全く分かっていない、、、と。建てること自体が問題なのです。

*揉めている様なので工事はまだ着手されていないようです。


反対されている理由はコルビュジェの遺志の尊重の他、
 工事によって自然の破壊、周辺の沢山の守るべき自然や村、野生動物への危惧が叫ばれています。
スクナ湖に繋がる川、水路など心配の恐れ。
立地のすぐ裏にはスクナ湖へ続く川が流れています。

このプロジェクトの経緯
「土地の一部はチャンディーガルではなくパンジャーブ州の土地で、それをいい事に抜け道を使いチャンディーガルという名の付く不動産を建てようとしている。
100人以上のパンジャーブ立法議会に属する人達もプロジェクトに関わっている。」

土地に関してはパンジャーブ州とチャンディーガル間では複雑なものがあるようですが、、、、

チャンディーガルは公害から街と自然を守り、自ら他都市との差別化で、のどかな光景を守る努力を続けています。
高層ビルがそびえる他都市と同様な街にはしない方針です。
一見田舎に見えますが、住民はその環境をとても誇りにしているのです。

天国でコルビュジェさんは一体この結末をどう見ているのでしょう、、、

上記のサイトでは開発を止めるように署名を募っています。
興味のある方は覗いてみて下さい。
署名は300名までが目標で現在まだそこまで達していません。


余談
私の憶測ですが、もしもここにマンション群を作ったら、間違いなく猿たちの格好のターゲットになるでしょう ここ普段から猿が多いのに、、、
現在はここは住宅地ではないので、猿たちは南下して住宅地でやりたい放題していますから、、、、



2014年にスタートしたキャピトル・コンプレックスのガイドツアー

2019-02-07 | コルビュジェ関連・建築物 Architectures


画像 2014.4月hindustantimesより

「Sectro1のキャピトル・コンプレックスの無料英語ガイドツアーが始まる。
ガイドにはチャンディーガル建築大学でトレーニングした7人のスタッフを従事させる。」

このガイドツアー、2014年の前半にスタートしたんですね。
なんと、つい最近知りました

一体いつ始まったんだろう?と思っていたら偶然このニュースに辿り着きました。

このガイドツアーへの参加方法はこちら過去記事

私が個人的に建築物の近くまで見に行ったり、オープンハンドモニュメントを見に行った頃もこのツアーはまだなかったんですね!!

2014年と言うとまだ住んでいましたが、まめにニュースをチェックしている人でないと知らないですよ~。
当時在住の日本人間でも話題になった事もない(世界遺産にもなっていなかったし)ので参加した人は皆無でしょう。

そしてこのガイドツアーが出来る以前は
敷地に入るだけでSector9の事務所とやらに許可証を発行してもらわなければ入れなかったそうです。

土地勘のない場所で、近くもないセクターに許可証を貰いに行くだけでも結構大変だったでしょう。

しかも敷地に入れても少し離れた所で見学させられる人もいれば、運良く至近距離に近づけた方もおられ、まちまちだったようですね。

まだ日本にいる頃に見つけたブログでは、裁判所を凄く綺麗に近くで写真に撮られている男性がおられ、世界あちこち旅をされている方でした。

最初にこのガイドツアーに参加された日本の方って個人なのか、旅行会社の方なのかわかりません。
でもその方がきっとネット上に記録を残して後から行かれた旅行者のブログか何かで広まったのかもしれませんね!

本当に有難い事です




ピエール・ジャンヌレが手掛けた/ パンジャブ大学の図書館がユネスコ遺産登録に申請中 AC Joshi Libraly

2018-11-28 | コルビュジェ関連・建築物 Architectures



画像2018.10.8 Hindustan Timesより
Sector14 パンジャブ大学内の図書館、AC Joshi Libraly

ピエール・ジャンヌレが他の建築家・協働者たちと共にデザインし、1963年開館の図書館がユネスコ遺産登録に申請します。

「「チャンディーガルではこの建物が遺産だと認められているものの、何の修復費も出ていないんです。修復保存できるようにユネスコ遺産として認められて貰いたい。」
屋根、床、電線に早急な修復が必要で、建物の内装、外装の修復、周囲の植物の植え替えや電灯、必要ならば赤土の入れ替えも含めます。

ジャンヌレの建築物の特徴通り、館内の南向きの読書スペースには十分な太陽光が降り注ぎ、チャンディーガル建築の特徴である北側には日除けが取り付けられ、南側には対照的に五つのバルコニーがデザインされています。」


一般の観光地情報には出ていないので知りませんでした。
大学や図書館もコルビュジェの従弟のピエール・ジャンヌレが手掛けたんですね!!

この大学では過去記事で取り上げたジャンヌレが手掛けた蓮の形の建築物、ガンディー・バワンが有名で、こちらはきちんと費用をかけて保存されているそうなのです。
過去記事→ガンディー・バワン in パンジャブ大学

図書館にはジャンヌレがデザインした椅子もあるそうで、観光客も訪れているそうです。

ジャンヌレがデザインした椅子は多分、チャンディーガルでも見たはず。

そして今年の品川の展覧会建築倉庫ミュージアムのル・コルビュジェ/チャンディガール展へ!
にもあり私も座ってみました


AC Joshi Libraly
Sector14 パンジャブ大学内





マックスウェル・フライが手掛けた/Sector22 Kiran Cinema

2018-09-17 | コルビュジェ関連・建築物 Architectures


画像→justdialより

Kiran Cinema (キラン・シネマ)

Sector22のインナーマーケット通りにある映画館です。
ヨーロッパの街で例えると広場前の教会のように、大きな目印になる重要な役目になっているようです。
Sector22の人気の巨大マーケットに行く時、最初の頃はこの映画館を目印に行き、帰りはこの前でドライバーにピックアップしてもらった事もあります。このマーケット前は車が多すぎて駐車できないので、ここで待ってるから!と。

インドっぽくもなく斬新なデザインだなあ!!といつも眺めていました。
それもそのはず。
この映画館はチャンディーガル都市計画のメンバーが手掛けたと知り、なるほどと思いました。

ル・コルビュジェ、ピエール・ジャンヌレ等と共にチャンディーガル都市計画に携わったメンバーの一人にMaxwell Fry(マックスウェル・フライ)というイギリス人建築家(画家、小説家、詩人でもありました)がおられました。
実はこの映画館は彼が手掛けた建築物なのです。

このマックスウェル・フライという方について。
Wikipediaより

「ル・コルビュジエの協働者として、1951年から1954年にかけて現場に事務所を構えて設計監理をするとともに、コルビュジエに代わりチャンディーガルに住んで現地で施設の設計・監理を行った。

コルビュジェが1人で頑張ったイメージが強いチャンディーガル都市計画ですが
それは大きな間違いなのですね。
実は他にもメンバーが数人おられて、特に彼がコルビュジェに代わりチャンディーガルに住んで頑張られたんですね 

そのメンバーの中には彼の後妻もいました。
その後妻というのはJane Drewで(ジェーン・ドリュー)という女性で、彼女も一緒にコルビュジェ、ピエール・ジャンヌレらと共にチャンディーガル都市計画に携わったメンバーなのです。

この映画館、とても古くて現在は中の設備も整っていないのでチケットもとても安く、住民からはあまり好評ではありません。
Mapのコメントには、(ここで最大のモールである)エランテ内の映画館チケットを買う余裕のない階層の人達が行く映画館だ、と嫌味を言う人もいれば
古くて懐かしく愛すべき映画館だ、と言う年長者と思われる人もいます。

映画館としては設備が残念そうですが、歴史的遺産となりそうな素敵な建物だと思います。
何度もこの前に立ったのに、、、写真、撮っておけば良かったです

アクセス



ピエール・ジャンヌレが手掛けた/Sector10 Hotel Mountview

2018-08-15 | コルビュジェ関連・建築物 Architectures


画像 Hotels.comより


Sector10にある五つ星ホテルHotel Mountview(ホテル・マウントビュー)。

コルビュジェの従弟であるスイス人の建築家ピエール・ジャンヌレが手掛けた五つ星のホテルです。
向かいにはインナーマーケットがありよく通っていたのに、このホテルの中には入ったことがありませんでした。残念


上の徒歩〇分というのを見ると大体観光地への時間がわかっていいですよね!
でも暑い中、荷物を持ってとろとろ歩いていたらもっと時間がかかると思います。
というか大体、旅行者はリクシャに乗られると思いますが、、、、

ホテルを出たこのマーケット通りの西端には英国調の可愛いカフェがあり、インド人からも好評です!↓

アクセス
Hotel Mountview
Sector 10A インナーマーケット向かい





またそのマーケットの裏側にはレストランが数件集まっていて評判の良いお店が幾つかあります。
エランテ・モールにもあるお店↓
また同じ場所にはお洒落なピザレストランもあります。

アクセス
10D, Sector 10 インナーマーケット裏
10:00~11:30 無休




パンジャブ大学内のもう一つのシンボル/学生会館 Student's Centre

2018-08-09 | コルビュジェ関連・建築物 Architectures



Student's Centre(学生会館)

前回の記事→ガンディー・バワン in パンジャブ大学の続きです。

Sector14のパンジャブ大学内にはもう一つのシンボルである学生会館があります。

Shri B.P. Mathur という建築家により1975年建造。
会議室で上はカフェテリアになっています。
この円形の建物。周囲を下からスロープでぐるりと回りながら上がるのがユニーク!
恐らく太陽光を遮るために付けられた日除け目的の壁も目を引きます。

チャンディーガルにはこの他にも、建築学校、大学など、建築専門の方にお勧めの面白い所が沢山あるんですね!

アクセス
Panjab University, Sector 14
カフェテリア 9:30~21:00 定休日なし



追記
↓もう一つ、パンジャブ大学内の建築物に関する記事です。



ピエール・ジャンヌレが手掛けた/ガンディー・バワン in パンジャブ大学 Gandi Bhawan

2018-08-08 | コルビュジェ関連・建築物 Architectures



チャンディーガル都市計画でコルビュジェと共に活動したチームがいます。

その中にコルビュジェの従弟であるスイス人建築家、 Pierre Jeanneret(ピエール・ジャンヌレ)がいました。
彼はこの街に多くの建築物を残しています。
過去記事Sector19のル・コルビュジェ・センターの建物もそうです。
先日、品川で行ったル・コルビュジェ/チャンディガール展では彼の家具(テーブル&椅子)が置かれていました。

上の写真はSector14のパンジャブ大学内にある彼が手掛けたGandi Bhawan(ガンディーバワン)です。

この形、不思議な形ですが、蓮(ロータス)の形です!
前面の水面に映り込んだ姿も綺麗で、この学校のシンボルだそうです。
(近年の乾季には水不足の為だと思いますが水がありません)

Wikipediaより
「池の中央に位置した講堂で、入口には「Truth is God」と書かれています。
現在はガンジーに関する本の貯蔵室にもなっています。」

パンジャブ大学には買い物で2度訪れた事がありますが、それ以上中へ入ったことがなくこんな素敵な建築物があるなんて事も知らなかったです。

買い物とは、まだ越して来て間もない頃にこの大学に案内して下さった日本人の方がおられ、まだ荷物も届いていなかったのでそこでちょっとした生活用品を買った覚えがあります。
他にも本屋さん、女性向けの洋服屋さんもあって暇つぶしにもなった良い場所です。




以前にも紹介しましたが再掲。ガンディーバワン編。
「 ぼく@dadadadaiyuさん」
ブログ・ゆるろぐ-UrbanismeLog-(https://urlog.hatenablog.jp/)より。

インドろぐ9 チャンディーガルの旅行にはバスを利用しなさい
(パンジャブ大学内・ガンディーバワン、バスでチャンディーガル駅へ)

野良犬がいて逃げながら怖い思いをされたようです😫 
私もオープンハンド・モニュメントを見に行って野良犬たちに吠えられてしまったのでよくわかります

観光客の方はぜひ、気を付けて下さいね!!
(観光客の方達は狂犬病の予防接種をしてないと思われるので特に!)


アクセス
Panjab University, Sector 14


キャピトル・コンプレックス/ブログ紹介&ガイドツアー情報

2018-07-19 | コルビュジェ関連・建築物 Architectures

コルビュジェが手掛けたキャピトル・コンプレックスの英語ガイド付きツアー情報です。
参加方法は後半に載せています。

残念ながら私は参加した事がなく、あの建築物を全て見た事はありません

なのでキャピトル・コンプレックスのツアーに参加された方のブログを紹介したいと思います。
今春に参加されたばかりの「 ぼく@dadadadaiyuさん」
(ブログ・ゆるろぐ-Urbanisme Log- (https://urlog.hatenablog.jp/)に承諾を得てインド旅の記事からチャンディーガルを抜粋した記事をご紹介します。ご協力ありがとうございます!

参加当時は建築を勉強中で、デリー、チャンディーガル、バラナシの旅です。
建築専門&旅行者の目線、風景&館内の写真や最新情報がとても参考になりました。



インドろぐ6がキャピトル・コンプレックスのガイドツアー編です。

インドろぐ5 ニューデリーからチャンディーガルへGO
(デリー~チャンディーガルへ列車移動、ホテル到着)



インドろぐ7 チャンディーガルの光と影
(ロックガーデン、Leisure Valley(レジャーバレー)、政府博物館&美術館)  

2018年プリツカ賞:インド人建築家DOSHI スイス人のおばあさんに教えてもらった
 (キャピトル・コンプレックスのツアーで一緒になったおばあさんから教えて貰ったそうです。インド人建築家バルクリシュナ・ドーシはコルビュジェと共にアーメダバードやチャンディーガルの建築群で働いた方。)
        
インドろぐ8 日本人はアジアの屋台で飯を食って大丈夫なのか
(ローズガーデンの薔薇祭り、自然史博物館(科学博物館)、Sector17のショッピング広場)
      
インドろぐ9 チャンディーガルの旅行にはバスを利用しなさい
(パンジャブ大学内・ガンディーバワン、バスでチャンディーガル駅へ)


私が記事で扱った場所を幾つか歩き回っておられるので読んでいて楽しかったです。
パンジャーブ大学内の建築物に関しては、またこのブログ内で記事にします。
1の日本出発から最後の記事まで全て読むのもお勧めです。
インドのバックパッカーがよく直面するアクシデントばかりで大変な旅でしたが、よく無事に帰国されました



英語ガイドツアー参加に関して。ネットの情報より。

10:00、12:00、15:00に英語のガイドツアーがある。
日祝日は休み。Web予約が出来ても休み。(Web予約はあまり当てにならない)

注:内部見学は平日のみ
但し、議会などで使用中の場合は内部見学不可。


事前にセクター1のツーリストセンターに10分位前に行き、参加登録が必要。
登録にはパスポートが必要。インド人の場合はIDが必要。
グループで申し込む場合、30人を超えない事。
参加費無料。
約1時間半ほどの徒歩ツアー。

貴重品、水、女性用ポーチ以外の荷物持ち込み禁止。
荷物を預けるロッカーあり。X線での荷物検査あり。
周囲は警官がいて安全。
内部見学では写真撮影禁止で携帯電話なども預ける。

ツアーは自分の希望の時間帯に行われない事もあるようです。
その場合は逆に時間を指定される可能性もあります。

*夏場の炎天下(真夏は4月からで40℃超え)でのこのツアーは、インド人参加者からもきつい~!という声が。
水や帽子はあった方が良さそうですね。





Sector1のツーリストセンターへのアクセス
Capitol Complex Tourist Centre
TEL +91 1800 180 2116








コルビュジェが手掛けた/オープンハンド・モニュメントを見に行った Open Hand Monument2

2018-07-17 | コルビュジェ関連・建築物 Architectures
 
 
 
まだ住み始めて1ヶ月も経たない頃、ドライバーが道に迷った時がありました
 
目的地までの道を知っている、と言うのでお任せで乗っていると、、、
 
なんと間違ってこのモニュメントが見える場所に車が入り込んだのです。
予想もしない物が目に入って来たので、直ぐに道を間違えていることに気が付いて焦りました。
同時に、このモニュメントが小高い丘に立っているのを知りました。
この街は南に向けて緩やかな斜面になっていて、Sector1のその場所は小高い所になっているんですね!
 
数か月後、新しいドライバーに、あのモニュメントへ行ってみたいとお願いしましたが、警備上立ち入り禁止なのだと思っていたようでとにかく行けない、と連発され諦めました
 
バックパッカーたちが行っているのになぜ行けないの!?
 
そして後日に、偶然に他の日本人のお宅のドライバーに一緒に連れて行って貰えることになり、初めて辿り着きました。
 
モニュメント下の路上に駐車し、少しだけ敷地の丘へ徒歩で登ると見えてきました!
 
多分矢印の箇所に車を停め、ドライバーも一緒に登りました。
現在の状況はわかりませんが、念のためパスポート持参の方が良いと思います。
 
 
 
そしてその後、我が家のドライバーがそれを知って行きたがりもう一度行く事になりました。
彼はチャンディーガル出身なのに行った事がなく、行き方はちゃんと教わったようでした。
 
そのドライバーが撮った写真。上が入っていなくて残念。
私も撮ってもらったのです。 座っているのは警備員かな?
 
 
少し進もうとすると端に野犬が数匹いて吠えられてしまい、コワくて退散
犬に吠えられることは滅多にないのに、、、狂犬病が怖いので近づいてはいけません。
 
ここから遠くに高等裁判所が!
でも行っちゃいけないのかな、と思いそれ以上進むことはしませんでした。
(しかし近くの警備員に尋ねて、もしも承諾を得たらもっと近づける可能性があります。)
 
 
 
その後、傍にいた警備の人がノートを持って近づいて来て、そこに何か書いてと。
記念に名前を書き込みました。
私の前の人は中国系の人で、漢字の名前でした。日本人の名前ではありませんでした。
 
ここには色んな観光客が来るようですね。
パラパラとめくってみると、色んな国の人がサインしていたと思います。

当時はまだ世界遺産に未登録でガイドツアーもありませんでした。
その場にいる日本人が自分だけと思うと、とても貴重な体験だったと思います。
 
ツアーじゃなくてもここだけなら個人的に行けますよ
 
 
帰り道、インドでよく見かける、でも日本人の私には珍しい花。
ドライバーが摘んで持って来てくれました。
 
 
 
 
 
アクセス
 
キャピトル・コンプレックスの他の建築群も出ています。
オープンハンド・モニュメントの下から徒歩で丘を少し登れば入れます。
 
 
次回はキャピトル・コンプレックスのガイドツアーの情報です

コルビュジェが手掛けた/オープンハンド・モニュメント Open Hand Monument1

2018-07-14 | コルビュジェ関連・建築物 Architectures





チャンディーガルのシンボルでコルビュジェが手掛けたOpen Hand Monument(オープンハンド・モニュメント)。
キャッチフレーズは平和の意味を込めて Open to give-Open to receive


参照Wikipediaより

このモニュメントはコルビュジェが手掛けたSector1の建築群・Capitol Complex(キャピトル・コンプレックス)の一つで、ユネスコ世界遺産に登録されています。

このモニュメントを見に行った時のお話はこちら→オープンハンド・モニュメントを見に行った

このモニュメントは実はフランス政府が贈ったインド製の物です。
お隣りのパンジャーブ州にある街、スクナ湖の水源となっているNangalダムのあるNangalという街で製作されました。

Sector1の背面にあるシヴァリク丘の麓の街で、モニュメントはそのシヴァリク丘を背面にして立てられています。
鉄でできていますが、風が吹くとその方向へ回るようになっています。

高さ14m、重さ50トン。

~構想~

コルビュジェには1948年からこのモニュメントの構想がありました。
その後ヒマラヤが見渡せるチャンディーガルの端に、このモニュメントを作りたいと思い、仲間たちと共に計画し当時の大統領とも話し合いました。
平和のイメージを強く願い、それをヒマラヤ山脈とシヴァリク丘を背景にした新しい都市・チャンディーガルに造りたいと思ったのだそうです。

チャンディーガルとは、パンジャーブ州がパキスタンとインドとに分割された事が発端で造られる新たな都市でした。そこに平和の願いを込めたかったようです。

手は握った拳にするのか、開いた手にするのか?

拳のイメージは闘争、喧嘩、戦いというネガティブなイメージです
コルビュジェはその拳とは真逆のイメージ=平和→手を開いた形をイメージしたのです。

Sector10のチャンディーガル建築博物館内で見つけた直筆のスケッチ。




スケッチは出来てプランはたったけれど基金がない、、、、
どうしよう、、、

そこで自分が活躍した国、フランスからの寄贈として製作してもらおうと働きかけました。

しかし実現したのは彼が1965年に死去して20年も経つ1985年の事でした。


上の写真の説明には「しかし彼は存命中にこれを見ることができなかった」と書かれていて、本当に残念な気持ちになります。

そんなに新しい物だったとは、、、
他の建築群と同時期に作られたわけではないのですね。

フランスからの贈り物だというのは聞いていましたが、実は今まですっかり忘れていました。
なぜフランスからの寄贈だったのかも改めてよくわかりました。



次回はこのモニュメントを見に行った時のお話。

追記 
後日に書いた記事より。彼についての本を読んでみました。
なぜ手がモチーフになったのかのヒントになりました。
コルビュジェに関する本/オープンハンド・モニュメントのヒント

コルビュジェが手掛けたキャピトル・コンプレックス/特徴 Capitol Complex2

2018-07-12 | コルビュジェ関連・建築物 Architectures

前回の記事の続きで、資料は書籍・CHANDIGARH The city beautifulより。

コルビュジェが手掛けたキャピトル・コンプレックス。(ユネスコ世界遺産
概要についてはこちら→概要

追記:大変残念な事に、近年以下の内容で揉めているようです。
コルビュジェの遺志とキャピトル・コンプレックスの危機

注:これらの建築物の見学は、ガイドツアー(英語・無料です!)に参加して下さい。
日祝は休みですので注意です。
ガイドツアーに参加しなければオープンハンド・モニュメント以外の建築群は敷地にさえ立ち入り禁止です。
ツアーでは都合が合えば内部見学も可能。
参加方法はこちら↓

残念ながら、私は住んでいたのにこのツアーに参加していないんですよ
(当時はまだ世界遺産に登録されておらず、これらの価値に気づいていなかったのと、このツアーはそれ以前にはありませんでした)

行政庁舎は近くに行き、オープンハンド・モニュメントは個人的に見学できましたが、やはりツアーに参加すると場合によっては内部見学ができるのでお勧めです


特徴


Sector1に入ると、警備が厳しく物々しい雰囲気になっていますが、一方で森林地区でもあるので緑多いあの地域はとても好きなエリアでした。

Secretariat(行政庁舎)

個人的にドライバーに車で連れて行ってもらい、写真に収める事ができました。
建築に無関係の私ですが、ただのミーハー気分で一目見たかったのです、、、

前面に大きな蜂の巣状の日除けが取り入れられています。
また屋上に斜めに突き出た長細い装飾的な部分があります。
残念ながらこの写真ではわかりませんね、、、、

なぜわからないかというと、、、、
これはこの建物の裏側になるのです!
道路側から見ると裏側になるという事実を今、知ることになりました

下の写真はトリップアドバイザーより。
正面からで、これで見ると屋上の装飾的な部分がわかります。
なんと屋上庭園があるそうで、ガイドツアーに参加するとここに上がれます!


Capitol Complex (トリップアドバイザー提供)

Vidhan Sabha(立法議会議事堂)

Capitol Complex (トリップアドバイザー提供)

牛の角をイメージした雨樋、一階が開放感のあるピロティ、側は蜂の巣状の日除けですね。

正面より。1階正面に赤や黄色の絵が見えますが、コルビュジェが原画を描いた絵だそうです。
人間、牛、亀、蛇など動物も描かれています。


Capitol Complex (トリップアドバイザー提供)

また屋根に特徴のある三つの塔があります。

一番目立つ塔は「冷却塔」の形で、この中はメイン会議場を含んでいます。
この形は太陽光を集めて使用するという天文学の特徴があるのだとか。
その隣のピラミッド形の塔は、ハリヤーナ議会が使用の部屋。
後ろに隠れて見えにくいですが、シンプルな細長い塔。
この中には階段があり会議場の屋根にアクセスできます。


The High Court(高等裁判所)


Capitol Complex (トリップアドバイザー提供)

屋根のデザインに傘の様なアーチ型が取り入れられ、前面に蜂の巣状の日除け。
住民をこの傘で守ります、という重要な意味。


The Shadow Tower(陰の塔)

Capitol Complex (トリップアドバイザー提供)

光の入り方の学習ができます。どんな角度からでも太陽光が入ると。
北側は太陽光が入らないのでオープンにしてあります。
この原理はコルビュジェの建築群にて生かされているそうです。


Geometric Hillは影の塔の後ろにあり、小高い丘で上部が緑になっています。
コルビュジェが廃材で作った盛り土=丘で、道路から見える建築物を隠す為に作られたそうです。

Open Hand Monument(オープンハンド・モニュメント)


風が吹くと回ります。フランスからの寄贈。
個人でも見学できる唯一の場所です。
このモニュメントに関しては次の記事にします。


コルビュジェが手掛けたキャピトル・コンプレックス/概要 Capitol Complex1

2018-07-10 | コルビュジェ関連・建築物 Architectures


何度か取り上げましたが、Sector1Capitol Complex(キャピトル・コンプレックス)と呼ばれるコルビュジェが手掛けた建築群があります。
*無料ツアーに参加すると見学が可能です。

特徴についてはこちら→特徴 

これらは2016年にユネスコ世界遺産に登録されました。

Capitolとはcapitalと発音は実は同じなので混同されやすいですね。
日本語表記では語尾をトルかタルで区別しているようです。私も間違える事がありました。
〇キャピトル ✖キャピタルとすると意味が違ってきます。

Capitolは「国会議事堂、州会議議事堂」という意味の他にも、
「古代ローマのジュピターの神殿、丘」という意味があります。
政府の重要な施設が集まり、またこの土地が「丘の様な場所」である事からそう名付けられたのだと思います。

このキャピトル・コンプレックスは
Punjab and Haryana The High Court(パンジャブ州&ハリヤーナ州の高等裁判所)、
Vidhan Sabha(立法議会議事堂)、
Secretariat(行政庁舎)
という三つの代表的建築物と以下の三つの建築物で成り立っています。
他の建築物としてGovernor's House(総督邸)の案がありましたが実現していません。

これらは同じ敷地にあります。

Geometric Hillという名のピラミッド状の小さな丘。
The Shadow Tower (影の塔)と名付けられた光の入り方を学習できる建築物。
Open Hand Monument (オープンハンド・モニュメント=開かれた手のモニュメント)


高等裁判所は右端の法律専門店の近くになります。



高等裁判所、立法議会議事堂、行政庁舎については先日の東京、品川のミュージアムでコルビュジェの構想に関する企画展が行われた際、これらのミニチュアが床に配置されていました!


写真の一番奥が高等裁判所です。



今では世界遺産に登録されていますが、建てられた1950年代のインドで、このコルビュジェ建築を称賛し受け入れるインド人はあまりいなかったそうです。

コンクリート剥き出しの、同じような四角い箱が並んだような(=日除け)が目立つ、退屈な外観、、、

賑やかで原色が好みの民族の人達に、この静寂な色みのない地味なシンプルさとリズムは理解できなかったのは無理もありませんね。

*コルビュジェのデザインは同種の物を並べてそのリズム、光景を楽しむのだそうです。

この街に残っている彼が手掛けた住宅は、日本の団地に似た、、という表現を私も過去記事に書きました。
実は日本の建築物もコルビュジェに影響を受けているそうで、彼がいなければ現在の建築物はなかった、、と言われていますね。
昭和生まれの人々にとって、団地は昭和のシンボルのようでコンクリートの単純形式の見慣れた建物に見えます。
なのでコルビュジェの建築物を見ても、日本の団地に似ていて新鮮さを感じなかったわけがわかりました

彼の建築物が日本の団地に似ているのではなく
その逆で!
日本の団地が、コルビュジェの作品に影響を受けて似ているのかもしれない、なのが正解なのでしょうね!!

彼のこれらの建築物は1950年代ですからね

理解されるのはさぞかし難しかったでしょう。

次回は特徴についてです。