■検証：東宮ご夫妻の被災地訪問バッシング－－文春記事、味噌工場炎上に共通する「難クセ」の手口

　東宮ご夫妻は8月20日、宮城県を訪問し、被災者を励まされました。ご夫妻と被災者の笑顔が嬉しい、明るいニュースでしたが、翌日の新聞に載った週刊文春の広告は盛大な雅子様バッシングでした。

　＜雅子さま　宮城日帰り「被災地訪問」の全内幕＞--「仮設住宅との交流予定は10分。短すぎる被災地ご滞在計画の果てに」－－訪問は20日ですが、22日発売の文春は20日または21日には刷り上がっていたはずで、1分たりとも現地取材せずに「全内幕」を書き上げたわけです。バッシングの根拠は、訪問4日前に公表された日程表に「仮説住民とご夫妻の交流の時間が、10分しか予定されていなかった」ということだけ。

　たったそれだけを根拠に、「形だけのご訪問になるなら行かないほうがマシ」、「今年はオランダご訪問をされたので、被災地訪問もこなさないといけない、という雅子様の”義務感”が透けて見える」などという、（あるベテラン宮内庁担当記者）の悪意に満ちた個人的感想を載せ、「パパッと形だけで済ませたいという感じがします」と地元住民に語らせています。

　さらにこの後、皇太子「退位論」を唱える作家の保阪正康氏を登場させ、「雅子さまはプラグマティックなこと、例えば効率的な物質的支援や、経済的課題などを優先されるようなご発想があるのでは」と語らせます。保坂氏がその根拠として挙げたのは、なんと、ご夫妻が被災地訪問前に出席された「OECD東北スクール」取組発表会。このスクールは精神的励ましより具体的解決法を優先させる方針で、雅子様の考えに近いと言うのです。

　こうして雅子様は心よりも物質を大切にする人と決めつけた文春は、「（苦しむ人々の傍らに行き、その人々と共にあることを役割と考える）天皇皇后両陛下の流儀を受け継いでいるのは、秋篠宮ご夫妻」と結論付けます。実際はどうだったかといえば、OECD東北スクールのご公務は女子高生と雅子様の心のふれあいから実現したものであり、被災地ではご夫妻の行くところ、どこもお迎えの人が鈴なりで、励まされた人々の笑顔はTVニュースで繰り返し流れました。

　東宮ご夫妻の癒しの効果は抜群で、津波被害から復興したみそ加工施設での視察では、案内役の女性がご夫妻を迎えた喜びに、思わずピースサインをしてしまったほど。これが英国王室なら、みんながハッピーになる明るいニュースで終わるでしょうが、東宮ご夫妻をつけ狙うネットのアンチ東宮派が、この楽しいニュースを泥まみれにしました。みそ加工施設のブログ記事のコメント欄に、ご夫妻ばかりか被災者・被災地まで誹謗中傷する書き込みが殺到したのです。このアンチ東宮一派の言いがかりは「（ご夫妻の）白衣白帽無しは不潔」というもので、そこからもっともらしく話を広げ、工場や被災者まで醜い言葉で叩き、数百にのぼるコメントを付けて大騒ぎしています。

　文春記事と、みそ加工施設に殺到するアンチ東宮の手口は驚くほど似ています。なんら問題がないことに対し難くせをつけ、針小棒大に騒ぎ立てる。そのうえで、「こうした問題点がないのは、秋篠宮夫妻である」と締めるところまでそっくり！　文春が、どういう勢力に動かされて雅子さまバッシング記事を仕立てているか、丸わかりですね。

●「安倍政権のネット戦略」

　8月27日付の東京新聞は、安倍首相のインターネット戦略を分析した「安倍政権のネット戦略」という本を紹介し、安倍氏サイドがネトウヨ（ネット右翼）を使って敵を包囲し、駆逐する手法を取り上げています。
　この本は安倍政権が使うネトウヨの分析ですが、ターゲットとする相手を包囲して執拗に叩き続けるやり方は、アンチ東宮そっくりです。ネトウヨ≒アンチ東宮なのでしょうか。アンチ東宮を裏で操作しているのは、安倍政権なのでしょうか。小林よしのり氏サイドは、そう認定しているようです。以下の記事は「ゴー宣道場」の掲載で、熱く共感できる内容です。

・ネトウヨ極左の皇太子・雅子妃両殿下バッシングがひど過ぎ！（by:トッキー）
・味噌製造所と皇太子・雅子妃両殿下バッシングは食文化の冒涜！（by:トッキー）

　「ネトウヨ」と「アンチ東宮」の共通項と相違点、それぞれを裏で動かしている勢力は何か等、もっと研究を進めてほしいですね。

　このトピックでは、東宮ご夫妻に「難くせをつける」「針小棒大に騒ぎ立てる」「比較して筆頭宮家を持ち上げる」、メディアおよび「ネトウヨ≒アンチ東宮」に共通する手口について、大いに語っていただきたいです。似たような「難くせ」手口の事例を集めていけば、アンチ東宮≒ネトウヨの研究にも貢献しそうです。